11月の輸出額は前年比9.1%増、9カ月ぶりに伸び率拡大

11月の日本の輸出額は前年同月比 で12カ月連続増加した。アジア向けを中心とした輸出のV字回復の反 動で伸び率は前月まで縮小していたが、9カ月ぶりに拡大。一方、輸 入額も増加したことから、貿易黒字額は3カ月ぶりに減少した。

財務省が22日発表した11月の貿易統計速報(通関ベース)によ ると、輸出額は前年同月比9.1%増の5兆4411億円と12カ月連続増 加。輸入額は同14.2%増の5兆2783億円と11カ月連続で増加した。 この結果、貿易黒字額(原数値)は55.4%減の1628億円となった。 エコノミスト調査の予測中央値は輸出額が同10.3%増、輸入額が同

9.0%増。貿易収支は4817億円の黒字だった。

野村証券金融経済研究所の木内登英チーフエコノミストは統計発 表後に「かなりの確度で10-12月期の実質輸出は前期比マイナスにな るものの、世界経済は持ち直してきており、円高の影響が薄れてくる ので1-3月期にはプラスに転じるだろう」と述べた。

また、「11月ぐらいで円高の流れが変わった。為替の変動が実質 輸出に影響が出てくるのは、年明けぐらい」と指摘するとともに、「 景気自体は踊り場となっている。踊り場自体はまだしばらく続くだろ う。そこから脱出するきっかけとなるのは輸出」との認識を示した。

輸入は鉄鉱石が大幅増

輸出入の主要品目を見ると、輸出ではマレーシア向けや韓国向け の鉄鋼が前年同月比21.3%増、米国や中国向けの金属加工機械が同

107.2%増となった。輸入ではオーストラリア、ブラジルからの鉄鉱石 が同82.9%増。12月からの家電エコポイント半減前の駆け込み需要の 影響で、中国、マレーシアからの液晶テレビが同44.3%増と高い伸び 率を示した。

米国では商務省が14日発表した11月の米小売売上高(速報値) が前月比0.8%増と市場予想を上回る伸びを示した。同月の住宅着工 件数も3カ月ぶりに増加に転じるなど、経済指標が好転している。中 国でも11月の工業生産が前年同月比13.3%増となったほか、小売売 上高は同18.7%増といずれも堅調に推移している。

円の対ドル相場は22日午前11時33分現在、1ドル=83円80銭 で、統計発表直前の水準とほとんど変わっていない。日経平均株価の 午前の終値は前日比5円95銭高の1万376円48銭。

地域別では、アジア向けの輸出額が前年同月比13.0%増と10カ 月ぶりに伸び率が拡大。中国向けも金属加工機械や有機化合物などの 輸出が好調だったことから、伸び率は18.3%増と2カ月連続で拡大し た。また、欧州連合(EU)向けも同10.1%増と2カ月ぶりに増加し た。

米国向け自動車輸出が減少

一方で、米国向けの輸出額は同1.2%増と11カ月連続で増加した ものの、伸び率は2カ月連続で縮小。なかでも、主力の自動車が同

7.5%減と2009年8月以来の減少に転じた。財務省では、米国向けの 自動車輸出の動向について数量ベースでは今年1月以降増加している とする一方で、輸出されている自動車の単価が下がっているほか、円 高の影響もあるとしている。11月の為替レートは1ドル=81.39円で 前年同月比10.1%の円高だった。

主要地域別の貿易黒字額をみると、対米は前年同月比11.2%減の 3586 億円、対EUは同66.2%増の1754億円、対アジアは同2.4%減 の6079億円だった。アジアのうち対中国は1540億円の赤字と2カ月 ぶりの赤字に転じた。

ドイツ証券の松岡幹裕チーフエコノミストは統計発表後、11月の 輸出入数量からみて「輸出数量は8月を谷に下げ止まりの気配がある」 と述べた上で、「日本の輸出は世界製造業PMI(購買者担当者指数) から3-4カ月遅れて動くので、11年1-3月期に上昇に転じる可能 性が高まりつつある」との見方を示した。

季節調整済みでみると、11月の輸出額は前月比1.7%増の5兆 4989億円と3カ月連続増加。輸入額は同5.1%増の5兆731億円と2 カ月連続で増加した。

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