ユーロ反発、欧州不安くすぶるも新規材料難-ドルは対円でもじり安

東京外国為替市場ではユーロが 反発。欧州の格下げ懸念を背景に朝方は対円で約2週間ぶり安値をつけ る場面が見られたが、さらにユーロを売り込む材料もなく、日本の祝日 を前にいったんユーロの売り持ち高を手じまう動きが優勢となった。

ユーロ・円相場は1ユーロ=109円台後半で東京市場を迎えた後、 一時、109円57銭と今月7日につけたユーロ安値に並んだ。しかし、 その後はじりじりとユーロ買いが進み、午後には110円11銭をつけた。 午後4時7分現在は110円06銭前後。

一方、ユーロ中心の展開のなか、ドル・円相場は1ドル=83円80 銭前後で小動きだったが、午後にかけてはドルがじり安となり、83円 69銭まで値を切り下げた。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明統括マネージャーは、中 国による欧州債務支援の話が改めて出るなどしてユーロ買いになったが 、「今週はマーケットが薄いので、動いているからこうだとあまり決め つけない方がいい」と指摘。「年明け後はアイルランドの選挙やストレ ステスト(健全性審査)もあるだろうし、その辺をターゲットにどこま でユーロが売られるかだ。イベント的にそれらを越せばという話もある が、その間にスペインなどがどうなっていくかだ」と語った。

ユーロ買い戻し

前日の海外市場では格付け会社がポルトガルやギリシャの格下げの 可能性を示唆したこと受け、ユーロが下落。対ドルでは一時、1ユーロ =1.3074ドルをつけ、今月2日以来の安値を更新した。

この日の東京市場もこうした流れを引き継いで始まったが、ユー ロ・ドル相場は1.3100ドル前後からいったん1.3080ドルまで弱含み となるとその後反発し、午後には1.3150ドルまで値を戻した。

日興コーディアル証券国際市場分析部の為替ストラテジスト、松本 圭史氏は、「先週後半あたりから欧州不安が強まるようなニュースが散 見されたということもあり、材料難のなか、これまでの動きに対する戻 しが出ている」と説明。ただ、「ショートカバー(買い戻し)の域は出 ない」とし、年明け後は欧州重債務国の国債借り換えやさらなる格下げ への懸念などを材料に再びユーロの下値を試す展開になってもおかしく ないと語った。

ユーロは対スイス・フランで6営業日連続で最安値を更新した後、 下げ渋った。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は複数の匿名の欧 州当局者幹部の話として、中国の王岐山副首相が21日北京で開かれた 欧州連合(EU)・中国ハイレベル経済貿易対話の場で、必要なら中国 は欧州の安定化策への支援を強化するとの確約を与えたと伝えた。

米経済指標に注目

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 22日に発表される7-9月期の米実質国内総生産(GDP)確定値は 前期比年率2.8%増(予想中央値)と、先月発表された改定値の同

2.5%増から上昇修正が見込まれている。

全米不動産業者協会(NAR)が発表する11月の米中古住宅販売 件数は475万件と前月から7.1%増の見通しで、連邦住宅金融局(F HFA)が発表する10月の住宅価格指数は前月比0.2%低下したとみ られている。

フォレックス・ドットコムのチーフアナリスト、岡安盛男氏は、格 下げの話を背景に市場はユーロの売り持ちに傾き始めているだけに、 「何かきっかけがあれば逆にユーロの買いも強まる」と指摘。米経済指 標が予想を上回ったり、堅調な内容となれば、「株価もしっかりしてい るし、リスク回避の後退からユーロの買い戻しも入る」とみている。

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