12月21日の米国マーケットサマリー:S&P500、リーマン前に回復

ニューヨークの為替・株式・ 債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3098 1.3131 ドル/円 83.73 83.77 ユーロ/円 109.67 110.00

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,533.16 +55.03 +.5% S&P500種 1,254.60 +7.52 +.6% ナスダック総合指数 2,667.61 +18.05 +.7%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .61% +.01 米国債10年物 3.30% -.03 米国債30年物 4.41% -.03

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス)1,388.80 +2.70 +.19% 原油先物 (ドル/バレル) 89.77 +.40 +.45%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが主要通貨の大半に対して 下落。ユーロ圏で格下げが続く可能性が示され、一部の国で債券市場 での資金調達が困難になるとの懸念が高まった。

ユーロはドルに対して2週間ぶり安値。格付け会社フィッチ・レ ーティングスは、現在投資適格級で最低の「BBB-」としているギ リシャの発行体格付けを、引き下げ方向で検討する「ウォッチ・ネガ ティブ」に指定した。別の格付け会社ムーディーズ・インベスター ズ・サービスはポルトガル国債の格付けを引き下げる可能性を示唆す ると、スイス・フランは対ユーロで上げを拡大した。ブラジル・レア ルは上昇。商品の値上がりが材料視された。

ナショナル・バンク・オブ・カナダの外為担当マネジングディレ クター、ジャック・スピッツ氏は「普通ならユーロに向かう資金がス イス・フランに流れている。フランは通常、リスク選好が高まってい る状況では売られる」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時13分現在、ユーロは対ドルで前日比

0.3%安の1ユーロ=1.3092ドル(前日は1.3131ドル)。一時

1.3074ドルと、2日以来の安値を付けた。対円では0.2%下げて 109円74銭。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=83円80銭。

フランは対ユーロで0.8%高の1ユーロ=1.2562フラン。一 時1.2546フランと、ユーロ発足以来の最高値を付ける場面もあっ た。

◎米国株式市場

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は2008年9月の米 リーマン・ブラザーズ・ホールディングス破綻前の水準を回復した。 デザインソフト最大手アドビ・システムズの業績見通しを手掛かりに、 企業業績の急速な回復で株価の割安感が強まったとの見方が背景。

S&P500種は一時1254.60と、リーマン破綻直前の営業日 である08年9月12日の終値1251.70を上回った。09年6月に 始まった景気拡大で、同株価指数は09年3月9日に付けた12年ぶ り安値の676.53から85%上昇。株式時価総額では約7兆ドルを取 り戻した。

米政府や米連邦準備制度理事会(FRB)による景気刺激策のほ か、S&P500種構成銘柄の70%以上の業績が過去最長となる6四 半期連続で予想を上回っていることが好感され、株価は上昇。ウォー ル街の大手銀行のストラテジスト11人の予想平均によれば、同株価 指数は2011年を1374で終了するもようだ。

マニング・アンド・ナピアー・アドバイザーズのジェフリー・ク ーンズ社長は、「リーマンの破綻は不安の時代の始まりを告げる銃声 だった。市場はこうした不安をまだ完全には克服していないが、立ち 直りのプロセスにある」と指摘。「リーマン破綻直後から現在も続く FRBの積極的な行動は、株価安定に向けた重要な推進力となってい る。成長環境は引き続き厳しいと見込まれるが、景気の自律回復が定 着し始めている」と述べた。

アドビは6%高。銀行株も上昇し、金融株指数はS&P500種の 業種別10指数で値上がり率トップとなった。カナダのトロント・ド ミニオン(TD)銀行が、自動車金融会社クライスラー・ファイナン シャル買収で合意したことから、業界での買収案件が増えるとの期待 が高まった。小売りのメーシーズとリミテッド・ブランズも高い。18 日終了週の米既存店売上高が今年の年末商戦で最大の伸びとなったこ とが背景。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価 指数は前日比0.6%高の1254.60。これで4営業日続伸。ダウ工業 株30種平均は55.03ドル(0.5%)上昇の11533.16ドル。ダ ウ平均は先月、リーマン破綻以降の下げを埋めていた。

◎米国債市場

米国債相場はもみ合い。10年債利回りは一時、1週間ぶりの低 水準に迫った。この日は量的緩和策第2弾の一環で、連邦準備制度理 事会(FRB)が94億ドル相当の国債とインフレ連動債(TIPS) を買い入れた。

10年債利回りは、年初来の低水準を約1ポイント上回っている。 米減税延長が経済成長を押し上げる一方で、財政赤字も拡大するとの 見方が背景だ。この日は株高を背景に、安全投資先としての米国債需 要が後退し、利回りは上昇する場面もあった。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーディング責任者、セオド ア・エーク氏は、「明るい材料は相場が崩れていないことだ。しかし、 FRBの購入を考えると、相場は間違いなくもっと上昇してもいいは ずだ」と述べ、「商いが非常に薄い。その分、値動きが大きい。これ は来週まで続くだろう」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時48分現在、10年債利回りは前日比2ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.32%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は5/32上げて94 5/32。

◎金先物市場

ニューヨーク金先物相場は3日続伸。欧州の債務危機がさらに拡 大するとの見方から、価値保存手段としての貴金属の需要が高まった。

格付け会社のフィッチ・レーティングスがギリシャを投資不適格 級に格下げする可能性があることを明らかにすると、外国為替市場で ユーロが対ドルで下落した。金は年初来27%の値上がり。今月7日 には1オンス=1432.50ドルの過去最高値を記録した。欧州の債務 危機が深刻化したのが金買いの背景にある。

ラサール・フューチャーズ・グループ(シカゴ)の金属トレーダ ー、マット・ジーマン氏は、「ソブリン債に対する不安が今もなお金 融市場を圧迫している」と指摘。「年明けの金相場は上昇基調になる だろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比2.70ドル(0.2%)高の1オンス=1388.80ドル で終了した。この2営業日で1.1%の値上がり。

◎原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は3日続伸。2年ぶりの高値をつけた。 米小売り大手の既存店売上高が4月以来の大幅な伸びを示したことを 好感して買いが入った。S&P500種株価指数が2008年以降の下 落分を埋めたことも支援材料。

民間の統計によると、18日に終わった週の既存店売上高は前年 同期比4.2%増加した。S&P500種はリーマン・ブラザーズ・ホ ールディングス破綻直前の営業日の水準に回復した。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチの マイケル・リンチ社長は、「年末商戦は好調なようであり、来年の景 気に対する楽観が強まっている」と指摘。「恐らく早過ぎるが、需給 逼迫(ひっぱく)を予想して原油価格は上昇している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物2月限は前日 比45セント(0.50%)高の1バレル=89.82ドルで終了した。終 値としては2008年10月7日以来の高値。年初からは13%高。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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