NY外為:ユーロが下落、ポルトガルなどの格下げを警戒

ニューヨーク外国為替市場では、 ユーロが主要通貨の大半に対して下落。ユーロ圏で格下げが続く可能 性が示され、一部の国で債券市場での資金調達が困難になるとの懸念 が高まった。

ユーロはドルに対して2週間ぶり安値。格付け会社フィッチ・レ ーティングスは、現在投資適格級で最低の「BBB-」としているギ リシャの発行体格付けを、引き下げ方向で検討する「ウォッチ・ネガ ティブ」に指定した。別の格付け会社ムーディーズ・インベスター ズ・サービスがポルトガル国債の格付けを引き下げる可能性を示唆す ると、スイス・フランは対ユーロで上げを拡大した。ブラジル・レア ルは上昇。商品の値上がりが材料視された。

ナショナル・バンク・オブ・カナダの外為担当マネジングディレ クター、ジャック・スピッツ氏は、「普通ならユーロに向かう資金が スイス・フランに流れている。フランは通常、リスク選好が高まって いる状況では売られる」と述べた。

ニューヨーク時間午後5時1分現在、ユーロは対ドルで前日比

0.2%安の1ユーロ=1.3100ドル(前日は1.3131ドル)。一時

1.3074ドルと、2日以来の安値を付けた。対円では0.3%下げて 109円71銭。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=83円75銭。

フランは対ユーロで0.9%高の1ユーロ=1.2551フラン。一時

1.2546フランと、ユーロ発足以来の高値を付ける場面もあった。

商品相場

商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は一時

0.9%上昇し、10月3日以来の高水準となった。これを手掛かりに商 品輸出国の通貨が値上がりした。

ユーロは一時、ドルに対して0.5%上げる場面があった。中国の 王岐山副首相が、中国は「一部のEU加盟国がソブリン債危機に対応 するのを助けるため、すでに具体的な行動を起こした」と述べたこと に反応した。この発言を受け、巨額の外貨準備高を抱える中国からの 投資が欧州の財政危機を和らげ、域内資産の魅力を高めるとの観測が 広がった。

ただ、信用格付けや見通しの変更が相次ぐ中で、欧州の一部の国 が資金調達難に見舞われるとの観測が広がると、ユーロは下げに転じ た。

格下げの恐れ

ムーディーズは、ポルトガル経済成長の「弱さ」を理由に同国の 格付けを引き下げる可能性を示唆した。同社は先週、アイルランドの 格付けを5段階引き下げ、またギリシャの格付けを引き下げ方向で検 討すると発表した。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、 アイルランドとポルトガル、ギリシャについて、格付けの見直しを進 めている。

ポルトガル10年債とドイツ10年債のスプレッド(利回り格差) は10営業日連続で拡大し、355ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)となった。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)の南北アメリカ地域G10通貨 戦略責任者、パレシュ・ウパダヤ氏は、「ムーディーズがポルトガル 格下げの可能性を示唆したことは、欧州の債務問題を象徴する出来事 だ。この債務問題は、2011年に入っても引き続き欧州を苦しめること になるだろう」と指摘。「こうした根本的な問題が消え去ることはな い」と続けた。

ブラジル・レアルは、対ドルでの上昇率が主要通貨中でフランに 次いで2位となった。0.7%高の1ドル=1.6954レアル。

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