米国株:上昇、リーマン破綻前の水準回復-業績期待で

米株式相場は上昇。S&P 500種株価指数は2008年9月の米リーマン・ブラザーズ・ホール ディングス破綻前の水準を回復した。デザインソフト最大手アドビ・ システムズの業績見通しを手掛かりに、企業業績の急速な回復で株価 の割安感が強まったとの見方が背景。

S&P500種は0.6%高の1254.60で終了し、リーマン破綻 直前の営業日である08年9月12日の終値1251.70を上回った。 09年6月に始まった景気拡大で、同株価指数は09年3月9日に付 けた12年ぶり安値の676.53から85%上昇。株式時価総額では約 7兆ドルを取り戻した。

米政府や米連邦準備制度理事会(FRB)による景気刺激策のほ か、S&P500種構成銘柄の70%以上の業績が過去最長となる6四 半期連続で予想を上回っていることが好感され、株価は上昇。ウォー ル街の大手銀行のストラテジスト11人の予想平均によれば、同株価 指数は2011年を1374で終了するもようだ。

マニング・アンド・ナピアー・アドバイザーズのジェフリー・ク ーンズ社長は、「リーマンの破綻は不安の時代の始まりを告げる銃声 だった。市場はこうした不安をまだ完全には克服していないが、立ち 直りのプロセスにある」と指摘。「リーマン破綻直後から現在も続く FRBの積極的な行動は、株価安定に向けた重要な推進力となってい る。成長環境は引き続き厳しいと見込まれるが、景気の自律回復が定 着し始めている」と述べた。

アドビやメーシーズが上昇

アドビは6%高。銀行株も上昇し、銀行株指数はS&P500種 の業種別24指数で値上がり率トップとなった。カナダのトロント・ ドミニオン(TD)銀行が、自動車金融会社クライスラー・ファイナ ンシャル買収で合意したことから、業界での買収案件が増えるとの期 待が高まった。小売りのメーシーズとリミテッド・ブランズも高い。 18日終了週の米既存店売上高が今年の年末商戦で最大の伸びとなっ たことが背景。

S&P500種はこれで4営業日続伸。ダウ工業株30種平均は

55.03ドル(0.5%)上昇の11533.16ドル。ダウ平均は先月、 リーマン破綻以降の下げを埋めていた。

ブルームバーグがまとめたアナリスト調査によると、S&P500 種構成銘柄の業績は来年に14%、2012年には13%それぞれ拡大 すると見込まれている。ブルームバーグがまとめたデータによれば、 同株価指数全体の株価収益率(PER)は来年の業績見通しに基づく と平均で12.9倍。1956年以降の同収益率は平均で16.4倍とな っている。

「自信が強まった」

PNCウェルス・マネジメントのジェームズ・ダニガン最高投資 責任者(CIO)は「少なくとも米国では、将来の見通しに関する自 信が強まってきた」と指摘。「企業業績や見通しは力強く、経済状況 は改善した。欧州からの悪いサプライズがなくなった場合には、株式 は好まれる投資先となるだろう」と述べた。

アドビは6%高。同社は10年12月-11年2月(第1四半期) の利益について、アナリスト予想を上回る見通しを示した。一部費用 を除いた1株当たり利益は54-59セントになると予想。ブルーム バーグがまとめたアナリストの予想平均は51セントだった。

銀行株も高い

銀行株指数は2.1%高と、S&P500種の業種別24指数で値 上がり率トップだった。TD銀行は、自動車金融会社クライスラー・ ファイナンシャルを米投資会社サーベラス・キャピタル・マネジメン トから63億ドルで買収することで合意した。TD銀にとっては過去 2番目に大きな買収となる。17日には、同じくカナダのバンク・オ ブ・モントリオール(BMO)が米地銀マーシャル・アンド・イルズ リーを約41億ドルで買収することで合意している。

JPモルガン・チェースは2.6%高。バンク・オブ・アメリカ (BOA)は2.9%値上がり。

小売株も上昇。米既存店売上高は18日終了週に前年同期比で

4.2%増加した。米国際ショッピングセンター評議会(ICSC)と ゴールドマン・サックス・グループがこの日に発表したチェーン店小 売り指数によると、18日の時点で、買い物客のほぼ74%がプレゼ ントの購入を終了していた。前週は56.6%だった。

米百貨店チェーン2位のメーシーズは1.5%高。ランジェリー 店チェーン「ビクトリアズ・シークレット」などを展開するリミテッ ド・ブランズは2.1%値上がり。

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