投資銀行の手数料収入、欧州で6年ぶり低水準-ソブリン債危機が影響

欧州では今年、投資銀行の手数 料収入が6年ぶり低水準に落ち込んだ。ソブリン債危機のさなか、企 業が資金調達や買収を中止したことが響いた。

米調査会社フリーマンの試算によると、欧州・中東・アフリカ地 域での企業の合併・買収(M&A)助言と株式・債券の引き受け、融 資業務による今年の手数料収入は、前年比約10%減の219億ドル(約 1兆8300億円)。一方、アジアは同18%増の178億ドルとなるもよ う。欧州とアジアの差は少なくとも1998年以降で最も縮まり、この 流れが続くと来年はアジアの収入が欧州を上回る可能性があるという。

今年はギリシャの債務危機をきっかけに、アイルランドやポルト ガル、スペインも同様の状況に陥る恐れがあるとの観測が投資家の間 で広がった。ユーロは無傷でいられないとの懸念や、各国政府の緊縮 財政が欧州の成長を抑えかねないとの不安から企業はM&Aに慎重に なり、投資家は新株や新発債の購入をためらった。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのフェロー、トム・キ ルヒマイヤー氏は「ユーロをめぐる不透明感が欧州企業に積極的な行 動を控えさせた」と述べた上で、「収入が回復するかどうかは、政治判 断に相当左右されるため予想が難しい」と語った。

ブルームバーグのデータによれば、西欧企業が今年関わった企業 買収の総額は、完了ベースで前年比16%減の5320億ドル。株式発行 額は510億ドルと、前年比で5割を超す減少となった。欧州で発表さ れたM&Aの助言業務ではモルガン・スタンレーが首位で、2位はJ Pモルガン・チェース。欧州・中東・アフリカの株式発行引き受けで は、ゴールドマン・サックス・グループとドイツ銀行が首位だった。

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