NY外為:ユーロ下落、アイルランド銀行格下げで

ニューヨーク外国為替市場で はユーロが下落。国有化されたアイルランドの銀行2行の優先債格 付けが引き下げられたことで、欧州の一部の国が資金調達難に見舞 われるとの観測が強まった。

ユーロは主要16通貨中、15通貨に対して下落。ドルと円に対 しては2週間ぶり安値を付けた。クレジット・デフォルト・スワッ プ(CDS)市場では、フランス国債を保証するコストが過去最高 に上昇。最上級のトリプルA格付けを失う恐れがあることが示唆さ れた。スイス・フランは逃避需要から、ユーロ発足以来の高値に上 昇した。

シュナイダー・フォーリン・エクスチェンジの市場分析責任者 スティーブン・ガロ氏(ロンドン在勤)は、「ユーロ圏のソブリン 債をめぐる懸念で、状況はユーロにとって厳しいものになり始めて いる」と指摘。ユーロの下落は、「年明けの市場で起こり得ること の前触れである可能性が高い」と分析した。

ニューヨーク時間午後4時12分現在、ユーロは対ドルで前週末 比0.5%安の1ユーロ=1.3119ドルと、2日以来の安値(前週末 は1.3188ドル)。対円では0.8%下げて109円86銭(同110 円77銭)。一時109円58銭と、7日以来の安値を付けた。ドル は円に対し0.3%安の1ドル=83円74銭(同83円98銭)。

フランス国債の保証コスト

CMAによると、フランス国債のCDSスプレッドは20日、

105.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、過去最高 を付けた。年初からは3倍に上昇している。

格付け会社ムーディーズの資本市場調査グループによれば、フ ランス国債のCDSスプレッドは「Baa1」の格付けを示唆して いる。これは、現在実際に付与されている最高格付け「Aaa」を 7段階下回る水準。

インタラクティブ・ブローカーズ・グループのシニア市場アナ リスト、アンドルー・ウィルキンソン氏は、「ユーロは確実に取り 残されつつある」と指摘した。

ムーディーズは、アイルランド政府によって国有化されたアン グロ・アイリッシュ銀行とアイリッシュ・ネーションワイド・ビル ディング・ソサエティーの優先債の格付けをジャンク級(投機的格 付け)に引き下げた。同社は17日に、アイルランドの信用格付けを 5段階引き下げ、「Baa1」としている。

フラン

スイス・フランは対ユーロで一時1.2%高の1ユーロ=

1.2636フランを付けた。対ドルでは0.2%上げて1ドル=

0.9653フラン。

スイス国立銀行(SNB、中央銀行)は先週、フランの上昇抑 制を狙い、政策金利である3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LI BOR)の誘導目標を0.25%に据え置いた。対ユーロでのフラン 高は、輸出主導型のスイス景気に打撃となる恐れがある。

三菱東京UFJ銀行の欧州為替ストラテジー責任者、デレク・ ハルペニー氏(ロンドン在勤)は、ブルームバーグラジオのインタ ビューで、「アイルランドが新たな緊張を生み出したことから、フ ランは域内で最も安全な通貨とみなされた」と分析。「欧州では財 政赤字をめぐる懸念が広がっているが、スイスには関係のないこと だ」と指摘した。

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