ソニー:薄型TV、インドでシェア首位も、韓国勢追撃-米調査会社

急成長するインドの薄型テレビ市場 で、今年はソニーが韓国のサムスン電子やLG電子を追い抜き、初めて 年間シェア首位を獲得する可能性が出てきた。米調査会社ディスプレイ サーチが明らかにした。

1-9月累計でみると、ソニーが23.0%とトップで、LG22.3%、 サムスン22.0%と続く。ディスプレイサーチの鳥居寿一アナリストは、 ソニーについて「3-5年ぐらい前からブランドの浸透や販売網の強化 を進めてきており、ようやくその成果が出始めた」と言い、「10-12月 期、年間でもソニーがシェアトップになる可能性がある」とみている。

インドでは、韓国2社がブラウン管テレビを中心にしのぎを削り、 薄型テレビでも低価格モデルで市場開拓を進めてきた。一方、ソニーは 従来、比較的富裕な階層をターゲットに大型で高機能・高価格帯モデル を中心に展開してきたが、広報担当の島有紀氏によると、ここ数年は中 間層への販売を拡大したことが奏功した、という。

鳥居氏によると、倍々ペースで成長するインドの薄型テレビの伸び 率は世界最高で、今年は「エコポイント」制度の影響で日本のテレビ販 売台数が例外的に伸びたものの、「来年からはインドが単一国で中国、 米国に次ぐ世界で3番目に大きい市場になる」とみている。

三つどもえ

ディスプレイサーチよると、液晶とプラズマを合わせた薄型テレビ のシェアは、4-6月期はソニーが27.1%と、首位に初めて躍り出た。 2位はサムスンの23%、3位はLGで21%。7-9月期はLGが22.7% とトップを奪還、サムスン21%、ソニー20.8%だった。鳥居氏は「3社 のシェアにほとんど差はなく、三つどもえの接戦を繰り広げている」と 分析している。

ソニーは2005年にインド市場で液晶テレビの販売を本格的に開始。 5年前から販売網も拡充し、拠点を14から19に拡大、営業担当者も約 8割増の280人にした。10年度のインドでの薄型テレビ販売台数は前年 度比2倍以上を計画。今年はテレビCMを中心に広告宣伝費も昨年比倍 増させ、ブランド力向上にも一段と力を入れた。

島氏によると、従来は年収1万-2万ドル(約84万-170万円)以 上の比較的富裕な階層をターゲットに、40型以上、価格20万円以上の 製品を中心に展開していたが、今年は年収4000ドル-1万ドル(約33 万-84万円)程度の中間層を対象に22-32型、約3万2000-6万5000 円のBXシリーズを投入。

さらに32型で約8万円の機種などNXシリーズも展開。先進国で 人気のシンプルな黒色のデザインコンセプト「モノリシック」を取り入 れた。高級機種ではLED(発光ダイオード)が使われるバックライト を蛍光管にすることで低価格化も実現した。

中間層

ディスプレイサーチによると、インドでの世帯数は約2億2000万 世帯。そのうち年収18万円-200万円の階層は半数近くに上る。インド 政府当局による10年度の経済成長率は9.1%の見通し。農村部での購買 力の高まりを背景に、2月当初に見込んでいた8.25-8.75%から引き上 げた。

10年のテレビ市場は前年比11%増の1532万台で、このうち薄型テ レビは22%を占め、前年の2倍弱に拡大。11年はテレビ全体の需要が 1652万台と7.8%伸び、ブラウン管からの買い替えなどで薄型テレビの 比率も40%とさらに高まると予測する。インドの薄型テレビ市場は昨年 から来年にかけて倍増のペースで伸びる見通しだ。

プラズマテレビ世界最大手のパナソニックも新興国市場の開拓を 急いでいる。4-6月期のインドでの薄型テレビのシェアは6.7%から 7-9月期は11%に伸びた。同社の場合、売上高の半分は今後大きな成 長が見込めない日本で占められているため、インドなどの新興国市場の 強化は最優先課題。

日本勢迎え撃つサムスン

同社広報担当の門田晃氏によると、テレビのほか白物家電も含めた インドでのグループ売上高は09年度の約400億円から10年度に600億 円、11年度には1000億円に引き上げる計画だ。

同社の大坪文雄社長は10日のインタビューで、「インドでのオペレ ーションがうまくいけば、いずれインド人が活躍している中近東や北ア フリカなどに展開する際の橋頭保になる」と説明、「サムスンやLGと 真っ向勝負したい」と意欲をみせた。

東芝も12月からインド市場で液晶テレビの販売を拡大。電波の弱 い地域や停電に対応するためのバッテリーを搭載した「パワーテレビ」 と呼ばれる新興国モデルなど10機種を順次投入する。取扱店を現在の 約1000店舗から11年度末までに4000店舗に増やし、シェアを1%弱 から13年度には10%まで伸ばす考えだ。

迎え撃つサムスンも手をこまぬいているわけではない。サムスン広 報担当のジェームズ・チャン氏は、「これまで欧米市場に注力してきた が、今はインドや南米のような新興国市場が一段と重要になっている」 と述べた。その上で新興国市場では「低価格戦略を取るつもりはない。 現地で生産拠点を構え、高級市場を開拓するために製品の多様化を試み ている」と述べている。

-- Editor: Tetsuki Murotani, Tetsuzo Ushiroyama, Kenzo Taniai, Hideki Asai

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