今日の国内市況:日本株が続落、債券は続伸-欧州債務懸念でユーロ安

東京株式相場は続落。欧州債務問 題を背景にしたユーロ安・円高、中国のインフレに対する警戒感が広 がった。機械や非鉄金属など新興国経済と連動性の高い業種が下落、 11月以降の東証1部33業種上昇率首位だった証券・商品先物取引は 値下がり率1位。売買代金も低調だった。

日経平均株価の終値は前週末比87円42銭(0.9%)安の1万216 円41銭、TOPIXは4.59ポイント(0.5%)安の898.55。TOP IXは終値で、5営業日ぶりに900ポイントを割れ。

欧州問題や北朝鮮情勢の地政学リスクから上値が重かったところ に、中国株の下落も加わり、午後になって値を崩した。今週から、海 外投資家がクリスマス休暇に入ることで売買エネルギーも低下傾向に あり、まとまった売りを吸収できず、株価は変動しやすくなった。

先週末の欧州では、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・ サービスがアイルランドの信用格付けを引き下げたことを背景に、欧 州の債務危機抑制への取り組みが難航するとの懸念が強まった。国際 通貨基金(IMF)は、アイルランドの金融危機がギリシャやポルト ガル、スペインなどユーロ圏各国に影響が及ぶ重大な波及リスクがあ る、と指摘している。

こうした流れを受け、東京時間20日のユーロ・円相場は一時1ユ ーロ=110円10銭台と、7日以来のユーロ安・円高水準まであった。

また、アジア株も軟調で、特に中国・上海総合指数は一時先週末 比3.1%安の2804.556まであった。韓国国防省の当局者が延坪島周辺 での射撃訓練を20日行うとし、韓国総合株価指数も軟調だった。

東証1部33業種の下落率上位には、石油・石炭製品、機械、海運、 非鉄金属、鉱業など新興国経済の恩恵を受ける業種が入った。このう ち石油・石炭製品や機械株は、11月以降の東証33指数の上昇率で上 位にあった。同期間の上昇率1位だった証券・商品先物取引も、きょ うは下げが大きくなった。

値上がり、値下がり銘柄数の百分比を示す騰落レシオ(25日平均) は17日時点で145%。9日の歴史的ピークだった163%からは低下傾 向にあるものの、なお過熱気味とされる120%以上にある。

東証1部の売買高は概算17億906万株、売買代金は同1兆1713 億円。売買代金は前週末から17%減って6日以来、2週間ぶりの低水 準にとどまった。

債券相場は続伸

債券相場は続伸。長期金利は午後に2週間ぶり低水準で取引され た。前週末にかけて米国市場で金利低下が続いたことを受けて、朝方 から先物市場を中心に買いが先行。現物市場でも一部の投資家から年 末年始に向けた買いが入った。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債は、前 週末比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.19%で開始。午前には1.185 -1.19%での小動きとなったが、午後に買いが膨らむと7日以来の低 い水準となる1.165%を付けた。その後は戻り売りがやや優勢となっ たもようで、4時1分現在では1.5bp低下の1.18%で取引されている。

前週末の米国市場で長期金利の低下が続いたことが国内の債券市 場でも買い材料視された。17日の米国債市場では最近の金利上昇で投 資妙味が高まったことから、米10年債利回りは9ベーシスポイント (bp)低い3.33%付近で引けた。米10年債利回りは前週16日には約 7カ月ぶりの高水準となる3.56%まで上振れていたが、投資家からの 買いをきっかけに週末にかけて20bp以上も金利水準を切り下げた。

312回債利回りは15、16日には1.295%を付けて、新発10年債と して5月18日以来の1.3%台目前まで上昇したが、米国の金利上昇が 一段落したことが買い材料視された。長期や超長期ゾーンの発行が1 月6日の10年債入札まで間隔があく中、一部では年末年始のキャリー (金利収入)収益を狙った買いが入るなど需給改善も意識された。

東京先物市場の中心限月の3月物は、前週末比15銭高い139円 96銭で始まり、午前には139円90銭を中心にもみ合いとなった。午 後に再び買いが入ると一時は7日以来の高値圏となる140円15銭を付 けたが、取引終盤にかけて上昇幅を縮める展開。引け前には2銭安の 139円79銭まで下げており、結局は4銭高の139円85銭で終了した。

先物3月物は15日午前の取引で138円16銭の安値を付け、中心 限月としては約8カ月ぶりの水準まで下げた。しかし、米国の金利上 昇に歯止めがかかり、先物3月物もいったんは底入れしたとの見方が 増えそう。ただ、金利水準が下がると投資家の現物買いが細っており、 先物相場に関しても本格回復までは期待しづらい状況だ。

こうした中、日本銀行はきょうから2日間の日程で金融政策決定 会合を開催する。金融政策に関して現状維持との見通しが大勢となっ ている。

ユーロが約2週間ぶり安値

東京外国為替市場ではユーロが下落。欧州連合(EU)首脳によ る危機管理メカニズムの創設合意後も、一部ユーロ加盟国が債務返済 困難に陥るとの懸念が払しょくされず、ユーロは対ドルで今月2日以 来、対円では同7日以来の安値を更新した。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.31ドル台後半から、一時1.3125 ドルまでユーロ安が進行。ユーロ・円相場は1ユーロ=110円台後半 から一時、110円18銭まで値を切り下げる場面が見られた。午後4時 現在はそれぞれ1.3152ドル、83円88銭前後で取引されている。

一方、ドル・円相場は1ドル=84円12銭までドル買いが進んだ が、その後は対ユーロなどでの円買い圧力が加わり、83円82銭まで 円が強含んだ。

また、朝鮮半島情勢の緊迫化や資本流出入の抑制強化案を嫌気し て、韓国ウォンは対ドルで一時、大幅安となったが、その後上昇に転 じている。

EUは16、17日に開いた首脳会議で、13年に恒久的な危機管理 メカニズムを創設することで合意し、そのために必要なEU基本条約 の改正で意見が一致した。ただ、債券市場安定化のための迅速な措置 をめぐっては意見が対立した。

一方、欧州中央銀行(ECB)はウェブサイトに掲載した17日付 の文書で、アイルランド政府が同国の銀行システム改善に向け導入を 目指す法律が、ユーロ圏に流動性を供給するECBの能力を脅かす恐 れがあるとして、「深刻に懸念している」ことを明らかにした。

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