ブラジル:ABS業界の捜査や融資返済遅延、国内金融システムに警鐘

ブラジルでは、資産担保証券(A BS)業界が初めて捜査対象となったほか、消費者向け融資の返済遅 延が増加し、銀行の株価が約10年ぶりの大幅安となるなど、国内金融 システムの亀裂が表面化している。

規模の比較的小さい銀行の資金調達コストは、資産規模で同国21 位の銀行パナメリカーノ銀行に対する11月9日の救済措置が捜査に 発展して以後拡大しており、譲渡性預金(CD)の平均金利は11.8% から12.9%に上昇。融資債権の売買市場は機能を停止し、ブラジルの 資本市場協会によると、資産担保コマーシャルペーパー(ABCP) の払い戻しは、同行の救済後これまでに合計23億レアル(約1100億 円)に達した。

このような国内資本市場のストレスが、ブラジル株の指標ボベス パ指数を2008年12月以降81%押し上げた投資家の楽観ムードに水を 差している。

コンプライアンス(法令順守)やリスクに関する助言サービスを 提供する1982年創業のFTIコンサルティング(米メリーランド州ボ ルティモア)は「パナメリカーノの一件は警鐘となった」とした上で、 「市場ブームの陰で信用の質低下のようなリスクが見過ごされている 可能性がある」と指摘した。

信用リスクコンサルティング会社エクスペリアン(ダブリン)に よると、11月のクレジットカードなど消費者向け融資の返済遅延は前 年同月比23%増と、01年以来の大幅な伸びとなった。20カ国・地域 (G20)で成長率4位のブラジルはまた、外国資本が大量に流入して おり、インフレ率が5年ぶりの高水準に達している。

パナメリカーノ銀(サンパウロ)は、同行の経営権を持つバラエ ティショーの司会者シルビオ・サントス氏(80)から25億レアル(約 1200億円)の融資を受けた。この救済措置が、同行の会計処理や融資 債権購入、ABS業界全体を対象とする捜査につながった。

パナメリカーノ銀の株価は、10月13日に付けた今年の最高値か ら64%下落。ブルームバーグと米調査会社ビリニー・アソシエーツの データによれば、ブラジルの金融株としては、遅くとも2000年から始 まったボベスパ指数の上昇局面で最大の下落率を記録した。

パナメリカーノ銀の広報担当者は、捜査中の案件にはコメントし ないとしている。サントス氏の経営会社グルポ・シルビオ・サントス の関係者に対して、業務時間後に電子メールと電話で取材を試みたが、 これまでのところ返答がない。

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