商品相場と為替相場のせめぎ合い、歴史が繰り返すなら為替の勝利か

商品相場が来年も3年連続で上 昇するとの見方が投機家の間で高まる一方、為替投資家はドル相場が 値上がりすると予想している。歴史が参考になるなら、為替市場の勝 利となりそうだ。

政府のデータによると、原材料先物20銘柄の買越残高は過去5 カ月間で約3倍に増加し、少なくとも4年ぶりの高水準に達した。ト ムソン・ロイターズ・ジェフリーズCRB指数の26%の上昇がけん引 した。一方、対ユーロのドル相場上昇を見込む先物の持ち高は3カ月 ぶりの高水準となった。ブルームバーグが集計したデータによると、 過去22四半期のうち18四半期でドル相場は商品相場と反対の動きを 示している。

米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和策が米景気の浮揚に つながっている兆しが示されるなか、ドル指数は11月4日以降、

5.9%上昇している。為替相場と商品相場の逆相関関係は2005年以降 強まり、先月には1年ぶりの高水準に達した。金と綿花が過去最高値 に達し原油と銅が08年以来の高値を付けたことを受け、建玉(未決 済残高)のデータは原材料投資が後退していることを示している。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズ(米シンシナティ) で138億ドル(約1兆1600億円)相当の運用に携わるピーター・ソ レンティーノ氏は「商品相場が大幅に上昇しているのはファンダメン タルズ(需給関係)が要因ではなく、投資家が他の資産への投資を控 えていることによるホットマネー(投機的な短期資金)の流入が原因 だ」と指摘。「為替相場のシグナルに反して投資すれば自業自得の結 果を招くだろう」との見方を示す。同氏はCRB指数の36%の低下に つながった08年の商品相場暴落を的確に予測した。

相関関係

ブルームバーグが集計したデータによると、05年1-3月(第1 四半期)以降でドル指数が上昇した11四半期のうち8四半期でCR B指数は下落した。ドル指数とCRB指数の120日間の相関係数は先 月、マイナス0.95となり、逆相関関係が約1年ぶりの水準まで強ま った。

2つの指数が同じ方向に動けば相関係数はプラス1に、正反対の 方向に動けばマイナス1に近づく。ブルームバーグが集計したデータ によると、2000年12月には相関係数は0.5から0.6で、限定的な相 関関係が示唆されていた。

CRB指数は先週1.8%上昇し320.62と、08年10月以来の高 水準に達した。今年は綿花がほぼ2倍に、銀は30年ぶりの高値に、 コーヒーは1997年以来の高値に、それぞれ高騰した。

ユーロや円など主要6通貨に対するドル指数は先週0.4%上昇し

80.373となり、年初来の上昇率は3.2%となっている。

今回は状況が異なる

商品の強気派は、今回は状況が異なるとみている。中国が10%の 経済成長を遂げ、砂糖や大豆の需要が過去最高水準に達しているほか、 銅輸入が増加しロンドン金属取引所(LME)の在庫は09年10月以 来の低水準に落ち込んだ。

ヘッジファンドなど大口投機家の商品先物の買い越しを示す指数 は7日に153万5000枚と、少なくとも06年2月以来の高水準に達し た。これは米商品先物取引委員会(CFTC)のデータとしては最も さかのぼる。7月6日時点では52万530枚だった。

スイスのティベリウス・アセット・マネジメントの共同創業者と して20億ドル以上を運用するクリストフ・エイブル氏は「商品がド ルから切り離されるだろう」と予想。「金属需要は堅調で、それが相 場を押し上げる」との見通しを示した。

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