債券は続伸、長期金利2週ぶり低水準に-米金利低下や需給改善受け

債券相場は続伸。長期金利は午後 に2週間ぶり低水準で取引された。前週末にかけて米国市場で金利低 下が続いたことを受けて、朝方から先物市場を中心に買いが先行。現 物市場でも一部の投資家から年末年始に向けた買いが入った。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、先週の金利上昇局面でも中期や超長期ゾーンの一角には投資家の 買いが入っていたと指摘。その上で、米金利上昇に伴う先物売りなど が一服する中、国債償還に伴う手当て買いも一部にあったと話した。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債は、前 週末比0.5ベーシスポイント(bp)低い1.19%で開始。午前には1.185 -1.19%での小動きとなったが、午後に買いが膨らむと7日以来の低 い水準となる1.165%を付けた。その後は戻り売りがやや優勢となっ たもようで、4時1分現在では1.5bp低下の1.18%で取引されている。

前週末の米国市場で長期金利の低下が続いたことが国内の債券市 場でも買い材料視された。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲 留克俊債券ストラテジストは、米国でいったんは金利上昇に歯止めが かかったことが国内債にも好影響を及ぼしていると話した。

17日の米国債市場では最近の金利上昇で投資妙味が高まったこ とから、米10年債利回りは9ベーシスポイント(bp)低い3.33%付 近で引けた。米10年債利回りは前週16日には約7カ月ぶりの高水準 となる3.56%まで上振れていたが、投資家からの買いをきっかけに週 末にかけて20bp以上も金利水準を切り下げた。

312回債利回りは15、16日には1.295%を付けて、新発10年債と して5月18日以来の1.3%台目前まで上昇したが、米国の金利上昇が 一段落したことが買い材料視された。長期や超長期ゾーンの発行が1 月6日の10年債入札まで間隔があく中、一部では年末年始のキャリー (金利収入)収益を狙った買いが入るなど需給改善も意識された。

11月は都銀が大幅売り越し

日本証券業協会が20日に公表した11月の公社債投資家別売買高 によると、短期証券を除くベースで都市銀行は2兆8905億円を売り越 した。11月以降に金利上昇が加速したことについて、市場では米国の 金利高を受けて都銀がリスク回避のために債券残高圧縮したと憶測さ れており、今回の数字からはそれを裏付ける内容となった。

一方、そのほかの業態では地方銀行の1兆6389億円をはじめ、農 林系金融機関や信用金庫が1兆円超の買い越しとなったほか、信託銀 行や生保・損保なども軒並み債券購入を増やした。三菱UFJモルガ ン・スタンレー証の稲留氏は、都銀以外の投資家が金利上昇時に買い 越すなど、潜在的な需要が旺盛であることが確認できたと言い、都銀 のリスク圧縮の売りもピークは越えたのではないかとみていた。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、都銀 が7、8月に購入した超長期債や、5、6月に積み増した中長期債の リスクを削減したとみており、市場のボラティリティが収まれば追加 的にヘッジで売る必要は乏しくなるとみていた。

先物は一時7日以来の高値

東京先物市場の中心限月の3月物は、前週末比15銭高い139円 96銭で始まり、午前には139円90銭を中心にもみ合いとなった。午 後に再び買いが入ると一時は7日以来の高値圏となる140円15銭を付 けたが、取引終盤にかけて上昇幅を縮める展開。引け前には2銭安の 139円79銭まで下げており、結局は4銭高の139円85銭で終了した。

先物3月物は15日午前の取引で138円16銭の安値を付け、中心 限月としては約8カ月ぶりの水準まで下げた。しかし、米国の金利上 昇に歯止めがかかり、先物3月物もいったんは底入れしたとの見方が 増えそう。ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、米国債 市場は巡航速度の景気回復を織り込んできたため、景気指標のさらな る上振れがなければ一段の金利高も見込めないと指摘していた。

ただ、金利水準が下がると投資家の現物買いが細っており、先物 相場に関しても本格回復までは期待しづらい状況だ。トヨタアセット マネジメントの深代氏は、米国債相場が再び売られる局面では、国内 でも債券先物にヘッジ売りが膨らみやすいと言い、「現物市場の取引が 減る年末にかけては不安定な展開が続きそうだ」とみていた。

こうした中、日本銀行はきょうから2日間の日程で金融政策決定 会合を開催する。金融政策に関して現状維持との見通しが大勢となっ ている。RBS証券の徐端雪債券ストラテジストは、今回の決定会合 の結果よりも、最近の日米両国の金利上昇に関して白川方明総裁が定 例会見でどのような発言をするかに注目していると言う。

--取材協力:池田祐美 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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