NY外為(17日):ドル上昇、欧州債務懸念などで(Update1)

ニューヨーク外国為替市場で はドルがユーロに対して2週間ぶりの高値に上昇。米国債利回りがほ ぼ7カ月ぶり高水準にあることや、欧州の政策当局者による域内債務 危機への対応が不十分との懸念を背景に米国の金融資産に対する需要 が増大した。

ユーロはこれより先、上昇する場面もあった。欧州連合(EU) 各国の首脳が将来の債務危機を封じ込めるためのメカニズム創設で合 意したほか、ドイツの企業景況感指数が予想外に上昇したことに反応 した。ただ、恒久的な危機管理メカニズムの2013年創設を除いて、 EU首脳会議では債券市場の安定化に向けた緊急措置をめぐる隔たり を埋めることができなかった。

トロント・ドミニオン銀行のチーフ通貨ストラテジスト、ショー ン・オズボーン氏は、「ドルがやや堅調に推移する状況が見込まれる」 と指摘。「ユーロ圏諸国はかなり大規模な財政難を抱えていることか ら、ユーロは恐らく一段安となるだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、ドルはユーロに対して前日 比0.5%高の1ユーロ=1.3181ドル(前日は1.3244ドル)。一 時は1.3133ドルと2日以来の高値となった。ドルは円に対して

0.1%高の1ドル=83円97銭(同83円91銭)。15日には9月 24日以来の高値となる84円51銭を付けた。

米10年債利回りは9ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の3.33%。一時は3.44%に上昇。前日は3.56% と5月13日以来の高水準を付けた。

EU首脳会議

EU首脳会議は2日間の日程を終了。同会議では恒久的な危機管 理メカニズムの2013年創設に向けた条約修正の文言で合意した。

シティグループのG10通貨戦略責任者、スティーブン・イング ランダー氏(ニューヨーク在勤)はブルームバーグラジオとのインタ ビューで、「明らかに必要とされているソブリン債務危機への広範な 解決策を首脳会議では見いだせなかったことに市場はやや失望してい る」と指摘。「市場はユーロ圏の金融崩壊について心配している」と 述べた。

欧州によるギリシャとアイルランド向けの支援で最大の拠出国の ドイツは、ユーロ圏の「防衛が不可欠な場合に」金融支援を認め、将 来の救済コストの一部を債券保有者に負担させることが可能となるメ カニズムの創設について合意するよう主張した。

ドイツのメルケル首相は、現行の欧州金融安定基金の規模拡大の 可能性を排除した。

この日発表された12月の独Ifo企業景況感指数は109.9と、 前月の109.3から上昇。これは東西ドイツ再統一後の1991年に統 計が始まって以来の最高。ブルームバーグがまとめたエコノミスト 36人の調査では109.0への低下が見込まれていた。

アイルランドの格下げ

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、アイ ルランドの信用格付けを5段階引き下げ「Baa1」に設定した。同 国政府は国際社会からの緊急支援策を受けた。

ムーディーズは「アイルランドの経済成長が現在の予想よりも弱 くなるか、もしくは銀行システム安定化のコストが現在の見通しより も高くなった場合には、同国政府の財政力は一段と低下する可能性が ある」と説明した。

ユーロは主要16通貨の大半に対して下落。先進10カ国の通貨 で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数によると、ユーロは年初 から9.7%安。円は11%高、ドルは1%下落となっている。

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