12月17日の欧州マーケット概観:株は下落、アイルランド債安い

欧州の為替・株式・債券・商 品相場は次の通り。(表はロンドン午後6時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3149 1.3244 ドル/円 84.13 83.91 ユーロ/円 110.63 111.14

株 終値 前営業日比 変化率 ダウ欧州株600 276.42 -1.17 -.4% 英FT100   5,871.75 -9.37 -.2% 独DAX 6,982.45 -41.95 -.6% 仏CAC40 3,867.35 -21.01 -.5%

債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 1.06% -.02 独国債10年物 3.03% -.04 英国債10年物 3.56% -.07

商品 直近値 前営業日比 変化率 金 現物午後値決め 1,368.50 +5.50 +.40% 原油 北海ブレント 91.66 +.06 +.07%

◎欧州株式市場

欧州株式相場は下落。欧州連合(EU)各国の首脳が危機管理メカ ニズム創設で合意したものの、一部ユーロ加盟国が債務返済困難に陥る との懸念を取り除けなかった。

約2年ぶり大幅安となった英製薬メーカーのアストラゼネカを中 心にヘルスケア銘柄が下落。銀行株も総じて安く、アイルランド銀行は 1週間ぶり安値を付けた。

一方、ドイツのビジネス管理ソフトメーカー、SAPは上昇。同業 の米オラクルの利益が市場予想を上回ったことが買いを誘った。仏コン ピューターサービス企業、キャップ・ジェミニは1.8%上げた。技術コ ンサルティング会社、米アクセンチュアの今四半期の売り上げ見通しが アナリスト予想を上回ったことが好感された。

ストックス欧州600指数は前日比0.4%安の276.42で終了。 前週末比ではほぼ変わらず。

アセナゴン(ミュンヘン)のチーフエコノミスト、マーティン・ ヒューフナー氏は、「欧州危機はまだ終わっていない」と述べ、「E U首脳会議の前日の決定は良いものだが、世界を変えることはできない。 格付けの引き下げや見直しを深刻に受け止めなければならない。プラス 面としては、ファンダメンタル面で良好な経済データと、好調な企業業 績がある」と続けた。

17日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が下 落。アストラゼネカは6.7%下げた。アライド・アイリッシュ銀行 は1.1%、アイルランド銀は14%それぞれ下落した。一方、SAPは

1.6%高となった。

◎欧州債券市場

欧州債市場ではアイルランド国債相場が下落した一方、ドイツ国債 が買われた。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがア イルランドの信用格付けを引き下げたことを背景に、欧州の債務危機抑 制への取り組みが難航するとの懸念が強まり、域内で最も安全とされる ドイツ国債に対する需要が高まった。

アイルランド国債とドイツ国債のスプレッド(利回り格差)は拡大。 欧州連合(EU)各国の首脳は危機管理メカニズムで合意したほか、欧 州中央銀行(ECB)が資本強化を決定した。

ムーディーズはアイルランド国債の格付けを「Aa2」から「B aa1」へと5段階引き下げた。格付け見通しは「ネガティブ(弱含み)」 にした。

この日はポルトガル国債も軟調。ポルトガルが支援要請する次の国 になるとの観測が広がったことが背景にある。

コメルツ銀行(フランクフルト)の債券ストラテジスト、クリスト フ・リーガー氏は「格下げの度合いはやや懸念材料だ」と述べ、アイル ランド国債の「投資家基盤はさらに失われる恐れがある。市場参加者は 不安を高めている」と続けた。

ロンドン時間午後3時40分現在、アイルランド10年債利回りは 前日比22ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

8.64%。ポルトガル10年債利回りは2bp上げ6.58%。

ドイツ10年債利回りは4bp低下の3.03%。同国債(表面利率

2.5%、2021年1月償還)価格は0.31ポイント上げ95.48。 アイルランド国債とのスプレッドは12bp拡大し534bp。11月 30日にはユーロ導入後最大となる680bpまで拡大した。

◎英国債市場

英国債相場が上昇。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・ サービスがアイルランドの信用格付けを引き下げたほか、消費者信頼感 の悪化を背景に、安全資産とされる国債に対する需要が高まった。週間 ベースでは3週続落。

10年債利回りは、前日付けた7カ月ぶり高水準から低下した。 ムーディーズはアイルランド国債の格付けを「Aa2」から「Baa1」 へと5段階引き下げた。格付け見通しは「ネガティブ(弱含 み)」。ネーションワイド・ビルディング・ソサエティーのまとめに よると、11月の英消費者信頼感指数は1年8カ月ぶり低水準に落ち込 んだ。

ロイズTSB・コーポレート・マーケッツ(ロンドン)の債券スト ラテジスト、デービッド・ページ氏は、「アイルランド格下げに伴う安 全資産への資金移動から英国債相場は上昇した」と述べ、「質への逃避 は続き、年末に向けて若干加速する可能性がある」と発言。「英国が通 貨と金融政策でユーロ圏よりも柔軟性を有しているとの認識から、英国 債は恩恵を受けている」とも語った。

ロンドン時間午後4時36分現在、10年債利回りは前日比6ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の3.6%。週間ベース での上げ幅は4bp弱。同国債(表面利率4.75%、2020年3月償還) 価格は0.48ポイント上げ109.28。前日は3.65%まで上げ、5月20 日以来の高水準を付けた。

2年債利回りは前日比3bp低下の1.20%。前週末10日は

1.10%だった。

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