今日の国内市況:日本株は小反落、債券は急反発-ユーロ上昇

日本株相場は小幅反落。テクニカ ル指標から見た高値警戒感が根強い中、為替の円高傾向も嫌気され、 トヨタ自動車や日産自動車、パナソニックなど時価総額上位の輸出関 連株の一角が売られた。

また、メキシコ湾原油流出事故をめぐり、米司法当局が傘下企業 を提訴した影響が懸念されている三井物産など商社株も下落。業績下 方修正のスクウェア・エニックス・ホールディングスを中心に情報・ 通信株も安い。週末を控え、全般的に持ち高を整理する動きが優勢で、 東証1部33業種は24業種が下落、上昇は9業種にとどまった。

日経平均株価の終値は前日比7円46銭(0.1%)安の1万303円 83銭。TOPIXは同0.70ポイント(0.1%)安の903.14。

きょうの日本株は、午前の取引では前日終値を挟んでもみ合った が、午後はやや弱含み、小安く推移した。来週の米株式市場はクリス マスの振替休日で24日は休場、クリスマス前から休暇に入る欧米投資 家は例年多く、これまで相場をけん引してきた海外勢の動向が警戒さ れた。東証規模別指数を見ると、主要株価指数への寄与度が低い小型 株指数のみが上昇。東証1部の値上がり銘柄数は757、値下がり736 とほぼきっ抗したが、大型株の弱さが指数の軟調さにつながった。

米国の景気期待と財政不安が交錯する中での米金利上昇、欧州債 務問題を抱えながらの為替動向を見ると、積極的には上値を追いづら い状況でもあった。東京時間17日のドル・円相場は1ドル=83円80 銭-90銭付近で推移、前日の日本株取引終了時点の84円31銭からは 円高方向で推移した。

さらに、東証1部の値上がり、値下がり銘柄数の割合を示す騰落 レシオが16日の取引で147%と、依然高水準にあることも上値抑制要 因だ。東証1部33業種で下落したのは、卸売や情報・通信、輸送用機 器、電気機器、陸運、電気・ガスなど。情報・通信では、予定してい た「デウスエクス」の発売などの延期で、2011年3月期の連結純利益 予想を10億円と従来の120億円から減額したスクウェア・エニック ス・ホールディングスが急落し、東証1部の下落率トップだった。

また、雇用調整助成金の受給額が想定以下となったことなどで、 10年12月期の連結純利益は従来計画比21%減になる見通しのアルプ ス技研、JPモルガン証券が投資判断を「中立」に格下げしたセイコ ーエプソンも売られた。

もっとも、積極的に売り込む動きは見られず、指数の下げ幅は限 られた。下支え要因は米景気の改善と過剰流動性だ。16日に米国で発 表された11日に終わった1週間の新規失業保険申請件数、11月の住 宅着工件数は市場予想よりいずれも良好な内容だった。前日の米株式 市場はS&P500 種株価指数、ダウ工業株30種平均がいずれも08年 9月以来の高値を更新。クリスマス前だというのに勢いが続く過剰流 動性の米国株動向は、東京市場の参加者にも好影響を与えた。

業種別で高かったのは、野村証券が投資判断を「買い」に引き上 げたみずほフィナンシャルグループを中心に銀行株。営業利益予想を 増額修正した野村不動産ホールディングスなど不動産株も高い。個別 では、17日付日本経済新聞朝刊の報道をきっかけに、地盤改良事業拡 大による業績改善期待が広がった兼松日産農林は急騰した。

債券は急反発

債券相場は急反発。長期金利は1週間ぶりに1.2%を割り込んだ。 米10年債利回りが7カ月ぶり高水準から低下に転じたことが材料視 された。来週にかけて現物需給が改善するとの見通しもあり、中期か ら超長期ゾーンにかけて幅広い年限に買いが入った。

現物市場で新発10年物の312回債利回りは、前日比1.5ベーシス ポイント(bp)低い1.255%で開始。しばらく1.235-1.24%でもみ合 ったが、午前10時以降に再び買いが膨らむとじり安に推移した。午後 に入ると一段と買い進まれて、2時40分過ぎからは7.5bp低い

1.195%に低下。1週間ぶり低水準となる1.2%割れで取引されている。

312回債利回りは15、16日の取引で一時1.295%を付け、新発10 年債として5月18日以来の1.3%台目前まで上昇したが、この水準で は買いが優勢になり、一段の金利上振れが回避された。

さらに、きのうの米国市場で長期金利が大きく低下したことが、 国内債市場での買いのきっかけとなった。16日の米国債市場では景気 回復期待から売りが先行したが、午後には一転して買い優勢の展開と なり、米10年債利回りは11bp低い3.42%付近で引けた。

この日は中期から超長期ゾーンまで幅広い年限で買いが優勢とな った。5年物の93回債利回りは5.5bp低下の0.47%を付けて、新発 5年債として9日以来の0.5%割れを記録。20年物の123回債利回り は8.5bp低い1.975%に下げている。

東京先物市場の中心限月の3月物は、前日比49銭高い139円40 銭で開始。しばらくは139円40銭を中心とした推移となり、午前の取 引終盤にはこの日の安値139円29銭を付けた。しかし、午後に入ると 再び買いが優勢となって、取引終盤には9日以来の高値139円83銭ま で上昇しており、結局は90銭高の139円81銭で週末の取引を終えた。

先物3月物は15日午前には一時138円16銭まで下振れて、中心 限月として4月7日以来の安値圏に到達したが、その後の2営業日で 1円50銭以上も反発した。

ユーロ上昇

東京外国為替市場ではユーロが対ドルで上昇。米債利回りの低下 を背景にユーロ買い・ドル売りが優勢となった海外市場の流れが続い た。16日から始まった欧州連合(EU)首脳会議は、恒久的な危機管 理メカニズムの2013年創設に向けた条約修正の文言で合意した。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.32ドル台前半から一時、1.3327 ドルまでユーロ高が進行。ただ、その後は米格付け会社ムーディーズ・ インべスターズ・サービスがアイルランドの格下げを発表したことを 受け、再び1.3300ドルを割り込む場面も見られている。

ユーロ・円相場も1ユーロ=111円台前半から一時、111円85銭 までユーロが上昇。一方、ドル・円相場は1ドル=84円ちょうど前後 から一時、83円79銭までドル売りが進んだ。

オーストリアのファイマン首相は16日、EU首脳会議が開かれた ブリュッセルで記者団に対し、2年余り先の実施に向けて危機管理メ カニズムのコンセンサスが形成できたことで「市場は間違いなく沈静 化」に向かうはずだと語った。

一方、ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ル クセンブルク首相兼国庫相)は、EUの首脳が欧州金融安定ファシリ ティー(EFSF)の規模を拡大しないことで一致したと明らかにし た。

ECBは16日、資本をほぼ倍に増やすと発表した。ソブリン債危 機対応で実施しているポルトガルやアイルランド国債購入によって生 じ得る損失に備え、資本基盤を強化する。一方、国際通貨基金(IM F)理事会は同日、アイルランド向けの融資225億ユーロ(約2兆5000 億円、期間3年)を承認した。

米下院本会議は、ブッシュ政権時代の所得税減税をすべて2年間 延長する法案を賛成277、反対148の賛成多数で可決した。オバマ大 統領の署名を経て成立する。

米国市場では、オバマ大統領がブッシュ減税の延長に同意した6 日以降、景気下支え期待や財政悪化懸念を背景に国債相場が大幅に下 落(利回りは上昇)している。

16日にはフィラデルフィア連銀製造業景況指数などの上振れを 手掛かりに、米10年債利回りが一時、3.56%と7カ月ぶりの水準まで 上昇。ただ、ムーディーズによるギリシャの格下げ方向での見直しを 懸念して、その後低下し、日本時間17日午後には3.40%を割り込ん でいる。

ムーディーズはアイルランドの信用格付けを「Aa2」から「B aa1」に引き下げた。格付け見通しはネガティブ(弱含み)とした。

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