米国株の上昇率は17%-FRB議長による量的緩和第2弾の示唆以降

米共和党指導部はバーナンキ米連 邦準備制度理事会(FRB)議長による量的緩和第2弾(QE2)に 強い懸念を表明してきた。しかし、米国の株式市場と信用市場は、そ うした心配とは無関係の動きを見せている。

バーナンキ議長が8月27日、景気押し上げのために国債購入プロ グラムの拡大を示唆して以降、S&P500種株価指数は17%上昇した。 ジャンク(高リスク・高利回り)債も値上がり。バンク・オブ・アメ リカ(BOA)メリルリンチの指数によれば、ジャンク債の国債に対 する利回りの上乗せ幅(スプレッド)は16日に5.45ポイントに縮小 した。

ドイチェ・バンク・セキュリティーズのチーフエコノミスト、ピ ーター・フーパー氏はQE2を「うまくいっている」と評価。「株式相 場の上昇に寄与しているし、デフレのリスクを大幅に低下させる上で 重要だ」と述べた。

経済指標も景気回復が力強さを増しつつあることを示唆している。 11月の米小売売上高が市場予想を上回ったことを受け、JPモルガ ン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ 氏は10-12月(第4四半期)の個人消費予想を上方修正した。11月 の米鉱工業生産指数も市場見通しを上回ったほか、12月のロイター・ ミシガン大学消費者マインド指数は6カ月ぶりの高水準となった。

長期金利

エコノミストらは、経済指標に加え、米議会がブッシュ前政権時 代の所得税減税を延長する8580億ドル(約72兆円)規模の法案を可 決するとの見通しを踏まえて、来年の経済成長見通しを引き上げた。 ブルームバーグ・ニュースが今月まとめたエコノミスト66人の予想中 央値では、2011年の成長率予想は2.6%、11月時点の2.5%から引き 上げられた。

ペンシルベニア大学ウォートン校のジェレミー・シーゲル教授(金 融学)は、「人々が景気への自信を深めるにつれ、資金は株式市場に流 入する」と指摘。「量的緩和が機能する上で最も重要なのは、流動性の 供給だ」と述べた。

また、ロバート・ディクレメンテ氏らシティグループのアナリス トは10日のリポートで、米長期金利はFRBが資産を購入しているこ とで、そうでない場合に比べて低水準に維持されているとの見方を示 した。ブルームバーグのデータによると、米10年債の現在の利回り

3.42%は、過去10年間の平均(約4.16%)を下回っている。

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