債券急反発、長期金利は1週間ぶり1.2%割れ-米債反発や需給改善期待

債券相場は急反発。長期金利は1 週間ぶりに1.2%を割り込んだ。米10年債利回りが7カ月ぶり高水準 から低下に転じたことが材料視された。来週にかけて現物需給が改善 するとの見通しもあり、中期から超長期ゾーンにかけて幅広い年限に 買いが入った。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優チーフストラテジストは、 米金利上昇を手掛かりに週半ばに売り込まれた反動が出たと指摘。日 米両国の長期金利が急上昇後に戻したことで、米国の3.5%超えや日 本の1.2%を上回る水準は行き過ぎとの見方が出始めそうだとも言う。

現物市場で新発10年物の312回債利回りは、前日比1.5ベーシス ポイント(bp)低い1.255%で開始。しばらく1.235-1.24%でもみ合 ったが、午前10時以降に再び買いが膨らむとじり安に推移した。午後 に入ると一段と買い進まれて、2時40分過ぎからは7.5bp低い

1.195%に低下。1週間ぶり低水準となる1.2%割れで取引されている。

312回債利回りは15、16日の取引で一時1.295%を付け、新発10 年債として5月18日以来の1.3%台目前まで上昇したが、この水準で は買いが優勢になり、一段の金利上振れが回避された。

さらに、きのうの米国市場で長期金利が大きく低下したことが、 国内債市場での買いのきっかけとなった。16日の米国債市場では景気 回復期待から売りが先行したが、午後には一転して買い優勢の展開と なり、米10年債利回りは11bp低い3.42%付近で引けた。

年末に向けて需給は改善

年末に向けて現物市場の需給改善が見込まれることも、この日の 債券買いの安心感を強めたもよう。JPモルガン証券の山脇貴史チー フ債券ストラテジストは、20日に国債大量償還を迎えるほか、年内の 利付国債入札は2年債を残すのみだと指摘。米国の金利上昇の影響が いくぶん及びにくくっており、「むしろ米金利が低下する場面において は、売られすぎの反動で1.1%台後半に戻す」との見方を示した。

みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラテジストは、 きょうは10年債を中心に投資家の買いが入ったようだと言い、「来週 も米国の金利動向が波乱材料になりうるものの、クリスマス休暇前に 年内最後の買いが出てもおかしくない」と予想していた。

この日は中期から超長期ゾーンまで幅広い年限で買いが優勢とな った。5年物の93回債利回りは5.5bp低下の0.47%まで下げて、新 発5年債として9日以来の0.5%割れを記録。20年物の123回債利回 りは8.5bp低い1.975%まで下げている。

先物は1週間ぶり高値圏

東京先物市場の中心限月の3月物は、前日比49銭高い139円40 銭で開始。しばらくは139円40銭を中心とした推移となり、午前の取 引終盤にはこの日の安値139円29銭を付けた。しかし、午後に入ると 再び買いが優勢となって、取引終盤には9日以来の高値139円83銭ま で上昇しており、結局は90銭高の139円81銭で週末の取引を終えた。

先物3月物は15日午前には一時138円16銭まで下振れて、中心 限月として4月7日以来の安値圏に到達したが、その後の2営業日で 1円50銭以上も反発した。

みずほインベスターズ証の井上氏は、米国金利の上昇などを手掛 かりに週半ばに売り込まれたが、きょうは海外ファンドを中心に売り 持ち高を圧縮する買い戻しが殺到したと言い、「ようやく相場底入れの 兆しが出てきた」との見方も示した。

来週の10年債は1.2%台前半か

市場関係者の間で、来週の10年債利回りは1.2%台前半を中心と した推移が見込まれている。先物市場で買い戻しが優勢となったこと もあり、午後には10年債利回りが1.2%台を割り込んだが、投資家が 押し目買い姿勢を強めれば金利低下余地は限られそうだ。

来週も米国の金利動向をにらみながらの展開が続く公算が大きい。 トヨタアセットマネジメントの浜崎氏は、海外金利が落ち着かないよ うだとボラティリティ(変動率)の高い状況が続くものの、直近の金 利急騰とその後の低下を通じて相場がひと山越えた感があるとも指摘。 10年債の1.2%台半ばや5年債の0.5%を上回る水準では、投資家か ら多少は買いが出てきそうとの見方も示した。

また、日本銀行が20、21日に開催する金融政策決定会合も注目材 料に挙げられている。金融政策に関して市場は現状維持との見通しが 大勢となる中、市場では最近の金利上昇について白川方明総裁が何ら かの認識を示すか注目が集まりそう。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE