バーゼル委:新資本基準の達成へ67兆円必要-概算

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バーゼル銀行監督委員会は16 日、同委員会がまとめた銀行の自己資本新基準について、2009年末 に適用した場合、6020億ユーロ(約67兆円)が必要だったとの概 算を示した。

また、流動性基準については、その一環である安定調達源の基 準を満たすために資金が2兆8900億ユーロ不足するなど、昨年末の 時点で満たせなかったことも明らかにした。バーゼル委は7月に、 自己資本と流動性の新基準について、完全順守の期限を2019年と することで合意している。信用危機から回復途上の銀行に対する影 響を和らげることを重視した。

既存の基準である「バーゼル2」の下で、金融危機時に金融機 関の支払い不能が発生したことから、バーゼル委は新基準作りに取 り組んできた。新基準の主要点は先月、20カ国・地域(G20)首 脳によって承認された。

メルク・フィンクのアナリスト、コンラッド・ベッカー氏は16 日の電話で、バーゼル委の新基準を満たすために「銀行は巨額の資 金が必要だが、順守する以外の道はない」とした上で、「問題は方法 だ。利益を内部留保するか、資産を売却するか、増資するか、配当 を減額するかだ」と話した。

新基準のバーゼル3は銀行が中核的自己資本相当資産をリスク 加重資産の7%とすることを求める。当局は銀行263行から集めた データを基に、順守の必要額6020億ユーロを算定した。

移行には「十分な余裕」

バーゼル委の委員長を務めるウェリンク・オランダ中央銀行総 裁はウェブサイトに掲載した声明で、「移行期間を設けたことにより、 銀行は堅調な景気回復の妨げとならないような形で新基準に移行す る十分な余裕を得た」と説明した。

規制当局によると、基準を満たさない銀行は配当支払いの制限 などを課される。

中核的自己資本(Tier1)が30億ユーロを超える国際的 な銀行が中核資本の基準を満たすための追加必要額は、5770億ユー ロ。その他の銀行の必要額は、250億ユーロだった。

また、2018年に順守が求められる安定資金比率は、融資と預 金のデュレーション(平均回収期間)ギャップを制限し、キャッシ ュフロー不足を回避するためのもので、バーゼル委の計算では2兆 8900億ユーロの流動性不足が示された。

30日間の信用逼迫(ひっぱく)を乗り切るために求められる流 動性カバレッジレシオ(2015年実施)に対する不足額は1兆7300 億ユーロだった。

バーゼル委は流動性の最低基準を満たせない銀行は、「調達資金 の年限を伸ばすか、事業モデルを再編する」ことによって基準を満 たすことができると指摘した。

新基準の「実際の影響は導入時までに、より低くなっている公 算が大きい。銀行セクターが経済・規制環境の変化に沿って調整す るためだ」とバーゼル委は影響リポートで説明している。

-With assistance from Aaron Kirchfeld in Frankfurt, Elisa Martinuzzi in Milan, and Lorenzo Totaro in Rome. Editors: Peter Chapman, Edward Evans

--* 参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: アムステルダム 木下 晶代 Akiyo Kinoshita +31-20-589-8544 akinoshita2@bloomberg.net Editor: Fumihiko Kasahara 記事についての記者への問い合わせ先: Jim Brunsden in Brussels at +32-2-285-4304 or jbrunsden@bloomberg.net. 記事に関するエディターへの問い合わせ先: Anthony Aarons at +44-20-7673-2227 or aaarons@bloomberg.net.

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