今日の国内市況:日本株は小幅高、債券続落-為替は84円台前半

日本株相場は小幅高。4連騰のT OPIXは一時、昨年大納会の終値を上回り、年初来パフォーマンス がプラスになる場面もあった。米国の長期金利上昇を受けドル・円相 場が円安傾向となっており、過度の収益懸念の後退で輸送用機器や化 学など輸出関連株の一角が上昇。銀行株も買われた。

ただ、テクニカル指標からみた高値警戒感がくすぶる中、米株式 相場や金利動向を見極めたいとして、明確な方向性は見出しにくかっ た。TOPIXの終値は前日比1.42ポイント(0.2%)高の903.84、 日経平均株価は1円51銭(0.01%)高の1万311円29銭。

日本株は小幅に下落して始まった後、前日終値を挟んでもみ合う 場面が多かったが、結局上昇して終了した。相場の過熱感がぬぐえな い中でも、底堅さを見せた。TOPIXは一時907.80まで上昇、昨年 12月30日終値の907.59を上回り、東証1部の値上がり銘柄数は805 と、値下がりの690を上回った。米財政悪化懸念と円安という好悪材 料に振らされる中、最後は円安を好材料としプラス圏に浮上した。

東京時間16日のドル・円相場は1ドル=84円台前半で推移。前 日のニューヨーク時間は同84円51銭まで円が売られ、9月24日以来 の円安水準となった。15日の東京株式市場の通常取引終了時点は同83 円89銭。米債券利回りの上昇による日米金利差の拡大から、ドル買い が優勢になっている。

15日の米国債10年利回りは一時3.56%まで上昇し、5月13日以 来(3.6%)、7カ月ぶりの高水準に達した。10月には2%台前半で推 移していた。日米10年債利回り格差は2.28%と、5月4日(2.31%) 以来の大きさ。円安傾向を受け、TOPIXの上昇寄与度上位には輸 送用機器や化学が入り、東証1部の売買代金上位ではキヤノン、ホン ダ、東芝、日立製作所などが高い。

このほかの上昇業種は銀行、陸運、不動産など。銀行では、優先 出資証券の公開買い付けを受け利益を計上する新生銀行が上げ、三井 住友フィナンシャルグループなど3大金融グループも高い。

ただ、前日の米国株は終盤に下落。金利上昇に伴い企業の借り入 れコストの高まりが警戒された。市場では、米金利上昇について「悪 い金利上昇」か「良い金利上昇」なのか見極める必要があるとの声が 多い。

また、東証1部の値上がり、値下がり銘柄数の割合を示す騰落レ シオ(25日平均)は15日時点で153%と、経験則的に投資家が売りを 意識しやすい120%を依然として大きく超えている。過熱感も根強い 中、下落業種はゴム製品、卸売、その他製品、証券・商品先物取引、 電気・ガスなど。ゴム製品株には、モルガンスタンレーMUFG証券 がブリヂストンや住友ゴム工業の投資判断を引き下げる材料があった。

個別では、韓国サムスン電子と提携し、同社のスマートフォン(多 機能携帯端末)にソーシャルゲームプラットフォーム「モバゲー」を 提供することになったディー・エヌ・エーや、ドン・キホーテなどを 割当先に第三者割当増資を実施するフィデックが大幅高。ゴールドマ ン・サックス証券が、株式市場は収益性や資産の質の改善などを織り 込んでいないとし、新規に投資判断「買い」を付けたあおぞら銀行も 高い。

半面、半導体市場の在庫調整などで、2011年1月期の連結営業損 益が一転6億5000万円の赤字となる見込みの三井ハイテックが急落。 光学ガラスが原料高の影響を受けるため、11年10月期の連結営業利 益は前期比18%減と見込んだオハラも安い。

債券続落、長期金利は一時1.295%

債券相場は続落。根強い景気回復期待を背景に前日の米債相場が 続落したことへの警戒感から、国内債市場でも売りが先行した。長期 金利は一時1.295%まで上昇して、前日に付けた約7カ月ぶり高水準 に並んだものの、午後に入ると買いが優勢になって相場は下げ幅を縮 めた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比3ベーシスポイント(bp)高い1.285%で始まり、徐々 に水準を切り上げて、午前10時15分前後には1.295%に上昇。前日 に付けた約7カ月ぶりの高水準に並んだ。しばらく1.29-1.295%で 推移していたが、次第に買いが優勢となり、午後2時前後には0.5bp 高い1.26%を付けた。3時過ぎからは1.5bp高い1.27%で推移した。

朝方は米国の金利上昇が続いていることを嫌気した売りが先行し た。15日の米国債相場は続落。根強い景気回復期待を背景に売り優勢 の展開となった。米10年債利回りは前日比6bp上昇の3.53%程度。 一時は3.56%と5月13日以来の高水準を付けた。

もっとも、午後に入ると現物債利回りは水準をやや切り下げる展 開。前日の取引でも新発10年債利回りは1.295%まで上昇したが、同 水準では買いが優勢となり、結局は1.2%台半ばに戻して引けた。

新発5年債利回りは一時0.56%まで上昇したが、午後3時過ぎに は前日比1bp高い0.54%に上昇幅を縮めている。一方、新発2年債利 回りは1bp低い0.215%に低下。10日以来の低水準を付けている。

一方、東京先物市場で中心限月3月物は小幅続落。前日比37銭安 の138円58銭で始まり、直後に138円52銭まで下げた。その後は徐々 に下げ幅を縮め、午後に入ると一時プラスに転じており、3銭高の138 円98銭まで上昇した。取引終了にかけて再び売りが優勢となり、結局 は4銭安の138円91銭で引けた。

為替は84円台前半

東京外国為替市場では、ドルが1ドル=84円台前半を維持して底 堅く推移した。目先は良好な米国の経済指標などを背景とした景気回 復期待がドルの下支え要因となった。

前日の海外市場で一時84円51銭と、9月24日以来のドル高値を 更新したドル・円相場は、この日の東京市場で国内輸出企業のドル売 り需要を指摘する声もあり、84円39銭を上値に84円15銭まで水準 を切り下げる場面も見られた。午後の取引は午前に形成された値幅24 銭のレンジ内でこう着感が増し、午後3時50分現在は84円26銭付近 で取引されている。

この日の海外時間には、新規失業保険申請件数や11月の住宅着工 件数などの米指標の発表が控えているほか、欧州連合(EU)首脳会 議が開かれる。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、12月11 日までの1週間の米新規失業保険申請件数は42万5000件と、前週の 42万1000件からわずかに増加が見込まれている。

ニューヨーク連銀が15日に発表した12月の同地区の製造業景況 指数は10.6と、前月のマイナス11.1から上昇。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめた市場予想の5(中央値)も大きく上回った。しかし、 雇用はマイナス3.4(前月は9.1)に低下し、1年ぶりの縮小を示して いた。

また、米上院は15日、オバマ大統領と共和党の間で合意が成立し た8580億ドル(約72兆円)規模の減税延長法案を賛成81、反対19 で可決。法案は下院に送付され、民主党指導者は16日に採決に持ち込 む可能性が強い。

一方、前日には格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サー ビスがスペインの信用格付け「Aa1」を引き下げ方向で見直すと発 表。スペイン政府は16日に、今年最後の国債入札を計画しているが、 同国がギリシャとアイルランドに続き救済要請に追い込まれるとの懸 念がくすぶっている。

ポルトガル政府が15日に実施した入札は不調に終わり、同国債相 場は8営業日続落。ドイツとの10年債利回り格差は拡大している。

そうした中、16日から2日間の日程で欧州連合EU首脳会議が開 かれる。EUのファンロンパイ大統領は15日に電子メールで公表され た首脳会議招集の書簡で、「2013年1月1日の発効に向けEUと各国 政府の両方のレベルで手続きをできる限り早急に開始するために、こ の首脳会議で草案段階の合意に達することが必要だ」との見解を示し ている。

東京市場のユーロ・ドル相場は午後の取引でユーロが下値を切り 下げ、一時は1ユーロ=1.3207ドルと、3営業日ぶりの安値を付けて いる。午後3時50分現在は1.3224ドル近辺で推移。ユーロ・円相場 は前日の海外市場で一時1ユーロ=111円23銭と、2営業日ぶりのユ ーロ安値を付け、東京市場で111円53銭まで値を戻した後、同時刻現 在は111円42銭付近で取引されている。

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