ドイツ首相、政治姿勢が左右するユーロの将来-ECB総裁より影響力

【記者:Tony Czuczka】

12月16日(ブルームバーグ):ドイツのメルケル首相が将来の債 務危機に伴う損失を投資家に負わせる手段について発言するたびに市 場では動揺が起きる。

欧州連合(EU)当局がソブリン債の急落が再発する場合に損失 を投資家に負担させる提案づくりを進めていると述べた11月2日、ア イルランドの10年債利回りは過去最高の水準を更新。同月23日には ユーロが「非常に深刻」な状況にあると発言したことで、ユーロ相場 が1.6%値下がりした。

債務危機がポルトガルとスペインを脅かす中、欧州連合(EU) は16、17の両日、ブリュッセルで首脳会議を開く。ベルリンのハーテ ィー・スクール・オブ・ガバナンスの政治経済学者、ヘンリク・エン ダーライン氏は、メルケル首相の声明がユーロ圏の資金調達コストを 押し上げる可能性があり、デフォルト(債務不履行)を見込む債券保 有者をうまくかわそうとしている他のEU加盟国や欧州中央銀行(E CB)の努力が、首相の激情で台無しになる恐れがあると警告する。

ロンドンのスミス・アンド・ウィリアムソン・インベストメント・ マネジメントの債券担当ディレクター、ロビン・マーシャル氏は、金 融市場が政策担当者らを未知の領域に追いやる中で、メルケル首相の 影響力がトリシェECB総裁に勝り、「市場を動かす最も重要な人物」 となったのではないかと話す。

マーシャル氏は「ユーロ圏の将来の形がドイツの政治姿勢と周辺 諸国の債務を引き受ける意思に左右されることになろう。市場がメル ケル首相の発言にあれほどまでに反応するのはそのためだ」と指摘し ている。

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