EU:債務危機封じ込めの方法めぐり対立深まる-16日から首脳会議

ユーロを脅かす債務危機を封じ込 める方策をめぐり、欧州連合(EU)内で意見の対立が深まっている。 このため、16、17両日開催のEU首脳会議では2013年に創設する危 機管理メカニズムについて合意するだけにとどまる可能性がある。

EU各国首脳が将来の債務危機を阻止する仕組みで合意に近づく 中、ドイツのメルケル首相は、現行7500億ユーロ(約83兆円)の欧 州金融安定基金の規模拡大や運用面で柔軟性を高める可能性に対し、 否定的な姿勢を示してきた。

メルケル首相と欧州中央銀行(ECB)、ユーロ圏財務相会合(ユ ーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼国庫相)との 間の不協和音、さらにドイツ国内の反発は首脳会議直前に激しさを増 しており、ギリシャとアイルランドに金融支援要請を余儀なくさせた 財政危機へのEUの取り組みに対する信頼が損なわれている。

英財務省の元当局者で現在はABNアムロ(アムステルダム)の ユーロ圏担当チーフエコノミストを務めるニック・コーニス氏は「前 進するための行動をドイツが阻止するといった、手詰まり状態に再び 陥っている」と指摘。「危機が再び増幅するリスクが高い。現在の市場 は恐らく嵐の前の静けさだろう」と語った。

15日の欧州債市場はまちまち。ポルトガルの10年物国債相場は 8営業日続落し、ドイツ国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は 5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の340bpと、今月 1日以来の高水準となった。一方、スペインの10年物国債相場は上昇。 格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがスペインの信 用格付けを引き下げ方向で見直すと発表したが、ドイツ国債に対する スプレッドは7bp低下して242bpとなった。

複数のEU当局者が15日にブリュッセルで記者団に語ったとこ ろによると、財政難に陥った国に「厳しい条件」付きで金融支援を提 供する「ユーロ圏全体の安定を守るメカニズム」を創設するため、リ スボン条約(EU基本条約)に修正を加えることでEU各国政府は合 意に近づいているという。

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