強気一色の新興市場株式市場、距離置き始めたハリスのヘロー氏

新興市場株に個人投資家の資金が 2007年以来最も速いペースで流れ込んでいる。大手金融機関のストラ テジストらはMSCI新興市場指数が来年、最高値を更新すると予想 し、強気の見方を崩していない。

EPFRグローバルとブルームバーグのデータによれば、投資家 が前回これほどの強気を示した際、MSCI新興市場指数は3カ月間 で11%下落した。MSCI社によれば、同指数は純資産の2倍の水準 で取引されており、先進国株の指標、MSCI世界指数との比較で最 も割高な水準まで4%の範囲内に近づいている。

シカゴのファンドで60億ドル(約5050億円)相当の資産を運用 するハリス・アソシエーツのデービッド・へロー氏は「誰もが高揚感 に包まれて夢中になっており、このように資金があふれている状況で バリューを見いだすのは難しい」と指摘。「新興市場国・地域の成長が 世界を大いに支えているが、 資金の投入が行き過ぎることもあり、そ れが今まさに起こっていることだ」と話す。

同氏の「オークマーク・インターナショナル・ファンド」は今年、 同種のファンドの82%をしのぐ運用成績を誇っているが、1990年代後 半には20%以上だった新興市場株の保有比率を現在は約4%に減ら している。

インフレの加速を受けて中国とインドは利上げし、タイとブラジ ルは海外投資家に対する課税を強化した。ヘロー氏は新興市場から距 離を置くことで、UBSやシティグループのストラテジストらとは異 なる戦略を取る。

新興市場株が2007年にピークを付ける1カ月前に割高だと指摘 したハリス・ブライベート・バンクのジャック・アブリン最高投資責 任者(CIO)は、今は新興国・地域を市場とする米企業を選好して いるという。

強気派

UBSとシティグループ、JPモルガン・チェース、クレディ・ス イス・グループ、モルガン・スタンレーの新興市場株担当ストラテジ ストは、欧米担当のストラテジストよりも強気だ。

MSCI新興市場指数が来年、15日の水準よりも30%上昇し、07 年10月29日に付けた終値ベースでの最高値を9.3%上回るというの が5社の予想の平均だ。一方、ブルームバーグがまとめた予想平均に よれば、ストラテジストらは米S&P500種株価指数が9.9%上昇し、 ストックス欧州600指数も14%上昇すると見込んでいる。

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