アルミ相場は3000ドルも、銅の代替需要が追い風に-MRAの新村代表

マーケット・リスク・アドバイザリ ー(MRA)の新村直弘代表取締役は、来年のアルミニウム相場が1ト ン当たり3000ドル程度まで上昇する可能性があるとみている。自動車用 組み電線(ワイヤーハーネス)などに使われている銅の価格高騰がアル ミへの代替需要を促すという。

新村氏の2011年の世界アルミ需要見通しは、前年比7%増の4010万 トン。需給関係は、今年から来年にかけては供給超過の見通しだが12年 には需要が供給を6年ぶりに上回り、30万トンの供給不足になると予測 している。銅については、来年の相場が1トン当たり1万1000ドルまで 上昇する可能性があるとみている。

今年に入ってからの銅相場は歴史的な高値水準で推移しており、ロ ンドン金属取引所(LME)の銅先物相場(3カ月物)は14日、過去最 高値の9267.50ドルに達した。アルミの国際指標となるロンドン金属取 引所のアルミ先物相場(3カ月物)は11月11日に2年ぶりの高値となる 2500ドルを付けた。

日本電線工業会(東京都中央区)によると、アルミ電線の10年度の 出荷量は4月から9月までの累計が4万2900トンと前年比で48%増加。 一方、銅電線は66万2500トンと13%減少している。

新村氏は15日のインタビューで、「銅の価格が上がれば、代替物に シフトできる。自動車用ワイヤーハーネスや高圧線の一部はアルミニウ ムだ」と指摘した。

銅をアルミで代替する動きは日本企業ですでに始まっている。古河 電気工業は現在銅製ワイヤーハーネスを生産しているベトナムの工場で 11年中にもアルミ製を量産する予定だ。同社広報担当の福本雅彦氏はア ルミは主流の銅製より「約4-5割軽く、燃費向上のため車体軽量化を 急ぐ自動車メーカーに貢献できる」と説明する。

アルミ需給

新村氏は、アルミの需要が12年に前年比6.2%増の4260万トンとな り、生産量の4230万トンを上回ると予測する。07年以降の需給関係は、 最大生産国の中国やロシアなどでの生産能力の拡大で供給が需要を上回 っていた。

中国の11年のアルミ生産は前年比8%増加の1480万トンと、需要の 1590万トンを下回るとみている。中国は電力消費抑制政策を推し進めて おり、「非効率にエネルギーを使う精錬会社のスクラップ・アンド・ビ ルトを進めているため、来年は一時的に供給の伸びが鈍化する」と新村 氏はみている。

一方、需要の伸びについては、インフレ抑制のための金融引き締め 策が講じられると減速が予想されるという。新村氏は、中国は来年末ま でに「1%の利上げを4回程度に分けて行う」とみており、25ベーシス ポイント(bp)の利上げは投資家の手じまいをもたらすとみている。た だ、市場への影響については「大したインパクトはない」と限定的な見 方だ。

新村氏によると、アルミは上場投資信託(ETF)が近い将来上場 されるとの見方が強いことも相場を底堅くするという。「スズやニッケ ルのETFが上場されているのをみると、アルミニウムも上場されるの は明らかだろう」と述べた。

新村氏は、みずほコーポート銀行のコモディティ・セールス&リサ ーチ・ヘッドを務めた後、バークレイズ・キャピタル証券、ドイツ証券 のコモディティ・セールス部門を得て、10年にMRAを設立した。

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