米国債:上昇、10年債高利回りで妙味-欧州危機も支援

米国債相場は1カ月ぶりの大幅 高となった。10年債利回りが7カ月ぶり高水準付近で推移していた ことから、投資家を引き寄せた。欧州ではソブリン債危機が悪化しつ つある兆候が示された。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスがギリシ ャの格付けを引き下げ方向で見直すと発表したことを受け、利回りは 低下。朝方の米経済統計では、フィラデルフィア連銀の製造業景況指 数は市場予想を上回り、新規失業保険申請件数は小幅ながら減少。ま た住宅着工件数は増加した。これらを手掛かりに利回りは早い段階で 上昇していた。米国債のボラティリティ(変動性)はここ1年余りで 最も高まった。

グッゲンハイム・パートナーズの米政府トレーディングディレク ター、ジェーソン・ローガン氏は「欧州からはなおも懸念材料が続い ており、米国債相場を支援する形となっている」とした上で、「年末 に向けて投資家がポジションを縮小するため、ボラティリティは高ま り、流動性は低下する。相場の動きはかなり不安定になるだろう」と 続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時11分現在、10年債利回りは前日比9ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の3.45%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は23/32上げて93 5/32。

10年債利回りは一時11bp低下と、11月16日以来の大幅な下 げとなった。それより早い段階では3.56%と、5月13日以来の高 水準を付ける場面もあった。2年債利回りは3bp低下し0.65%。 一時0.69%と、6月23日以来の高水準まで1bp以内に迫った。

米国債のボラティリティ

償還年限2-30年の米国債の店頭オプション価格を基にしたボ ラティリティの指数であるバンク・オブ・アメリカ(BOA)メリル リンチのMOVE指数は前日、125.20と、2009年9月以来の高水 準を付けた。

ブルームバーグのデータによれば、10年債利回りの相対力指数 (RSI、期間7日)は3日連続で70を上回った。同指数が70以 上になると、利回りが低下する可能性がある。

トラディション・アシール・セキュリティーズのブローカー、ポ ール・ホルマン氏(ニューヨーク在勤)は「相場は、心地良いと感じ られる利回りの水準を見つけ出そうとしている」と分析。「魅力的と 思え始める水準付近にはあるが、売りの動きが強いことを踏まえ、誰 も手を出し過ぎないようにしている」と述べた。

ムーディーズがギリシャの現地通貨および外貨建て国債格付け 「Ba1」を引き下げ方向で検討すると発表したことに反応し、米国 債は下げを消した。

ギリシャの見通し

ムーディーズは、債務を「持続可能な水準」に削減する同国の能 力や今年の歳入不足に対する懸念が今回の見直しの一部要因になっ たと説明。複数段階の格下げもあり得るとしている。

スペイン政府は16日に国債入札を実施。10年債の応札倍率は

1.67倍で、前回の11月18日の入札時の1.84倍を下回った。ムー ディーズは15日、スペインの格付け「Aa1」を引き下げ方向で見 直すと発表した。

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