米国債:下落、景気回復の兆候で買い持ちを解消

米国債相場は下落。10年債利 回りは7カ月ぶり高水準となった。景気回復の兆候から、ロング(買 い持ち)ポジションを解消する動きが広がった。

また、オバマ大統領が同意した減税延長法案が議会を通過し、経 済成長の下支えや財政赤字の拡大につながるとの観測も国債を押し 下げた。前日は、米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委 員会(FOMC)で景気回復の継続を指摘したほか、6000億ドルの 国債購入プログラムを維持する方針を表明したことに反応し下落し ていた。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、 トーマス・トゥッチ氏は「債券市場は力強い経済成長シナリオを再び 織り込みつつある。ロングポジション続けている投資家もまだいる」 と指摘。「半年に及ぶ強気姿勢の解消だ。よって今後こうした大きな 売りが見られる時があるだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時58分現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の3.51%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は10/32下げて92 19/32。 利回りは一時3.56%と、5月13日以来の高水準を付けた。

30年債利回りは一時9bp上昇し4.62%と、4月29日以来の 高水準を付けた。2年債利回りはほぼ変わらずの0.66%。

米国債のボラティリティ

償還年限2-30年の米国債の店頭オプション価格を基にしたボ ラティリティの指数であるバンク・オブ・アメリカ(BOA)メリル リンチのMOVE指数は前日、118.40と、2009年10月以来の高水 準を付けた。

ニューヨーク連銀はこの日、14年4月から16年5月に償還を迎 える米国債67億8000万ドルを買い入れた。プライマリーディーラ ー(政府証券公認ディーラー)が差し出した額は131億1400万ドル だった。16年6月から17年11月が償還期限の国債を買い入れた13 日は、差し出した額は182億6800万ドルだった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が15日に発表した11月の鉱 工業生産指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値、 2002年=100)は前月比0.4%上昇となった。前月は0.2%低下 (速報は横ばい)に下方修正された。また労働省が発表した11月の 米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)では、食品とエネルギー を除いたコア指数が前年同月比で0.8%上昇と、予想(0.6%上昇) を上回る伸びとなった。

シティグループのニューヨーク在勤金利ストラテジスト、ジョゼ フ・リアリー氏は「きょうはコアインフレ率が市場予想を上回った ほか、全体的に経済指標に改善が見られた。これが長期債には重しと なっている」と分析した。

実質利回り

投資家のインフレ期待を示す10年債と同年限のインフレ連動債 (TIPS)との利回り格差(ブレークイーブンレート)は2.33ポ イントと、5月5日以降で最大となった。

インフレ調整後の10年債の実質利回りは1.65%。過去20年間 の平均は2.65%となっている。

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