スペインの銀行は900億ユーロの追加資本が必要にも-ムーディーズ

住宅ローンや不動産開発向け融資 でスペインの不動産ブームを支えた同国の銀行は、さらに900億ユー ロ(約10兆1000億円)の資本が必要になる可能性がある。米格付け 会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスが試算した。

ムーディーズの発表によると、この試算は銀行が中核的自己資本 (Tier1)比率を12%にすることを想定している。

同社のアナリスト、カスリン・ミュールブロナー氏は、「銀行の資 本レベルを従来よりもはるかに高くすることが必要になったアイルラ ンドの例を基に、スペインの場合についてストレステスト(健全性審 査)を実施してみた。スペインの銀行が市場の信頼を保つために以前 よりも高い水準の資本を構築し直さなければならない場合についてだ」 と説明した。

ムーディーズの試算は、スペインの銀行の資本ニーズについて、 アナリストと政府当局の認識に開きがあることを示した。スペイン銀 行(中央銀行)のオルドニェス総裁は13日、スペインの銀行が2011 年に銀行救済基金から、既に拠出が決まっている110億ユーロ以外の 資金を引き出す必要性は見られないと言明。業界の健全性に関する市 場の見方は「現実よりもはるかに悪い」と論じていた。

ムーディーズの「基本シナリオ」では、銀行がTier1比率8% を維持するために「比較的緩やかな」資本増強で250億ユーロを必要 とする。これらの試算の金額は、スペインの銀行救済基金からの拠出 分を含めた額。スペインが設立した銀行救済基金は、最大で900億ユ ーロを借り入れによって調達できる。

ムーディーズはこの日、スペインの信用格付け「Aa1」を引き 下げ方向で見直すと発表。借り入れコストの上昇や銀行システム内で 発生し得る損失、地方政府の財政赤字に関する懸念を理由に挙げた。 ムーディーズによると、銀行の資本ニーズ以外に、スペイン政府は 1700億ユーロを調達する必要がある。

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