スペイン:ムーディーズが格下げ方向で見直し、16日は今年最後の入札

格付け会社ムーディーズ・イ ンベスターズ・サービスは15日、スペインの信用格付け「Aa1」 を引き下げ方向で見直すと発表した。スペイン政府は16日に、今 年最後の国債入札を計画している。同国がギリシャとアイルランド に続き救済要請に追い込まれるとの懸念がくすぶっている。

ムーディーズは、スペイン政府が来年1700億ユーロ(約19 兆円)を調達する必要があると指摘。また、地方政府は合計で300 億ユーロの借り換えが必要なほか、スペインの銀行は900億ユー ロ前後が必要になると試算した。

ムーディーズのアナリスト、カスリン・ミュールブロナー氏は リポートで、「国家ばかりでなく地方政府と銀行を含めたスペイン の資金需要は大きく、同国は一段の調達難に見舞われる恐れがある」 と指摘した。

ムーディーズは9月に、スペインの格付けを最上級の「Aaa」 から引き下げた。ユーロ圏各国首脳は債務危機の封じ込めを図って いる。スペインも増税や国有企業株の放出などの措置を取っている。 アイルランドは11月にユーロ圏2番目の救済要請国となった。

ムーディーズによると、スペインの格付けは見直し後も「Aa」 のレンジ内にとどまる公算。同社はスペインの救済を「公算大」と はみていないが、可能性を「排除することもできない」とミュール ブロナー氏は述べた。

スペインは16日に、30億ユーロ相当の10年債と15年債の 入札を予定している。利回り上昇を受けて当局は発行規模を通常の 40億ユーロ前後から縮小した。サルガド財務相が11月26日に明 らかにした。15日に入札を実施したポルトガルは、3カ月物の借り 入れコストが11月の前回入札時からほぼ2倍になった。

ノルディア銀行の主任アナリスト、ニールス・フロム氏は、ム ーディーズの見直しの「ニュースで、スペインにマイナスの要素が また一つ増えた。明日の入札はますます難しくなるばかりだ」とし た上で、「スペインは既に、自力で事態を立て直せると市場参加者 に納得させるのに苦労している」と述べた。

スペインのカンパ副財務相は15日、来年の国債発行で需要不 足を予想していないし、民間の発行体が資金調達難に見舞われると も考えていないと述べた。地方政府の財政に関するムーディーズ の分析は十分に入念なものでないとも指摘し、地方政府は現在も来 年も財政目標を満たしていると語った。

スペインは住宅バブルの破裂と欧州で最悪の失業率、2009年 に国内総生産(GDP)の11%に上った財政赤字に直面。借り入 れコストの上昇に見舞われている。10年物国債のドイツ債との利 回り格差はユーロ導入後10年の平均の17倍付近。将来の債務危 機で民間の投資家にも救済のコストを負担させる案も国債相場の 重しとなっている。

ムーディーズは、スペインの銀行が資本修復のため計250億 ユーロが必要だと試算する。そのうち105億ユーロは既に国営の救 済ファンドから提供されている。さらに厳しいシナリオでは必要資金 が最大900億ユーロに膨らむ可能性もあると、ムーディーズはみて いる。

財政赤字については政府が削減に取り組むと確信していると し、2011年にはGDPの6%付近と予想している。ただ、地方政 府の歳出削減の実績は「あまり良くない」とミュールブロナー氏は 付け加えた。

フィッチ・レーティングスとスタンダード・アンド・プアーズ (S&P)はそれぞれ5月と2009年1月にスペインを最上級から 引き下げていた。現在の格付けはS&Pが「AA」、フィッチが「A A+」。

ムーディーズは、スペインの信用力は「緊張にさらされている 他のユーロ圏諸国に比べはるかに強い」との見解を示した。ムーデ ィーズが1段階引き下げ「Aa2」とした場合、スペインの格付け はイタリアと並び、ポルトガルの2段階上になる。

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