「いつか見た光景」ギリシャ救済前夜か-ドイツの抵抗が招くこう着

【記者:James G. Neuger】

12月15日(ブルームバーグ):ドイツは欧州各国政府が資金を拠 出するユーロ圏高債務国への支援の拡大に反対する姿勢を強めている。 ドイツが反対し続ける限り、債務危機の沈静化に向けた闘いの負担の ほとんどを欧州中央銀行(ECB)が背負うことになる。

ドイツのメルケル首相は欧州金融安定基金を現行の7500億ユー ロ(約84兆円)から拡大する可能性を否定している。ドイツ政府当 局者が14日、ECBが資本金増強を要請した場合、政府としてそれ を支持すると発言したことで、ECBにむしろ注目が集まった。

欧州の債務危機の第一段階で、ドイツはギリシャ向けの緊急融資 の承認を渋って2カ月以上にわたって抵抗した。欧州連合(EU) 首脳会議の直前にメルケル独首相とトリシェECB総裁、ユーロ圏財 務相会合(ユーログループ)のユンケル議長(ルクセンブルク首相兼 国庫相)との間の不協和音が表面化し、緊張を引き起こした。

BNPパリバのユーロ圏担当チーフエコノミスト、ケン・ワトレ ット氏(ロンドン在勤)は投資家向けのリポートで、「一種のこう着 状態が、またかというデジャビュ(既視感)にわれわれが襲われる結 果を招いている」と指摘。「事態を前進させる適切な方法をめぐって 各国政府が公然と対立を続ける状況では、市場の緊張が再燃する公算 が大きい」と警告する。

EUの資金を活用し、高債務国の国債を直接ないし流通市場で購 入する提案のほか、欧州金融安定基金の規模拡大、より多くの資金を 利用可能にするための保証規則の改正などがドイツの反対に遭ってい る。欧州金融安定ファシリティー(EFSF)がトリプルA格付けを 維持するには現金バッファーを必要とするため、実際の融資能力は 2300億ユーロにすぎない。

14日の欧州の国債相場は下落し、スペインとポルトガルの10年 国債のドイツ国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)が12月1日 以来の水準に拡大した。さらに米格付け会社スタンダード・アンド・ プアーズ(S&P)がベルギーの格付け見通し(アウトルック)を 「ネガティブ」(弱含み)に引き下げ、ユーロ圏中核国もリスクにさ らされていることを示す兆候が顕著となった。

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