ユーロが1.33ドル割れ、スペイン格下げ方向で見直し-ドル円83円台

東京外国為替市場では、午後に 米格付け会社がスペインの格付けを引き下げ方向で見直すと発表したこ とが伝わり、ユーロ売りが加速。前日の欧州時間に3週間ぶりユーロ高 値(1ユーロ=1.3499ドル)をつけていたユーロ・ドル相場は早朝の

1.33ドル台後半から一時、1.33ドル台を割り込んだ。

ユーロは対ドルで一時、1.3290ドルまでユーロ安・ドル高に振れ、 午後4時20分現在は1.3310ドル。ユーロ・円相場は1ユーロ=111 円台後半を中心にもみ合っていたが、スペインの格付け見直しを受け、 午後には一時111円44銭までユーロ売りが進んだ。ドル・円は同時刻 現在、83円85銭前後となっている。

米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは15日、スペインの 「Aa1」の格付けを引き下げ方向で見直すと発表した。ムーディーズ は発表資料で、スペインの「2011年の借り換え需要の高さに基づき、 資金調達において圧力にさらされやすい」ことを理由に挙げた。

前日にはスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がベルギーの 債務格付け見通しを「ネガティブ(弱含み)」に引き下げている。

中央三井信託銀行総合資金部為替営業グループ調査役の西田朋広氏 は、マーケットが次のターゲット探しをする中で、ユーロは素直にムー ディーズのニュースに反応していると説明。その上で、あすから始まる 欧州連合(EU)首脳会談(サミット)でも「財政懸念を払しょくする ようなドラスティックな決定」は見込めないとし、「ユーロはなかなか 上がっていけないだろう」と語った。

ドルは上昇

一方、ドルは上昇。小売売上高など米経済指標の上振れや米連邦公 開市場委員会(FOMC)で米金利上昇へのけん制がなかったことなど を手掛かりに、米債利回りが急上昇し、ドルが買われた海外市場の流れ が続いた。

ドル・円相場は1ドル=83円66銭付近で東京市場を迎えた後、 一時、83円96銭までドル高が進行。米金利の上昇を受け、日米金利 差拡大を意識したドル買い・円売りが先行した。

大和総研経済金融調査部の亀岡裕次シニアエコノミストは、「FO MCは一言で言うと想定の範囲内で相場への影響は少なかったが、やは り小売りの回復は効いた」と米金利上昇とドル高が進行した背景を説明 。目先は米指標次第で「逆の動き」もあり得るが、「トレンド自体は金 利上昇・ドル高方向が出来上がってきている」と語った。

朝方発表された日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、12月調 査)では景況感の悪化が示されたが、米金利主導の展開が続くなか、市 場の反応は限られた。

米金利が上昇

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によれば、 15日発表の11月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇と 10月と同じ伸びが見込まれている。

また、ニューヨーク連銀が発表する12月の製造業景気指数は5.0 と11月のマイナス11から回復する見通しで、11月の鉱工業生産指数 は前月比0.3%上昇(10月は横ばい)が予想されている。

14日の米国市場では11月の小売売上高や生産者物価指数(PP I)が予想を上回ったことを手掛かりに米債利回りが上昇。FOMC声 明発表後には米10年債利回りが3.4%を突破し、日本時間15日午前 には一時、5月14日以来の高水準となる3.50%に達した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券クレジット市場部為替課長の 塩入稔氏は、「仮にCPIが弱くても債券はそれほど買われず、むしろ ニューヨーク連銀指数などが良ければ金利上昇に弾みが付きやすい」と 予想。実際、雇用と住宅以外の米指標は悪くなく、ブッシュ減税の延長 を受けた米経済見通し引き上げの動きも「ある程度、絵空事ではない」 とし、成長率見通しが改善すれば、「金利水準も上方修正せざるを得な い」と語った。

FOMCは14日の会合後に発表した声明で、景気浮揚を目指し資 産購入プログラムを継続すると表明。声明は「景気の回復は継続してい るものの、そのペースは失業を減少させるには不十分」と指摘し、「家 計支出は緩やかなペースで伸びつつあるが、高い失業と所得の伸び悩み 、住宅資産の減少、厳格な信用条件によって依然抑制されている」と記 述した。

塩入氏は、FOMC声明について、最近の急ピッチな金利上昇につ いて、「もしかしたら多少なりとも行き過ぎているというようなニュア ンスを流してくれるのではないかというような債券の買い持ち筋の最後 の望みがあったのかもしれない」と分析。「理由をつけるとすれば、そ れがなかったので、債券が売られてしまったということではないか」と 、米金利上昇の背景を解説していた。

--取材協力 野原良明 Editor:Joji Mochida, Masaru Aoki

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