TOPIX小幅高、米景気期待で輸出や商社上昇-上値重い

日本株相場は、TOPIXが小幅 ながら3日続伸し、連日で6月以来の高値を更新した。米国の消費関 連指標が市場予想を上回るなど、米景気改善への期待が広がり、輸送 用機器や精密機器など輸出関連株の一角が高い。商社など卸売株のほ か、アナリストの格上げを受けた電通などサービス業も上昇。

TOPIXの終値は前日比0.53ポイント(0.1%)高の902.42。 一方、日経平均株価は6円99銭(0.1%)安の1万309円78銭と小反 落。東証1部33業種は15業種が上昇、17業種が下落、変わらず1。

大和住銀投信投資顧問の門司総一郎投資戦略部長は、「最近の米経 済指標は良好な内容が多く、クリスマス商戦への期待も高まっている。 ブッシュ減税延長合意もあり、米景気期待が高まっている」と指摘。 日本株は、「利益確定売りをこなしながら上昇していくだろう」との見 方を示した。

きょうの日本株は、前日終値を挟んでもみ合う場面が多かったも のの、TOPIXはプラス圏で引け、終値で6月21日以来の高値を更 新した。東証1部の騰落銘柄状況は値上がり895と、値下がりの591 を 上回った。

米小売統計、FOMC声明

14日の米国市場で発表された11月の小売売上高は市場予想を上 回り、また米連邦準備制度理事会(FRB)が開いた連邦公開市場委 員会(FOMC)後の声明では、来年6月にかけて6000億ドルの国債 購入の方針を堅持した。米景気期待が高まり、同日の米10年債利回り は3.5%付近まで急上昇し、5月中旬以来の高水準に達した。一方、 S&P500種株価指数、ダウ工業株30種平均は08年9月以来の高値 を更新、債券から株式への資金流入の動きがうかがえた。

こうした米国動向を好感し、東京市場ではトヨタ自動車やソニー、 オリンパス、テルモなど輸出関連株の一角が上昇。このほか卸売、情 報・通信、不動産なども上げた。コスモ証券投資情報部の清水三津雄 副部長は、「米景気不安は後退し、期待に変わりつつある。日本株は依 然として株価純資産倍率(PBR)1倍割れの銘柄が多く、出遅れ感 から買われやすい」と指摘している。

ただ同氏は、「財政赤字の拡大から債券が売られているのであれば、 悪い金利の上昇となるため、注意が必要」とも言う。日米金利差は拡 大しているが、東京時間15日のドル・円相場は1ドル=83円90銭付 近と、前日の日本株の通常取引終了時点の同83円46銭と比べると、 円安方向への動きは限られた。為替市場では、悪い金利上昇か、良い 金利上昇かを見極める動きとなっている。

テクニカル過熱、短観先行きマイナス

テクニカル分析上、足元の相場は過熱している。東証1部の値上 がり、値下がり銘柄数の割合を示す騰落レシオは14日の取引で150%。 経験則的には120%超えで売りが出やすいと判断される指標だ。こう した中、高値圏の投資家心理に影を落としたのが、日本銀行の企業短 期経済観測調査(短観)12月調査だった。

同月調査は市場予想を上回ったものの、2009年3月調査以来、7 期ぶりに大企業・製造業業況判断DIが悪化した。円高やエコカー補 助金制度の終了による駆け込み需要の反動などが影響した格好で、先 行きDIのマイナス幅が拡大した鉄鋼、パルプ・紙株が売られ、東証 1部33業種の下落率上位を占めた。

特に鉄鋼は、TOPIXが直近安値11月2日から、半年ぶりに 900ポイントを回復した前日までの上昇率は17%高と、TOIXの 12%を上回っており、売りに押されやすかった面もある。鉄鋼と同様 に、同期間の上昇率上位だった石油・石炭製品もきょうは軟調だった。

電通やコーセル、大塚HDは新規上場

個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループが投資判断を「ア ウトパフォーム」に引き上げた電通が終値で約半年ぶりの高値。国土 交通省の認可を受け、羽田空港の国内線旅客取扱施設利用料の値上げ 届出を行った日本空港ビルデングも高い。

半面、連結子会社の減少で、2-10月の連結売上高は前年同期比 22%減となったサイボウズが大幅反落。受注減速で、11年5月期の業 績予想を下方修正したコーセルは午後の取引で急落した。

このほか、きょう東証1部市場に新規株式公開(IPO)した大 塚ホールディングスの初値は2170円と、公開価格の2100円を3.3% 上回った。一時2234円まで上昇した後、終値は2140円。

ジャスダック指数は7月来高値

国内の新興市場は上昇。ジャスダック指数の終値は前日比0.4% 高の51.67と7月9日以来の高値、東証マザース指数は同0.8%高の

422.09と、6月16日以来の高値を付けた。個別では、1対300の株 式分割を実施するスタートトゥデイは、流動性向上期待で上場来高値 を更新。シティグループ証券が投資判断を「ホールド」から「買い」 に引き上げたサイバーエージェントも買われた。半面、パピレスやイ ンドコムが安く、そーせいグループ、トランスジェニックなどバイオ 関連の一角は連日の下げ。

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