債券反落、米債安受け先物一時8カ月ぶり安値-1.3%接近で買い需要

債券相場は反落。前日の米国市場 で、経済指標の改善を背景に景気回復期待が強まり、米国債相場が急 落したことを受けて売りが優勢となった。先物相場は一時8カ月ぶり 安値まで下げた。しかし、長期金利が節目の1.3%に接近したことで 投資家から買いが入り、午後に入ると相場は下げ幅を縮めた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、「米国債相場が下落した流れを引き継いで午前に急落した後、 午後に入っていったん押し目を拾う投資家が買いに入った」と指摘し た。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前日比2.5ベーシスポイント(bp)高い1.275%で始まった後、 徐々に水準を切り上げ、一時4.5bp高い1.295%まで上昇。新発10年 債としては5月18日以来の高水準を付けた。しかし、そこでは投資家 の買いが入り、午後1時40分過ぎには横ばいの1.25%まで戻した。 その後は横ばい圏で推移している。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、米国の金利上昇ピッ チが速過ぎたため、日本も追随せざるを得なかったが、長期金利がさ すがに節目の1.3%に近付いたので、値ごろ感もあり、押し目買いが 入ったと述べた。

前日の米長期金利の大幅上昇を受けて、朝方には投資家からの売 りが広がった。バークレイズ・キャピタル証券の森田長太郎チーフス トラテジストは、「国内銀行勢が米国債と日本国債のポジション(持ち 高)を圧縮している。夏場にかけてポジションを積み増した反動もあ り、リスクを落とす動きが広がっている」と説明した。

中期債にも買い

中期債も朝方に売り込まれたが、その後買いが入った。新発5年 債利回りは一時6.5bp高い0.60%まで上昇し、昨年11月以来の0.6% 台に乗せた。しかし、その後は買い優勢の展開となって、前日比0.5bp 低い0.53%に下げている。

RBS証券の徐瑞雪債券ストラテジストは、「米国の金利がこれだ け上振れてくると、国内債市場が追随して売られるのはやむを得ない」 としながらも、一方で「米金利の上昇は行き過ぎの感があるうえ、国 内では国債償還を迎えることで需要がないわけではない。10年債利回 りの1.3%や5年債の0.6%では打診的な買いが入る」ともみていた。

14日の米国債相場は大幅反落。11月の米小売売上高が予想を上回 ったことかどから、米10年債利回りは20bp上昇の3.47%程度。一時 は3.49%と約7カ月ぶりの高水準を記録した。また、米連邦準備制度 理事会(FRB)が同日開いた連邦公開市場委員会(FOMC)では 事実上のゼロ金利政策と米国債の購入策の維持を決めた。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、米債券相場は小売統 計でいったん売られ、FOMC声明文を受けてさらに売られたと説明 し、「市場は足元の金利上昇を抑制するような文言が入ることを期待し ていたとみられるが、今回の声明文は、その期待に沿う内容ではなか った」と解説した。

東京先物市場で中心限月3月物は反落。前日比55銭安の138円 60銭で始まり、その後も売り優勢の展開が続いて、午前には99銭安 の138円16銭まで下落。中心限月ベースでは4月7日以来、約8カ月 ぶりの安値を付けた。しかし午後に入って徐々に下げ幅を縮めて、結 局は20銭安の138円95銭で引けた。

日銀短観

こうした中、日本銀行が朝方に発表した企業短期経済観測調査(短 観、12月調査)によると、大企業・製造業の業況判断DIはプラス5 (前回はプラス8)となり、7四半期ぶりに悪化した。大企業・非製 造業DIはプラス1(前回はプラス2)に悪化した。先行きは製造業 DIがマイナス2、非製造業DIがマイナス1といずれもマイナスに 落ち込む見通し。

ブルームバーグ調査では、大企業・製造業DIはプラス3、大企 業・非製造業は0、先行きは製造業DIがゼロ、非製造業DIはマイ ナス3が見込まれていた。

大企業・製造業DIが予想ほど悪化しなかったことで、債券市場 への影響は限定的だった。バークレイズ・キャピタル証の森田氏は「日 銀短観の影響は基本的になかった」と話した。

一方、クレディ・アグリコル証券の加藤進チーフエコノミストは、 「業況判断DIは全般に予想の範囲内の小さめの悪化が見られたが、 企業の業況は比較的に高水準にとどまった。先行きにはさらに厳しい 予想だが、実際にはさほどの悪化にはならないだろう」と分析した。

--取材協力:赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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