米国債:大幅下落、FOMCが景気回復の継続を指摘

米国債相場は大幅安。30年債利 回りは7カ月ぶり高水準を付けた。米連邦準備制度理事会(FRB) が連邦公開市場委員会(FOMC)で、景気回復の継続を指摘したほ か、6000億ドルの国債購入プログラムを維持する方針を表明したこと が手掛かり。

10年債と2年債の利回り格差は4月以降で最大となった。オバマ 大統領が同意した減税延長の法案が議会で可決されるとの見方から、 成長下支えとインフレ加速につながるとの観測が広がった。朝方発さ れた11月の米小売売上高は予想を上回り、生産者物価指数は8カ月ぶ りの大幅な伸びとなった。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) の債券ストラテジスト、アンソニー・クレセンツィ氏は、「FRBは 何も変えていない」と指摘。「債券市場はリスク選好の低下などの恩 恵を受けつつある。トレンドはこれまで通りだ」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時11分現在、30年債利回りは前日比9ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の4.50%。同年債(表面利率4.25%、 2040年11月償還)価格は1 1/2下げて95 27/32。利回りは一時

4.56%と、5月3日以来の高水準を付けた。

10年債利回りは一時22bp上昇し3.49%と、5月18日以来の 高水準を付けた。2年債利回りは5bp上げて0.63%。

イールドカーブ

10年債と2年債の利回り格差は13bp拡大し282bpと、4月 7日以降で最大。イールドカーブ(利回り曲線)は、エコノミストら のグループがFRBに量的緩和の再考を促した11月15日以降で最も 大幅なスティープ化となった。

今回のFOMCでは、来年6月にかけて6000億ドルの国債を購 入する方針を維持し、購入規模を拡大しなかったことから、一部の投 資家の間では失望感が広がった。

バーナンキFRB議長は5日放送されたCBSの報道番組「60ミ ニッツ」のインタビューで、国債購入を予定額よりも拡大する「可能 性があることは確かだ」と述べた。また拡大は、「国債購入プログラ ムの効果」とインフレや経済の見通し次第だと説明した。

グリーチャーのマネジングディレクター兼金利取引共同責任者、 ラス・サート氏は、「投資家はFRBとその量的緩和の当初の目的、 コミュニケーションに満足していた。今はこれまでの経過を見直し、 量的緩和に関連し得る事柄について考える必要がある」と指摘。「国 債購入規模の拡大に向けた若干のリップサービスを期待していた投資 家もいたが、それは実現しなかった。よって、そうした層では失望感 が広がった」と述べた。

FOMC声明

FOMC声明では、「経済の回復は継続しているものの、そのペ ースは失業を減少させるには不十分」と指摘。また、「家計支出は緩 やかなペースで伸びつつあるが、高い失業と所得の伸び悩み、住宅資 産の減少、厳格な信用条件によって依然抑制されている」とした。

30年債は、FOMCが追加の国債購入を発表した11月3日には 下落。追加購入計画に含まれる30年債の買い入れ規模が予想を下回っ たことが背景にあった。また、FRBの政策がインフレを誘発すると の見方も相場を押し下げた。

米商務省が発表した11月の小売売上高(速報値)は季節調整済み で前月比0.8%増となった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト予想の中央値では0.6%増だった。これを材料に米国債相 場は朝方から下落していた。

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