FOMC:国債購入規模を堅持-景気弱く、物価下振れ

米連邦準備制度理事会(FR B)は14日の連邦公開市場委員会(FOMC)終了後に声明を発 表し、来年6月にかけて6000億ドルの国債を購入する方針を堅持 した。

FOMCは国債購入の狙いについて、「残念ながら遅い」景気回 復を促進し、「長期的に物価を安定させる」ことだと説明。政策金利 を「長期にわたり」低位にとどめる方針をあらためて示した。

現在の金融政策は過去30年で最も批判が強いが、バーナンキ FRB議長は、26年ぶりの高水準で高止まりする失業率の低下に向 け、非伝統的な手段を維持した。

製造業活動や小売売上高の改善、インフレ期待の上昇は資産購入 が景気浮揚の一助となっている可能性を示唆している。量的緩和がド ル安につながるとの批判があったが、最近はドルが堅調に推移してい る。

FRBの元金融政策局長、ビンセント・ラインハート氏はFOM Cが声明内容をほとんど変えなかったことについて、当局が購入プロ グラムの完了あるいは拡大に意欲的であると、投資家が確信しない恐 れがあると指摘した。

声明は「景気の回復は継続しているものの、そのペースは失業 を減少させるには不十分である」と記述。「家計支出は緩やかなペ ースで伸びつつあるが、高い失業と所得の伸び悩み、住宅資産の減 少、厳格な信用条件によって依然抑制されている」と続けている。

ゼロ金利導入から2年

政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標に ついては、ゼロから0.25%のレンジにとどめた。事実上のゼロ金 利政策の導入以来、2年が経過した。ブルームバーグが2-8日に 実施したエコノミスト調査(予測の中間値)によると、FOMCは 2012年第1四半期まで利上げを実施しないと予想されている。

ジェフリーズのチーフ金融エコノミスト(ニューヨーク在勤)、 ウォード・マッカーシー氏は「当局は緩和的な政策をなお堅持してい る」と語った。

マイク・ペンス下院議員(インディアナ州)ら共和党議員の中に はFRBの二大責務の1つである最大限の雇用確保を削除し、物価安 定だけに注力させることを望む声もある。

声明は「基調的なインフレを示す指標の低下傾向は続いている」 とした。

ホーニグ総裁

カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は8会合連続で反対票 を投じた。同総裁は「高い水準の金融緩和が続くことで」、最終的 に「経済を不安定にしかねない」との反対理由をあらためて示した。 1年間に反対票を投じた回数としては1980年のウォリック理事と 並んだ。

11月3日の声明によれば、住宅ローン担保証券の償還元本の 再投資分も含めると、6月までの購入規模は総額8500億-9000 億ドルとなり、月に1100億ドル前後となる。FOMCは資産購入 プログラムを定期的に見直し、必要に応じてプログラムを調整する 考えをあらためて表明した。

量的緩和第2弾が始まった11月12日以降、ニューヨーク連 銀は1141億ドル相当の米国債を購入している。2010年3月まで の第1弾では1兆7000億ドル相当の住宅ローン担保証券と国債を 購入した。

「量的緩和の正当化」

元FRBエコノミストで、ネーションワイド・ミューチュアル・ インシュアランスのシニア・バイスプレジデント、ポール・バルー氏 は「声明の全体的なトーンは量的緩和第2弾の正当化だ」と発言。 「来年も景気回復の勢いが続くようだと、当局は予定よりも早急に出 口戦略に軸足を移す必要が生じるかもしれない」と話した。

ブルームバーグが今月7-8日に実施した調査ではアナリス ト39人のうち38人が購入規模の据え置きを予想していた。37人 のうち8人は6月までの購入規模6000億ドルをいずれ拡大させる と予想。一方、2人は縮小させるとの見通しを示していた。

景気回復兆候と追加の財政出動見通しで米国債は最近、下落基調 にある。前回会合があった11月3日に2.57%だった10年債利回 りは今月13日には3.28%に上昇。同期間にS&P500種は

3.6%上昇し、主要6通貨バスケットに対するドル指数は3.8%上げ ている。

通常の5年債とインフレ連動国債(TIPS)5年物の利回り差 が示すインフレ期待は、11月3日の1.47%から今月13日には

1.58%に上昇している。

リセッション(景気後退)脱却から6四半期目を迎え、景気回復 に力強さが増していることを示すデータもある。この日発表された 11月の小売売上高は市場予想を上回った。米供給管理協会(ISM) が1日発表した11月の製造業景気指数は16カ月連続で活動拡大を 示し、12月の消費者マインド指数は6カ月ぶりの高水準となった。

一方、雇用市場は低迷したままだ。11月の非農業部門雇用者数 は前月比3万9000人増にとどまり、失業率は9.8%に上昇した。

FOMCは「失業率は高い水準にあり、基調的なインフレを示す 指標は、FRBが責務とする最大限の雇用確保と物価安定の促進に長 期的に一致していると委員会が考える水準に比べて、やや低い」との 11月の文言を維持した。

オバマ大統領と共和党の間で妥協が成立した8580億ドル(約 72兆円)規模の減税延長法案は今週、上院で最終採決にかけられる 見通しだ。JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、 マイケル・フェロリ氏は先週、減税延長を理由に6000億ドルの購入 プログラムが拡大される可能性が後退するかもしれないと指摘した。

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