ECB:資本増強要請を検討、国債購入損失に備え-当局者

欧州中央銀行(ECB)は、 ユーロ圏の各国政府に対し、同中銀の資本増強を要請することを検 討している。国債購入によって生じ得る損失に備えるためだという。 ユーロ圏の中銀の当局者が明らかにした。

ECBのウェブサイトによると、同中銀の募入資本は58億ユ ーロ(約6500億円)。資本増強を要請するかどうかはまだ決定さ れておらず、この問題は16日に政策委員会が会合を持つ際に協議さ れる公算だという。当局者が匿名を条件に述べた。また、ECBが 増資を要請した場合、ドイツは前向きに受け止める見込みだと、政 府当局者が述べた。

増資の議論が出ることは、ECBが域内財政難国の国債購入に より損失が生じる懸念を抱いていることを示唆する。政策委メンバ ーのウェーバー・ドイツ連邦銀行総裁は5月のプログラム開始時か ら購入に反対の姿勢を示している。資本増強を域内政府に求めれば、 ECBの独立性が損なわれるリスクがある。

ウニクレディトのユーロ圏担当チーフエコノミスト、マルコ・ バリ氏は「ECBの増資の可能性と市場で起こっていることの関係 を見ると、ECBがドイツ国債よりも高リスクの格付け『トリプル A』ではない国債を購入していることは明らかだ」と話した。

ECBの報道官はコメントを控えた。ECBの増資可能性につ いては、ロイター通信が13日遅くに報じていた。

ECBのウェブサイトによると、増資の場合の資本注入は各国 の中銀を通して行われる。拠出規模は人口と国内総生産(GDP) が欧州連合(EU)内で占める割合に基づいて決まるという。拠出 比率が最大なのはドイツ連銀で18.9%。フランスとイタリアが

14.2%と12.5%で続く。イングランド銀(英中銀)などユーロ圏 以外のEU加盟国の中銀は7%を拠出している。

ECB当局者らは域内債務危機で同中銀への負担が大きいこと を懸念し、各国政府の取り組み強化を求めている。トリシェ総裁は 13日遅くに、各国首脳は域内救済基金の規模や用途の拡大を検討す るべきだと発言した。

また、政策委メンバーのノボトニー・オーストリア中銀総裁は 10日に「欧州の中銀システム内でリスクが増していることは明らか だ。多種の通常外のリスクを背負わなければならないからだ」とし て、「システム全体で、中銀の資本ベースを強化する必要があるだ ろう」と述べていた。

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