証券優遇税制は2年延長し13年末廃止で決着-税制改正

野田佳彦財務相と自見庄三郎金融・ 郵政担当相は14日夕、会談し、2011年末に期限を迎える、株式譲渡 益と配当にかかる軽減税率(10%)を2年延長し、13年末に廃止する ことで合意した。11年度税制改正大綱に明記する。会談後、自見金融 相が財務省内で記者団に対し明らかにした。

自見金融相は「財務相に今の経済状態をご理解いただき、2年間 延長することで合意した」と語った。小口の個人投資家向けの少額株 式投資の非課税制度(日本版ISA)については、14年に税率を本則 (20%)に戻す際に導入する。一方で、軽減税率の廃止は「その時の 経済情勢次第」と述べ、再延長に含みを持たせた。

財務省は当初、株式譲渡益と配当にかかる軽減税率を12年から廃 止、金融所得課税の一体化を進め、損益通算の範囲を拡大する方針だ った。これに対し、金融庁は軽減税率の早期廃止は株価に悪影響を及 ぼし、景気の下振れに拍車を掛けるほか、金融機関のシステム変更に 時間がかかるとし、2、3年間の延長を要望していた。

財務省は今月10日、①軽減税率を予定通り11年末に廃止し、12 年から導入する日本版ISAを当初計画から拡充する②軽減税率を1 年延長し12年末に廃止する替わりに、13年から導入する日本版IS Aは拡充しない-の2案を提示。金融庁はいずれも受け入れない考え を示し、この日の大臣折衝にもつれ込んだ。

野田財務相は同日午後に開かれた1回目の自見金融相との会談で 軽減税率の1年延長を強く主張。金融相は2年延長を譲らず、協議は いったん物別れとなったが、景気への悪影響を強調した金融相の「粘 り勝ち」という格好で決着がついた。

証券優遇税制は民間金融機関の不良債権処理問題を背景に、03年 に5年間の特例措置として導入された。その後も、米国のサブプライ ムローン問題やその後のリーマン・ショックによる金融不安を受け、 08年に1年間、09年に3年間延長された経緯がある。

日本版ISAは3年間の暫定措置。金融機関に個人非課税口座を 創設し、年間投資額100万円を上限に非課税とする方向だ。開設対象 者は20歳以上の国内居住者で、年間1人1口座に限定する。