アイルランドを手本としてきたエストニア、来年1月にユーロ導入

来年1月1日にユーロを導入する エストニアだが、ユーロ圏でのソブリン債危機にもかかわらず、期待 は高まっている。政治家も企業経営者、そして消費者もユーロ導入に よってリスクが減ることに賭けている。

リギ財務相は電子メールで、「われわれは外洋船につながれた小さ なボートで海に出ているようなものだ。嵐の中では乗船していた方が 快適だろう」とコメントした。

ユーロ圏諸国がギリシャとアイルランドの救済を余儀なくされた こともあり、チェコやポーランドといった国ではユーロの採用に慎重 な見方が広がった。だが、エストニアは違う。政府が危機への懸念を 和らげるキャンペーンを展開していることもあり、ユーロ導入への支 持は11月に54%と、前月の49%から上昇した。

スレッドニードル・アセット・マネジメントのロンドン在勤スト ラテジスト、アグネス・ベレシュ氏は、「ユーロ圏がもたらすのはリス クの共有だ。何人も兄貴を持つのは明白な利点だ」と話す。

旧ソ連を構成する共和国だったエストニアは、ユーロ圏の危機発 生後、ユーロを導入する最初の国となる。人口わずか130万人のこの 国はすでにユーロ建ての融資と貿易決済に依存しており、為替リスク の軽減に期待が集まる。

エストニアは、外国からの投資を国内成長のけん引力としてきた アイルランドを手本としてきた。エストニアは2000年、再投資の利益 に対する法人所得税を廃止し、スウェーデンやフィンランドの企業を 銀行や通信、エレクトロニクス業界に呼び込んできた。

最貧国

アイルランドは1973年、欧州連合(EU)の前身である欧州共同 体(EC)に加盟。当時は欧州の最貧国の一つだったが、90年代には わずか12.5%という法人税率に引かれ米製薬会社ファイザーやソフ トウエア最大手の米マイクロソフトなど外国企業が拠点を置いた。輸 出主導で2006年までの10年間に平均で年間約7%成長を果たしたア イルランドは「ケルトの虎」と呼ばれまでになった。

エストニアは1995-2007年に平均7.2%の経済成長率を達成。北 欧の金融機関が勢力を強め、その影響力は金融業界の90%以上を占め る。財政赤字の対国内総生産(GDP)比はEUの規定である3%以 内に維持し続けている。例外は1999年だけだ。

こうした財政規律がエストニアの公的債務水準をEU加盟国で最 も小さく抑えている。EUの行政執行機関、欧州委員会の試算では、 今年は対GDP比で8%にすぎない。景気と与信の拡大で不動産バブ ルに踊ったアイルランドの債務は対GDP比97%まで膨らんだ。

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