ポルトガル危機脱せず、年明け後に再燃も-ECB国債購入に依存続く

【記者:Anchalee Worrachate】

12月14日(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)による国 債購入のおかげでポルトガルとアイルランドの国債は今月、他のユー ロ圏諸国の国債をしのぐリターンを確保した。しかし、ポルトガルが 欧州連合(EU)などへの支援要請に次に追い込まれる国になるはず とドイツ銀行はなお予想している。

アイルランド国債の11月末以後のリターンはプラス6.9%で、 年初来のリターンもマイナス10.3%に改善された。ポルトガルのリタ ーンはプラス3.7%とイタリアの1.04%、スペインの1%を上回る。 ブルームバーグと欧州金融アナリスト協会連合会のデータによれば、 トリプルA格付けのドイツとフランスの国債リターンはマイナスだっ た。

ドイツ銀行の債券ストラテジスト、モヒト・クマール氏(ロンド ン在勤)は「アイルランドとポルトガルの国債のアウトパフォーマン スは、伝えられるECBによる積極的な購入にまさに依存している公 算が大きい」と説明。「スプレッドの改善が転換点を示唆するとは考 えていない。特にポルトガルをめぐる債務危機の大勢は変わらない」 と話す。

事情に詳しい複数のトレーダーが取引の秘密を理由に匿名で語っ たところでは、ECBは債務危機の影響拡大を抑えるため、アイルラ ンドとポルトガル、ギリシャの国債の買い入れペースを加速させてい る。ECBが13日発表した先週の国債購入額は少なくとも26億 6700万ユーロ(約2980億円)と、前週比36%急増した。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、マルセル・ブロス氏(フラ ンクフルト在勤)は「スプレッドの大局的な情勢について、危険を脱 したとは考えていない」とした上で、「来年1-3月(第1四半期) 後半と4-6月(第2四半期)初めに新たな危機が始まる」と予想す る。

一方、クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベス トメント・バンクの債券ストラテジスト、ピーター・チャットウェル 氏は「ECBの国債購入は極めて流動性の低い市場で行われているた め、今のところスプレッドに強力なインパクトを与えている」と指摘。 「年が明けて流動性が通常の水準に戻った段階でECBがどうするか に市場は注目するだろう。センチメントの好転には信頼に足る長期的 な解決策が必要だ」と述べている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE