ドル・円は83円台前半、FOMC控えこう着感増す-値幅19銭

東京外国為替市場では、ドル・ 円相場が1ドル=83円台前半を中心に、ドルが前日の高値84円35銭 から水準を引き下げて取引された。この日の米国時間には連邦公開市場 委員会(FOMC)を控え、量的緩和策の行方を見極めたいとの意向か ら、徐々にこう着感が強まる相場展開となった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の久保信明バイスプレ ジデントは、米金利がある程度の水準を維持すれば、「ドルにとっては 好材料になる」としながらも、米債相場の上下動には達成感が生じてい る面もあるとして、目先は「相場の軸」が見当たらない状況になってい ると説明。FOMCを控えた東京市場では、手掛かり材料難から、ド ル・円は狭いレンジ内での取引にならざるを得ないとみている。

この日のドル・円相場は83円37銭をドルの下値に83円56銭ま で値を戻す場面も見られたが、午前の値幅は19銭にとどまり、午後に かけては83円45-48銭を中心に一段とこう着感が増す格好となった。 午後3時33分現在は83円45銭で推移している。ユーロ・ドル相場も こう着しており、同時刻現在は1ユーロ=1.34ドル程度。

前回11月のFOMC会合では、6000億ドルの国債を来年6月に かけて追加購入する方針が示されたが、バーナンキ議長は今月5日に放 送された米CBSの番組で、国債購入を予定額よりも拡大する「可能性 があることは確かだ」と発言。それは「同プログラムの効果」とインフ レや経済の見通しに左右されると述べている。

米金利動向を見極め

前日の米国債市場では、10年債利回りが3.39%と、6月3日以来 の高水準を付けたあと、3.2%台まで低下。米金利の低下を受けて、ド ル・円相場は海外市場で一時83円11銭と、4営業日ぶりの水準まで ドルが下落する場面も見られた。

みずほ証券のグローバルエコノミスト林秀毅氏は目先は米長期金利 の上昇が一服しているものの、依然として先高観が残る中で、FOMC では「長期金利を低位安定化させるための文言が含まれる可能性もある 」と指摘。FOMCの結果を受けて、金利の上昇が一段と抑えられた場 合は、ドルの下押し圧力につながるため、東京市場では「模様眺め」 の相場展開に陥っていると説明している。

また、この日の米国時間には、11月の小売売上高や生産者物価指 数(PPI)などの経済指標も発表される。

半面、先週末には中国人民銀行(中央銀行)が市中銀行の預金準備 率引き上げを発表した。市場では、インフレ抑制に向けて人民銀が利上 げに踏み切るとの観測が広がっていたため、利上げが見送られたことで リスク資産向け投資の動きが見られ、週明け13日のアジア市場では中 国株が上昇。この日も底堅い展開となっている。

さらに、原油や金などの商品市況も堅調に推移していることから、 オーストラリア・ドルを中心に資源国通貨買いにつながっている面もあ る。クレディ・スイス証券外国為替調査部の深谷幸司チーフ通貨ストラ テジストは、中国の金融引き締めについては「それほど思い切りブレー キを踏むわけでもない」とし、リスク選好のムードが続くなか、「クロ ス・円(ドル以外の通貨の対円相場)はしっかりで、円高というのはあ まりない」とみている。

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