TOPIX半年ぶり900回復、石油高い-税制にらみ証券も

日本株相場は小幅に続伸し、TO PIXが終値でおよそ半年ぶりに900ポイントを回復した。中国の利 上げ見送りを受けた原油など国際商品市況の上昇が好感され、鉱業や 石油・石炭製品株が高い。証券優遇税制の延長の可能性が浮上し、証 券株の上げも目立った。

ただ、テクニカル指標などから見た高値警戒感が依然漂う上、き ょう開催される米国の連邦公開市場委員会(FOMC)後の海外株式 や為替動向を見極めたいとの姿勢も強く、上値は限定的だった。日経 平均株価の終値は前日比22円88銭(0.2%)高の1万316円77銭、 TOPIXは同4.49ポイント(0.5%)高の901.89。東証1部33業 種は27業種が上昇、下落は6。

ちばぎんアセットマネジメントの安藤富士男顧問は、「取引開始前 の外資系証券経由の売買動向を見ると、外国人投資家の買いが増えて いる。投資資金の流れは新興国から日本株に戻っているようだ」と指 摘した。ただ、日本株は直近でかなり上昇してきたため、「ここから先 を買うことは難しいだろう」との見方も示している。

足元の日本株相場は、少しずつ上値を切り上げている。この日は 小幅反落して始まったが、すぐに切り返す動きを見せ、TOPIXは 6月21日以来の900ポイントを回復して終えた。高値警戒感が漂う中、 日経平均の値幅は51円程度とこう着したが、東証1部の値上がり銘柄 数は1150と、全体の6割を超えた。売買高は23億8616万株に達し、 前日までの過去1年間の1日平均19億3179万株を大きく上回る。

海外勢買い観測、市況高好感

取引開始前の外資系証券経由の買い越しは、市場推計で12営業日 連続。ことし3月4日から26日まで、16営業日連続以来の長期記録 だ。明和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリストによれば、「日 本株を売って来た外国人投資家は持たざるリスクを意識し始めている。 米国のQE2(量的緩和第2弾)以降、米債の金利が上昇し、株に資 金が戻って来ている」と言う。

東証33業種の値上がり率上位には鉱業や石油・石炭製品が並んだ。 前日のニューヨーク商業取引所の原油先物は前日比0.9%高のバレル 当たり88.61ドル。中国の金融引き締め懸念から直近には下落する場 面もあっただけに、中国が利上げを行わなかったことで買い安心感が 広がった格好で、石油関連企業に好影響が及ぶと見られた。

証券上昇は盛り上がり象徴、不動産堅調

このほか、廃止が検討されていた証券優遇税制の延長の可能性が 伝わり、証券株の上昇が目立った。政府税制調査会は2011年度税制改 正の焦点の1つとなっている証券優遇税制について、同年末に迎える 軽減税率(10%)の期限を1年間延長する方向で検討に入った。複数 の政府関係者がブルームバーグに対し明らかにした。野村ホールディ ングスは上昇し、東証1部の売買代金トップ。

ちばぎんアセットマネジメントの安藤氏は、証券株について「売 買高が増え、東証1部市場の時価総額は300兆円を超えて来た。株式 相場の盛り上がりを象徴している」と話していた。

このほか、不動産株も上昇。政府税調は13日、11年度税制改正 で所得税の給与所得控除と成年扶養控除を縮小することを了承、高所 得者や富裕層に負担増を求める方向性を示した。ドイツ証券では13 日の投資家向けメモで、高所得者は節税として不動産投資を加速させ る可能性が高いとし、不動産需要の高まりを予測している。

ただ、FOMCの開催を控え、シカゴ24時間電子取引システム(G LOBEX)のS&P500種先物は基準価格比マイナスで推移。米金 融政策、株式や為替動向を見極めたいとし、上値を買いにくい状況に はあった。このため、株価指数の上げ幅は小幅で、業種別ではゴム製 品や食品、パルプ・紙、情報・通信などが安かった。

福井コンピやカネカ高い、超低位銘柄は下げ

個別では、発行済み株式総数13.5%相当の自己株について、2011 年1月31日に消却すると福井コンピュータが需給好転期待で急伸。有 機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)を使った照明事業に乗り出す、 と14日付の日本経済新聞朝刊が報じたカネカは10連騰となった。

世界的なストレージ製品大手のEMCコーポレーションとの関係 強化などを図り、28日付でEMCを対象に自己株式2000株を売却す るネットワンシステムズは、連携強化期待で上昇。クレディ・スイス 証券が投資判断を「強気」に上げたNTN、大和証券キャピタル・マ ーケッツが「アウトパフォーム」に上げた日本テレビ放送網も高い。

半面、短期資金の逃げ足の速さを映し、山水電気やシルバー精工、 C&Iホールディングス、NISグループ、井筒屋、サクラダ、旭テ ック、日本コロムビアなど株価1けた、2けた銘柄が東証1部の下落 率上位に並んだ。

マザーズ指数も6月来高値

国内新興市場は、東証マザーズ指数が前日比2.3%高の418.73と 6月16日以来の高値を更新。一方、ジャスダック指数は同0.1%安の

51.46と小幅反落した。個別では、米アップルのタブレットPC「ア イ・パッド」向けにアプリケーションのダウンロードサービスを開始 したシステム・テクノロジー・アイ、株式公開買い付け(TOB)価 格を引き上げた幻冬舎が上昇。丸紅傘下のファンドがTOBを行うゴ ールドパックはストップ高となった。半面、トランスジェニック、そ ーせいグループなどバイオ関連の一角が安い。

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