債券反発、米金利高一服や20年入札通過が支え-FOMC前の買い慎重

債券相場は反発。米国で長期金 利の上昇が一服したことなどが材料視され、先物には前日の相場急落の 反動買いが優勢となった。20年債入札でも無難な結果が示されたもの の、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前にして、新規の買いは慎重 だった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、先物市場において売り方から買い戻しが入り、20年債の入札 も無事に通過するなど相場好転の兆しはうかがえたとしながらも、米国 のイベントを控えて追随的に買う動きは出てこなかったと話した。

東京先物市場の中心限月の3月物は前日比29銭高い139円24銭 で始まり、いったんは51銭高の139円46銭まで上昇した。その後は 139円20銭を挟む水準でのもみ合いが続き、午後に売りが優勢となる と一時は138円96銭まで伸び悩んだ。しかし、引けにかけては再び買 いが優勢となり、結局は20銭高の139円15銭で取引を終えた。

先物3月物は13日午後に138円75銭まで下落して、中心限月と して8カ月ぶり安値圏に到達した。しかし、その後の米国市場では米 10年債利回りが一時6月3日以来の高い水準となる3.39%まで上昇し たが、午後には買いが優勢となって3.28%付近に低下。ニューヨーク 外国為替相場は1ドル=83円台前半まで円高傾向となり、国内債市場 はきのうの急落の反動もあって先物買いが優勢の展開となった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、20年債入札では無難な結果が示されて市場の懸念がいったん は緩和したと言い、米金利の動向など外部環境もやや改善する中、さす がにきょうの相場は落ち着きを取り戻したとの見方を示した。

もっとも、20年債の入札が市場の懸念に反して無事に通過した割 に、午後の取引で買い意欲は盛り上がらなかった。東京時間の今晩にF OMCが開催されるため、現物市場では買い一巡後に様子見姿勢が強ま ったもよう。大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、米金利低下や20年債 の入札順調などが支えとなったものの、FOMC前にあたって買い進む だけの余力は感じられなかったとも言う。

10年債利回りは1.245%

現物市場で新発10年物の312回債利回りは、前日比2ベーシス ポイント(bp)低い1.22%で始まった。直後には1.215%まで低下す る場面があったが、この水準では売りが先行して1.235-1.245%での 推移となった。さらに、午後2時過ぎには1.5bp高の1.255%まで上 昇したものの、その後は再び1.245%に戻している。

312回債利回りは9日午後には1.27%まで上昇して、新発10年 債として6月4日以来の高い水準を記録した。その後は1.1%台後半か ら1.2%台半ばの水準で乱高下が続いているが、この日は米国の金利上 昇が一服したことに伴う安心感から買い優勢の展開となった。

中期ゾーンでは買いが優勢。5年物の93回債利回りは前日には

0.59%まで上振れて、新発5年債利回りとしては約1年ぶりの高水準 を付けたが、この日の午後には0.535%まで低下した。ドイツ証券の 山下周チーフ金利ストラテジストは日本銀行の利上げが当面見込めない ことを考えると、5年債は投資家にとって魅力が増していると言い、国 債大量償還などを踏まえると需給が好転する余地があるとみていた。

20年債入札は無難な結果に

20年債の入札では無難な結果が示された。11月後半以降に実施 された国債入札が軒並み低調だったため、市場では今回の20年債入札 に関しても苦戦が見込まれていたが、大和住銀投信投資顧問の伊藤氏に よると生命保険会社から買いが入ったほか、一部の投資家からは10年 ゾーンなどからの入れ替え目的の需要がみられたと言う。

三菱UFJモルガン・スタンレー証の稲留氏は、FOMC前とい うこともあって積極的な買いが入った感じではないとしながらも、金利 の絶対水準が上がったことや利回り曲線上で割安化したことがいったん は評価されたことが、事前予想以上の結果につながったと話した。

20年物の123回債(12月発行)の入札結果によると、最低落札 価格は100円25銭となり、平均落札価格は100円37銭だった。最低 価格は市場予想の100円20銭を上回り、最低と平均価格の差であるテ ールは前回債の26銭から12銭に縮小。応札倍率は2.54倍から3.52 倍に上昇した。

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