12月13日の海外株式・債券・為替・商品市場(Update2)

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル下落、米国債利回り低下で-成長国通貨高い

ニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要16通貨の大半に対 して下落。米国債の利回りが低下するなか、ドル建て資産の需要が減 退した。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合を14日に控え、ユー ロは上げ幅を拡大。米10年債利回りが年初来で最大の上昇となった 先週に建てたドルの持ち高を解消する動きが広がった。米ドルはオー ストラリア・ドルに対して3営業日続落、カナダ・ドルに対しては4 営業日続落となった。商品の値上がりが背景。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替ストラテジスト、マー ク・マコーミック氏(ニューヨーク在勤)は、「FOMCは明日、大 規模な資産購入プログラムを継続すると再び表明するだろう。だから、 国債を大量に売り過ぎるのは控えた方がよさそうだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時16分現在、ドルはユーロに対して前 営業日比1.3%安の1ユーロ=1.3391ドル(前営業日は1.3226 ドル)。ドルは円に対して0.6%安の1ドル=83円43銭(同83 円95銭)。

米10年債利回りは前週末比4ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の3.28%と、6カ月ぶり高水準から下げた。

みずほフィナンシャルグループのシニア為替トレーダー、柳原秀 敏氏(ニューヨーク在勤)は、10日までの1週間に米国債利回りが 上昇したことから、対主要通貨でのドル・ロング(買い持ち)を建て る動きが活発になったが、この日は既存取引の解消が広がったためド ルの下落につながったと述べた。

見通し「ネガティブ」

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは米減税延 長について、これを相殺する措置が法制化されない限り、米国に付与 している「Aaa」格付けの見通しが今後2年間に「ネガティブ」に 指定される確率が高まると指摘した。

ムーディーズの上級クレジットオフィサー、スティーブン・ヘス 氏は13日付リポートで、減税措置延長は向こう2年間の経済成長を 支える可能性が高い一方、連邦政府の財政赤字および債務水準には悪 影響を及ぼす」と記述した。

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は0.9%安。同指数は一時79.101と、3日以来の安値を 付けた。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は5日放送され た米CBSの番組で、国債購入を予定額よりも拡大する「可能性があ ることは確かだ」と発言。それは「同プログラムの効果」とインフレ や経済の見通しに左右されると述べた。

欧州通貨

欧州の通貨はドルに対して上昇。特に、スイス・フランとノルウ ェー・クローネの上げが目立った。欧州中央銀行(ECB)は先週、 国債購入の規模を拡大し、購入額は過去23週間で最大となった。

ECBは先週に26億6700万ユーロ(約2980億円)相当の 国債購入を完了したことをこの日明らかにした。その前の週の決済額 は19億6500万ユーロだった。ECBは2日、市中銀行への無制 限流動性供給を2011年1-3月(第1四半期)いっぱい継続する と表明している。

商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数が

1.2%上昇するなか、オーストラリア・ドルは米ドルに対して値上が りした。

豪ドルは米ドルに対して1%高。カナダ・ドルは対米ドルで

0.1%値上がりし、月初来の上げ幅は1.9%に拡大した。

EU首脳会議

欧州では域内の債務危機の克服方法で各国政府の間での対立が深 まっているにもかかわらず、ユーロはこの日、大半の主要通貨に対し て上昇。欧州連合(EU)は16、17の両日に首脳会議を開く。イ タリアとベルギー、ルクセンブルクはユーロ圏共同債の構想を支持し ている一方、ドイツやフランスは反対を表明している。

◎米国株:上げ失う、消費関連株が安い-フリーポートは上昇

米株式相場は取引終了前1時間で上げ幅をほぼ失った。14日に 開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒感が背景だ。

S&P500種株価指数では消費関連株が下落。朝方は、中国に よる政策金利引き上げ見送りを好感し、買いが膨らんだ場面もあった。 百貨店のJCペニーは下落。衣料品のアーバン・アウトフィッターズ も安い。データストレージ(外部記憶装置)サービスを手掛ける米コ ンペレント・テクノロジーズは、米デルによる買収(9億6000万 ドル)が嫌気され、値下がりした。一方、資源のフリーポート・マク モラン・カッパー・アンド・ゴールドは、金属相場の値上がりを手が かりに上昇した。

米証券取引所全体の騰落比率は約3対4。S&P500種株価指 数は前営業日比0.06ポイント上げて1240.46。ダウ工業株30種 平均は18.24ドル(0.2%)上昇し11428.56ドル。

バークレイズの株式戦略責任者バリー・ナップ氏(ニューヨーク 在勤)は取引終了間際の下げについて「米上院での減税延長法案をめ ぐる投票が理由だとみている」と述べ、「立会場は非常に静かだった」 と続けた。

この日の減税延長法案を採決に持ち込む動議では、可決に必要な 票が確保されたことが引け後に明らかになった。

S&P500種のパフォーマンス

S&P500種株価指数は7月2日から今月10日までに21%値 上がりした。連邦準備準備制度理事会(FRB)の追加量的緩和策や S&P500種採用企業で第3四半期決算企業を発表した企業のうち、 アナリスト予想を上回ったのが70%以上だったのが好感された。

グリーンウッド・キャピタルのウォルター・トッド共同最高投資 責任者(CIO)は「市場はおそらく、FRBがどのような決断を下 すのか、市場参加者の見通しがまだ定かではないことを示している」 と述べた。

S&P500種の消費者サービス株価指数は産業別10指数の中 で0.5%安と下落率最大だった。JCペニーは3.3%安、アーバ ン・アウトフィッターズは2.8%下落した。

この日の株式相場は、中国による政策金利引き上げ見送りを手が かりに、一時0.5%高まで買い進まれる場面もあった。

コンペレントは2.5%安。デルは1株当たり27.75ドルでコ ンペレントの買収に合意した。デルは3.9%安。S&P500種テク ノロジー株価指数は0.3%下落と、下落率で2位だった。

フリーポートは銅相場の値上がりを背景に2.4%上昇。石油の シェブロンを中心にS&P500種エネルギー株が値上がりした。ニ ューヨークの原油先物相場がバレル当たりで88ドルを上回ったほか、 米複合大手ゼネラル・エレクトリック(GE)がブラジルを中心に展 開する油田関連サービス会社、英ウェルストリーム・ホールディング スを買収したのが好感された。

◎米国債:上昇、高利回りで投資妙味強まる-赤字懸念が緩和

米国債相場は上昇。10年債利回りが半年ぶり高水準付近にあり、 投資家を引き寄せた。

米連邦地裁判事が医療保険改革法での加入義務付けに違憲の判断 を示し、政府が赤字抑制に苦慮するとの懸念が和らいだことも手掛か り。量的緩和プログラムの下でニューヨーク連銀が実施した米国債の 買い入れでは、応札額が減少。これも材料に国債は買い進まれた。

ジェフリーズ・グループのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、 ジョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は「利回りは3カ月前より も魅力的になっている」と指摘。「米国債に積極的でなかった投資家 にとって、利回りが今後上昇しないとみているのであれば、参入する 状況としては格段に改善している」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時11分現在、10年債利回りは前週末比3ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)低下し3.29%。同年債(表面利率

2.625%、2020年11月償還)価格は9/32上げて94 13/32。

利回りは一時、7bp上昇の3.39%と、6月3日以来の高水準 を付けた。オバマ大統領が同意した減税措置延長が議会を通過すると の見方が背景にある。

減税措置の延長

米国債相場は先週大きく下落。10年債利回りは31bp上げた。 オバマ米大統領が減税措置の延長で議会と同意したことが背景。週間 ベースでの利回り上昇幅は、37bp上げた09年8月7日終了週以 降で最大。

FRBが14日開催する連邦公開市場委員会(FOMC)では、 国債購入規模の拡大について、予断を持たずに対処する姿勢を示す可 能性がある。バーナンキFRB議長は、5日放送のCBSの報道番組 「60ミニッツ」のインタビューで、国債購入を予定額よりも拡大す る「可能性があることは確かだ」と述べた。

ニューヨーク連銀はこの日、2016年6月から17年11月に償 還を迎える米国債77億9000万ドルを買い入れた。プライマリー ディーラー(政府証券公認ディーラー)が差し出した額は182億 6800万ドルだった。同じ償還期限の国債を買い入れた9日は、応札 額は331億2600万ドルだった。

医療保険改革法

バージニア州リッチモンドの連邦地裁のヘンリー・ハドソン判事 は、オバマ政権の医療保険改革法は個人に保険購入を強制するとして 違憲との判断を示した。同法での加入義務付けは、各州間での通商を 規制する議会の権限を越えていると指摘している。

ただ、メディケイド(低所得者向け医療保険制度)の拡大などほ かの条項については判断を示さなかった。

2年債利回りは4bp低下し0.60%。一時6bp上昇の

0.69%と、6月23日以来の高水準を付けた。10年債と2年債の 利回り格差は2.68ポイント。一時は2.73ポイントと、4月30 日以降で最大となった。

◎NY金:反発、中国の利上げ見送りを好感-終値1398ドル

ニューヨーク金先物相場は反発。中国が利上げを見送ったため、 需要が高まった。

前週は中国が週末に利上げを実施するとの観測から、原材料の消 費が減退するとの思惑で商品相場が全般的に下げていた。金は7日に 1オンス=1432.50ドルと最高値を更新、年初来では28%上昇し ている。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)の ヘッドディーラー、フランク・マギー氏は、「利上げが織り込まれて いたが、実施されなかった。そのため、産業用金属に引っ張られる格 好で金相場は上昇した」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前営業日比13.10ドル(0.9%)高の1398ドルで終了し た。

◎NY原油:上昇、中国の利上げ見送りで-製油稼働率も買い材料

ニューヨーク原油先物相場は上昇。中国の利上げ見送りで買い安 心感が広がったほか、世界最大のエネルギー消費国である中国で製油 所稼働率が11月に過去最高水準だったことから、同国で需要が拡大 するとの期待が強まった。

中国はこの5週間で3度目の預金準備率引き上げを実施したもの の、政策金利は動かさなかった。中国当局の統計によると、11月の 製油所稼働率は過去最高水準だった。

トムBNPパリバ・コモディティ・フューチャーズのブローカー、 トム・ベンツ氏(ニューヨーク在勤)は、「週末に中国が利上げを実 施する可能性があったが実現しなかったため、週明けの相場は一気に 上昇した」と指摘。「中国の製油所稼働率が過去最高に上昇したこと も材料になった。今の市場には上値を追い続ける勢いがあるようだ」 と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前営 業日比82セント(0.93%)高の1バレル=88.61ドルで終了し た。過去1年では27%上昇している。

◎欧州株:6日続伸、中国利上げ見送りや企業買収で-資源株が高い

欧州株式相場は6営業日続伸し、2年ぶり高値を付けた。インフ レ率が上昇したものの、中国が利上げを見送ったことが背景にある。

カザフスタンの産銅会社カザフミスが鉱山株の上げを主導した。 ロンドン市場で銅相場が過去最高値を記録したことが手掛かり。英油 田関連サービス会社、ウェルストリーム・ホールディングスは

5.8%上げた。米ゼネラル・エレクトリック(GE)に約8億ポンド (約1060億円)で身売りすることで合意したことが買いを誘った。 英エネルギーサービス会社、ジョン・ウッド・グループは6.7%上 昇。同業のPSN買収で合意したと発表したことがきっかけ。

ストックス欧州600指数は前週末比0.3%高の276.99で終 了。6日続伸は7月以降で最長の上げ。この期間の上昇率は2.2% で、2008年9月以来の高値を付けた。米消費者マインド指数が6カ 月ぶり高水準となったほか、欧州のソブリン債危機で景気回復が損な われるとの懸念が後退したことが指数上昇につながった。

ハーグリーブズ・ランズダウンの英国株式部門責任者、リチャー ド・ハンター氏は「中国が週末に利上げを実施しなかったことへの安 堵(あんど)感から若干上昇した」と指摘。「それにもかかわらず、 中国のインフレが顕著なことから同国がある時点で利上げすると見込 まれている。特に出来高が低く、市場のセンチメントが依然として脆 弱(ぜいじゃく)であることは疑うまでもない。そうしたことからマ イナス材料があれば、相場は反落するだろう」と続けた。

欧州連合(EU)はブリュッセルで16、17の両日開く首脳会 議で、財政危機に陥ったユーロ圏諸国を支援する恒久的な危機対応メ カニズムの創設を討議する。ギリシャとアイルランドの救済にとどま らず、さらに拡大の恐れのあるソブリン債危機を食い止めようとする EU首脳らの対応能力に投資家は疑念を抱いている。

カザフミスは4.1%高。スイスの産銅会社エクストラータは

1.4%、英豪系鉱山会社リオ・ティントは1.9%それぞれ上げた。

◎欧州債:スペイン債が6日続落-国債入札とEU首脳会議を控え

欧州債市場では、スペイン10年債相場が6営業日続落。スペイ ンが国債入札を今週実施するほか、欧州連合(EU)首脳が恒久的な 危機対応メカニズムの創設に向けた協議の準備を進めていることが背 景にある。

この日のドイツ国債相場はほぼ変わらず。スペインは16日に 2020年償還債(表面利率4.85%)と25年償還債(同4.65%) を発行する。イタリアも年内の国債入札を予定している。ポルトガル 国債も下げた。欧州中央銀行(ECB)はこの日、先週の国債購入の 規模を拡大したことを明らかにした。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、デービッド・シュナウツ氏 (ロンドン在勤)は、「スペインの国債入札を控え、ディーラーが国 債消化に苦慮しており、国債相場は軟調に推移している」と述べ、 「EU首脳が今回の会合で解決策をまとめる公算は小さく、これがド イツ国債への支援要因となっている」と付け加えた。

ロンドン時間午後4時31分現在、スペイン10年債利回りは前 週末比6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

5.49%。同国債(表面利率4.85%、2020年10月償還)価格は

0.435ポイント下げ95.155。

独10年債利回りは2bp上昇し2.98%。スペイン国債とのス プレッド(利回り格差)は3bp拡大の248bp。11月30日には 298bpまで拡大し、ユーロ導入以後の最大を記録した。ポルトガル 国債とのスプレッドは2bp拡大の332bp、イタリア国債とも1 bp広げ161bpとなった。

◎英国債:続落,株高で需要減-10年債利回り6カ月ぶり高水準迫る

英国債相場は続落。株式相場の上昇を背景に、比較的安全とされ る国債に対する需要が後退した。

10年債利回りはほぼ6カ月ぶり高水準まで3ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)に迫った。10日に発表された12月の 米消費者信頼感指数が6カ月ぶり高水準に上昇するなど、先週発表の 米経済統計が予想を上回る内容だったことから、高リスク資産に対す る需要が高まった。中国が利上げを見合わせたことを受け、アジアの 株式相場は上昇。英国株式の指標であるFT100種指数は0.8%高 と、2日以降で最大の値上がりとなった。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の債券ストラテジスト、 ピーター・チャットウェル氏は、「株式相場が大幅に上昇したことか ら、安全需要の後退に伴い英国債相場が下落した」と指摘。「10年 債利回りを3.5%の水準に維持するのは難しいだろう」とも語った。

ロンドン時間午後4時半現在、10年債利回りは4bp上昇の

3.56%。同国債(表面利率4.75%、2020年3月償還)価格は

0.35ポイント下げ109.30。9日には3.58%まで上げ、6月15 日以来の高水準を付けた。2年債利回りは1.16%と、前週末から6 bp上昇した。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net ニューヨーク 大塚 美佳 Mika Otsuka +1-212-617-5823 motsuka3@bloomberg.net Editor:Akiko Nishimae, Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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