今日の国内市況:日経平均5月以来高値、債券大幅安-ユーロ下落

週明けの日本株相場は反発し、 日経平均株価は終値で5月14日以来の高値を更新した。米国で前週末 に発表された消費者マインド指数が市場予想を上回るなど、米景気動向 への安心感から機械や電機、自動車、化学など輸出関連株が上昇。一部 アナリストの投資判断引き上げを受けた鉄鋼株も買われ、東証1部33 業種はすべて高い。

日経平均株価の終値は前週末比81円94銭(0.8%)高の1万293 円89銭、TOPIXは同9.18ポイント(1%)高の897.40で両指 数ともこの日の高値引け。特に午後の取引では、預金準備率引き上げ後 の動きが注視された中国株が堅調に推移、国内債券先物が下落基調を強 めた影響が及び、先物主導でじり高展開となった。

テクニカル指標から見た高値警戒感が漂う中、相場は午後に入って も徐々に上げを拡大し、予想外の強さを見せた。東証1部の騰落状況は 値上がり銘柄数1354と、全体の8割が上昇。売買代金は1兆3050億 円となり、前週1週間の平均(先物特別清算値算出日の10日を除く) 1兆2954億円を上回った。

東証1部の規模別指数を見ると、大型株価指数は前週末比0.9%高 にとどまる一方、中型株価指数は同1.3%高、小型株価指数は1.4%高 と、相対的に中小型株のパフォーマンスが良かった。直近の上昇相場を けん引してきた大型株は次第に上値が重くなっているが、投資資金は横 の広がりを見せ始めている。

投資家マインドを好転させているのが、米景気と株式動向だ。市場 予想を上回る経済指標の発表が相次いでいる上、S&P500種株価指数 が2008年9月19日以来の高値を更新するなど、米株式相場は上昇を 続けている。10日公表の12月のロイター・ミシガン大学消費者マイ ンド指数速報値は74.2(前月71.6)と、6月以来の高水準となり、 ブルームバーグ予想(72.5)を上回った。また、10月の貿易収支(国 際収支ベース)は387億ドルの赤字と、前月の446億ドル(速報値 440億ドル)から13%赤字幅が縮小した。

米景気改善を受け、TOPIXの上昇寄与度上位には電機や機械、 輸送用機器、化学などが並んだ。また、JPモルガン証券が10日に投 資判断を「オーバーウエート」に引き上げた新日本製鉄、JFEホール ディングスを中心に鉄鋼株が上昇。機械株では、クレディ・スイス証券 が判断を上げたSMCが急反発した。

債券は大幅反落

債券相場は大幅反落。先物は一時1円近い下げ幅となった。米国市 場では経済指標の改善を受けて、景気回復期待が強まっており、長期金 利が半年ぶりの高水準まで上昇した流れを継続し、円債市場でも売り優 勢の展開となった。投資家の売りなどで5年債利回りが1年ぶり高水準 となったほか、あすに20年債入札を控えて超長期債も安い。

東京先物市場で中心限月3月物は、前週末比31銭安の139円40 銭で始まり、いったんは26銭安まで下げ幅を縮小した。しかし、再び 売りが膨らむと水準を切り下げた。午後に入ると、一段安となり、一時 は96銭安の138円75銭まで下落。節目の139円を割り込み、4月 15日以来の安値を付けた。日中の下げ幅は1円14銭安を記録した今 月8日以来の大きさ。結局は76銭安の138円95銭で引けた。

午後に相場が下げ幅を拡大させたことについて、現物債に売りが出 たことを挙げる声が聞かれた。

前週末の米国債相場は大幅反落。米経済指標で輸出の拡大や消費者 マインド指数の上昇が示されたことを手掛かりに、比較的安全とされる 国債の需要が減退した。米10年債利回りは前日比12ベーシスポイン ト(bp)上昇の3.32%程度。一時は3.33%と6月初め以来の高水準 を付けた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利回 りは、前週末比3.5bp高い1.22%で始まった。その後も売りが優勢と なり、水準を切り上げ、午後1時過ぎには7.5bp高い1.26%まで上昇 し、9日以来の高水準を付けた。いったんは1.245%にやや戻したが、 午後2時45分前後には再び1.26%を付けた。その後は1.24-

1.245%で推移している。

中期債も大幅下落。5年物国債の93回債利回りは一時7.5bp高い

0.59%まで上昇。新発5年債利回りとしては昨年11月25日以来、約 1年ぶりの高水準を付けた。また2年物の299回債利回りは一時2bp 高い0.235%に上昇し、新発2年債としては昨年11月27日以来の高 水準を付けた。

あす14日に20年利付国債の入札を控えて超長期債も売られた。 前回に入札された20年物の121回債利回りは一時6.5bp高い

2.125%まで上昇した。

ユーロが下落、ドル・円は84円台回復

東京外国為替市場ではユーロ売りが先行。週後半に欧州連合(EU) 首脳会合(サミット)を控え、欧州救済基金の拡大やユーロ共同債構想 をめぐってEU各国間での対立が深まっていることが嫌気された。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.32ドル台前半から一時、1.3183 ドルまでユーロ安が進行。欧州時間帯に入り、ユーロはやや戻している 。また、好調な米経済指標を背景に米債利回りの上昇傾向が続くなか、 ドルは主要通貨に対し堅調な展開が続き、対円では一時、1ドル=84 円17銭と3営業日ぶり高値をつけた。

EUは16、17の両日開く首脳会議で、財政危機に陥ったユーロ圏 諸国を支援する恒久的な危機対応メカニズムの創設を討議する。欧州中 央銀行(ECB)はこれと並行し、中銀の緊急の流動性供給に依存する 最も脆弱(ぜいじゃく)な金融機関の支援策を取りまとめようとしてい る。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は10日の会談 で、ユーロ圏の低成長国に対し債務危機の克服に向けて競争力を高める ように呼び掛け、EUサミットでユーロ存続に必要なあらゆる措置を講 じることを表明。両首脳はまた、イタリアとルクセンブルクが提唱した ユーロ圏共同債構想を否定し、ユーロ圏の救済を目的に5月に設立され た4400億ユーロ規模の救済基金の拡大に反対を表明した。

一方、アイルランドでは最大野党、統一アイルランド党のスポーク スマンを務めるレオ・バラドカー氏が、EUと国際通貨基金(IMF) による総額850億ユーロ(約9兆4200億円)のアイルランド支援策を めぐる15日の議会採決で、同党が「反対票を投じる」との予想を示し た。IMFは10日、救済パッケージをめぐるアイルランド政府内の議 論がまとまるのを待つため、同国向け融資の手続きを延期した。

今週は14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれるほか、 小売売上高や生産者および消費者物価指数、鉱工業生産、住宅着工、景 気先行指数など注目の米経済指標の発表が相次ぐ。

ブルームバーグ・ニュースがエコノミスト62人を対象に実施した 調査(中央値)によると、米商務省が14日発表する小売売上高は前月 比0.6%増と、前月の同1.2%増に続きプラスを維持したとみられる。

ユーロ・円相場は午前に1ユーロ=111円ちょうどを割り込み、一 時、110円66銭までユーロ安が進行。しかし、中国の利上げ見送りな どを手掛かりにアジア株が堅調ななか、その後はクロス円(ドル以外の 通貨の対円相場)全般で円売り圧力が強まり、ユーロは対円で111円 台前半まで値を戻す展開となった。

中国人民銀行(中央銀行)は10日、市中銀行の預金準備率を引き 上げると発表。翌11日発表の11月の消費者物価指数(CPI)は前 年同月比5.1%となり、工業生産と小売売上高もそれぞれ前年同月を上 回ったが、利上げは見送った。

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