グローリー:来期にインド本格進出、需要は欧米からアジアへ

(アナリストのコメントを追加して、更新します)

【記者:堀江政嗣、アダム・レイ】

12月13日(ブルームバーグ):金融機関向けの貨幣処理機で国内シ ェア首位のグローリーは、来期中にもインドに本格進出する。現地に直 轄の事務所を設立し、販売強化に取り組む。着実な経済成長を続けるア ジアで今後、大幅な売り上げ増を見込んでおり、インドも中国などに次 ぐ収益源に育てたい考えだ。

西野秀人社長が8日、兵庫県姫路市の本社でのインタビューで、同 社の主力商品である貨幣処理機などへの需要がインドで「どんどん立ち 上がってきている」と述べ、製品を「永続的に売ってもらうような体 制」を整えるために来期中にも現地法人か支店を設立したいとの考えを 明らかにした。グローリーではこれまでインド事業はシンガポールの現 地法人が担当し、インド内の代理店は1店しかなかった。

インドで拠点を構える都市については、銀行などの本社機能が集約 している「ニューデリーとかムンバイ」を想定しており、「来期ぐらい には明確にしたいと思っている」と話した。

西野氏によると、リーマンショック以降もギリシャ危機やアイルラ ンド危機など金融業界で不安の火種がくすぶり続けるなか、従来、グロ ーリーの海外事業における主戦場だった欧米市場が引き続き伸び悩み、 かわりに中国をはじめとするアジアが急速に台頭しているという。

グローリーは今期の海外売上高について前期比4.5%増の300億円 を見込み、そのうち米州(カナダ、中南米などを含む)が同23%減の 60億円、欧州は同6.6%増の165億円に対してアジアは同38%増の75 億円と米州を初めて抜く見通し。西野氏は「欧米とは勢いが全然違う。 強気にみている」と述べ、これまで事業インフラ面の未整備や治安上の 理由などで本格進出を見合わせていたインドでも、現地法人による直販 や代理店の数を増やすなどの販売強化策を取り、増加する金融向けの需 要に対応したいとしている。

中期計画は後倒し

グローリーは2009年に発表した11年度までの3カ年中期経営計画 で、連結売上高1700億円の目標を掲げている。海外売上高比率は08年 度の約23%から30%まで高める計画だったが、リーマンショック以降の 景気低迷の影響でどちらも進捗(しんちょく)が遅れており、目標達成 の時期を「1-2年後にずらさないといけない」と述べた。

海外売上高全体に占めるアジアの割合は、今期見通しでは欧州の 55%の半分以下の25%にとどまるが、西野氏はアジア売り上げの約半分 を占める中国での販売が現在の35億円から数年後には100億円に増える と見込んでいるのをはじめ、「今後2-3年でアジアが一番になる。欧 米の景気回復を待ちながらアジアや新興国に重点を置いて拡大していく のがいまの大きな方針」と語り、インドでの新しい売り上げも合わせて 海外売上比率30%を達成したいと述べた。

コスモ証券のアナリスト、西川裕康氏は13日、東京からの電話イン タビューで、「金銭を数える機械だとか、そういった機械は台湾とか中 国とかでのローカルメーカーがたくさん作っているのでリスクはある 思う。後発の企業が入ってくるリスクもある」と指摘した。さらに 中国市場の規模が「3倍とか4倍とか言っても、それがまるまるグロ ーリーのところにやってくるわけではない」と述べた。

グローリーの13日の株価は午後1時54分現在、前週末比9円 (0.5%)高の2030円。

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