12月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、独仏が欧州基金拡大に反対

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロが主要通貨の大半に対し て下落。独仏首脳が欧州救済基金の規模拡大案に反対を表明したのが 嫌気された。来週には欧州連合(EU)首脳会合(サミット)が開催 される。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は10日会談 し、ユーロ圏共同債構想を否定し、ユーロ圏の救済を目的に設立され た4400億ユーロ規模の救済基金の拡大に反対を表明した。ドルは ユーロと円に対して上昇。10月の米貿易赤字の縮小が好感された。 オーストラリア・ドルは週間ベースでドルに対して下落した。中国が 金融政策を引き締めるとの観測が背景。

ゲイン・キャピタルのシニア通貨ストラテジスト、エリック・バ イロリア氏は、「来週のユーロに対するバイアスは依然として下落方 向だ」と述べた。

週間ベースでのユーロはドルに対して1.4%安。ニューヨーク 時間午後5時3分現在、ユーロは対ドルで前日比0.2%安の1ユー ロ=1.3239 ドル。前日は一時1.3165ドルと、12月2日以来の 安値を付ける場面もあった。ユーロは対円ではほぼ変わらずの1ユー ロ=110円98銭。ドルは円に対して0.3%高の1ドル=83円76 銭。

独仏首脳会談

サルコジ大統領と会談したメルケル首相はユーロ圏には「構造的 な脆弱(ぜいじゃく)性」があると指摘した。EUサミットは16- 17日に開催される。

独仏首脳は、ユーロ存続は「交渉の余地がない」と述べた。また メルケル首相は「ユーロが失敗すれば、欧州が機能しなくなる」と語 った。

先進10カ国の通貨で構成するブルームバーグ相関加重通貨指数 によると、ドルは年初から1.1%下落。ユーロは9.5%安、一方、 円は10.8%上昇となっている。

米貿易赤字

10月の米貿易赤字は予想以上に縮小した。ドルの下落や米国以 外での経済成長が輸出を2年ぶりの高水準へと押し上げたのが影響し た。

米商務省が発表した10月の貿易収支統計によると、財とサービ スを合わせた貿易収支(国際収支ベース、季節調整済み)は387億 ドルの赤字と、前月から13%赤字幅が縮小した。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は438億ドルの赤字 だった。

12月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値) は74.2と、6月以来の高水準となった。

シティグループの通貨ストラテジスト、グレッグ・アンダーソン 氏は、「これが続けば米国の景気にとっても、ドルにとっても非常に 明るいニュースだ」と述べ、「米利回りが今週のような水準で推移し たら、ドルは上昇するだろう」と続けた。

オーストラリア・ドル

オーストラリア・ドルは週間ベースでドルに対して下落した。 11日に発表される中国消費者物価指数が、金融引き締めを後押しす る結果になるとの懸念が売り材料だった。

中国人民銀行(中央銀行)は、市中銀行の預金準備率の引き上げ を決めた。12月20日から50ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)引き上げる。人民銀がウェブサイトに声明を掲載した。

11月の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で4.7% 上昇が見込まれている。

◎米国株:上昇、消費者マインド指数などを好感

米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は、2008年にリー マン・ブラザーズ・ホールディングスが破たんした週以来の高値を付 けた。ゼネラル・エレクトリック(GE)の増配のほか、消費者マイ ンド指数や貿易赤字の統計が予想よりも良い内容だったことが背景。

GEは、ダウ工業株30種平均で値上がり率最大。石油生産のオ キシデンタル・ペトロリアムも上昇。増配に加え、同社としては06 年以降で最大規模となる買収を発表したことなどが好感された。病院 経営のテネット・ヘルスケアは大幅高。同業のコミュニティー・ヘル ス・システムズが総額73億ドルで買収を提案したことが材料視され た。臨床診断システムメーカーのベックマン・コールターも大きく上 昇。事情に詳しい複数の関係者は、同社が身売りを検討していると明 らかにした。

S&P500種株価指数は前日比0.6%高の1240.40。前週末 比では1.3%高。ダウ工業株30種平均は40.26ドル(0.4%)上 昇し11410.32ドル。

UBSファイナンシャル・サービシズの米州担当富裕層向け資産 運用調査責任者、マイク・ライアン氏は「経済成長ぺースは緩やかに 改善している」とし、「経済の足場が固まるのに伴い、企業は戦略的 買収や設備投資、株主志向の経営を始めている」と述べた。

中国懸念

中国人民銀行(中央銀行)はこの日、市中銀行の預金準備率を引 き上げると発表。この発表後も米株先物相場は上昇した。預金準備率 の引き上げは5週間で3回目となる。11月の新規融資と貿易黒字が 市場予想を上回ったことを受け、インフレ対策を強化する。

10月の米貿易赤字は予想以上に縮小。ドルの下落や米国以外で の経済成長が輸出を2年ぶりの高水準へと押し上げたのが影響した。 これを手掛かりに、株式相場は上げ幅を拡大した。米商務省が発表し た10月の貿易収支統計によると、財とサービスを合わせた貿易収支 (国際収支ベース、季節調整済み)は387億ドルの赤字と、前月の 446億ドル(速報値440億ドル)から13%赤字幅が縮小した。ブ ルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は 438億ドルの赤字だった。輸出は08年8月以来で最大だった。

ヘネシー・アドバイザーズの資金運用マネジャー、フランク・イ ンガーラ氏は「悲観的に見ていた投資家は驚くかもしれない」と指摘。 「景気は上向きつつあり、輸出もそれを強く示唆している」と述べた。

消費者信頼感

12月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値) は74.2(前月71.6)と、6月の76.0を1.8ポイント下回る水 準まで回復した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央 値は72.5だった。

GEは四半期配当を1株当たり14セントに引き上げた。ブルー ムバーグがまとめたアナリスト予想(同12セント)を上回った。株 価は3.4%高の17.72ドル。

オキシデンタルは2.2%高の93.04ドル。同社はテキサス州 とノースダコタ州にある原油・天然ガス資産を32億ドルで買収する ことで合意した。同社はまた、四半期配当を1株当たり38セントか ら46セントに引き上げると発表した。

テネット、ベックマン

テネット・ヘルスケアは55%高の6.65ドルと、上昇率は少な くとも1980年以降で最大。コミュニティー・ヘルスはテネット株 1株当たり6ドルの買収価格を提示。テネットは買収案を拒否したも のの、実現すれば33億ドルという買収額は、テネット株の9日終値 (4.29ドル)に約40%のプレミアムを付けた水準となる。コミュ ニティー・ヘルスは13%上げて35.89ドル。

ベックマン・コールターは26%上昇し72.08ドル。同社を買 収して非公開化することに関心を示す複数の買収専門会社からの接触 を受け、身売りを検討している。事情を直接知る関係者3人が明らか にした。

◎米国債:10年債が下落、利回り3.33%

米国債市場では10年債が下落。利回りは6カ月ぶりの高水準と なった。米経済指標で輸出の拡大や消費者マインド指数の上昇が示さ れたことを手掛かりに、比較的安全とされる国債の需要が減退した。

利回りは週間ベースで年初来最大の上昇。オバマ米大統領が今週、 減税措置の延長で議会と同意したことを背景に、景気回復が支えられ るとの観測が強まった。この日は株式相場が上昇した。

CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リ ンジェン氏は「貿易赤字の縮小や消費者マインド指数の上昇により、 成長見通しに対するやや楽観的な見方が広がり、国債相場を幾らか圧 迫している」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時25分現在、10年債利回りは前日比12ベーシスポイン ト(bp、1bp=0.01%)上昇の3.33%。これは6月4日以来 の高水準。同年債(表面利率2.625%、2020年11月償還)価格 は31/32下げて94 3/32。

30年債利回りは4bp上昇の4.44%。前日は6bp低下、8 日には7カ月ぶり高水準の4.50%を付けていた。

国債相場は今週、大きく値下がりした。オバマ大統領は6日、失 業保険の給付延長および給与税の税率引き下げと引き換えに、現行の 減税措置の2年間延長で議会と同意した。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) は、政策当局者による大規模な景気刺激策を理由に来年の米国の経済 成長見通しを引き上げた。モハメド・エラリアン最高経営責任者(C EO)が前日の電話インタビューで明らかにした。

ロイヤル・バンク・オブ・カナダのRBCキャピタル・マーケッ ツの米国債トレーディング責任者、トーマス・トゥッチ氏は、「相次 ぐ成長見通しの引き上げで、国債市場は圧迫されるだろう」と指摘し た。

米経済指標

米商務省が発表した10月の貿易収支統計によると、財とサービ スを合わせた貿易収支(国際収支ベース、季節調整済み)は387億 ドルの赤字と、1月以来の水準に縮小した。輸出は2008年8月以 来で最大。メキシコや中国への輸出額が過去最高を記録した。

12月のロイター・ミシガン大学消費者マインド指数(速報値) は74.2(前月71.6)と、6月の76.0を1.8ポイント下回る水 準まで回復した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央 値は72.5だった。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジフ ァンドの運用者やほかの大口投機家による30年債先物の持ち高は、 7日までの1週間にネットショートからネットロングに転換した。

利回り見通し

モルガン・スタンレーは、今週発表された減税措置延長が早期に 法制化されるとの観測を背景に、米10年債利回りの見通しを引き上 げた。

モルガン・スタンレーの世界経済担当共同責任者、リチャード・ バーナー氏は10日の調査リポートで、10年債利回りが今年は

3.25%で終了し、来年末までには4%に上昇するとの見通しを示し た。従来は、今年の年末までに3%、2012年1月までには3.75% に上昇すると予想していた。

10年債利回りは今週32bp上昇と、週間では09年8月7日 終了週に37bp上昇して以来の大幅な上げとなった。

◎NY金:反落、中国の準備率引き上げで投機後退を警戒

ニューヨーク金先物相場は反落。中国が金融引き締めに動き、貴 金属需要が弱まるとの懸念から売りが出た。

世界2位の金購入国である中国では、中国人民銀行(中央銀行) が市中銀行の預金準備率を引き上げると発表した。引き上げは5週間 で3回目。金は7日に1オンス=1432.50ドルと最高値を更新、年 初来では26%上昇している。

R.F.ラファーティのマーティー・マクニール氏(ニューヨー ク在勤)は「中国の景気抑制策を嫌気し、金は一時的に下げている」 と指摘。「多くの投機資金が中国に入ったため、その構図が変わり始 めると、金もほかの商品と同様に売られる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 2月限は前日比7.90ドル(0.6%)安の1384.90ドルで終了し た。週間では1.5%安。

◎NY原油:下落、中国インフレ対策を嫌気-終値87.79ドル

ニューヨーク原油先物相場は下落。中国がインフレ対策を講じた ため、世界最大のエネルギー消費国である中国で景気が減速し、燃料 需要が鈍化するとの思惑から売りが優勢になった。

中国人民銀行(中央銀行)は市中銀行の預金準備率を20日付で 50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げると発表 した。

ただ、原油は上昇する場面もあった。11月の中国の原油輸入が 26%上昇し、国際エネルギー機関(IEA)が3カ月連続で2011 年の石油需要見通しを引き上げたことが支援材料。

PFGベストの調査部門バイスプレジデント、フィル・フリン氏 (シカゴ在勤)は「準備率引き上げは恐らく引き締め策の第1弾だ。 市場は中国が今週末に利上げに動くことを恐れている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物1月限は前日 比58セント(0.66%)安の1バレル=87.79ドルで終了した。 週間では1.6%安、過去1年では24%上昇している。

◎欧州株:5日続伸、2年ぶり高値-危機克服期待と信頼感向上で

欧州株式相場は5日続伸し、2年ぶり高値を付けた。企業がソブ リン債危機の影響を克服できるとの期待が高まったほか、12月の米 消費者信頼感が予想以上に改善したことが背景にある。

オランダのカーナビゲーション機器メーカー、トムトムは

7.3%上昇。UBSが同銘柄の投資判断を上方修正したことが好感さ れた。ドイツのバイオテクノロジー企業、モルフォシスは10%の大 幅高。売上高見通しの引き上げが買いを誘った。

一方、英スタンダードチャータード銀行は2.6%下落。バン ク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチが投資判断を引き下げた ことが嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.1%高の276.19と、 2008年9月以来の高値で引けた。前週末比では1.9%上げ、10月 以来の2週続伸となった。業績改善に加え、米連邦準備制度理事会 (FRB)が景気刺激策として6000億ドル相当の国債買い入れの 方針を示したことや、欧州連合(EU)によるギリシャとアイルラン ドの救済を背景に、同指数は年初来では8.8%上げている。

ロンドン・キャピタル・グループ・ホールディングスのトレーダ ー、ジョナサン・スダリア氏は、「欧州の債務懸念は大げさに扱われ た。周辺国に関する懸念はまだ存在するものの、ドイツなど欧州の大 国の経済が改善しつつあるトレンドに影響を及ぼすには至っていない」 と語った。

ブルームバーグがまとめた金融機関13社のストラテジスト予想 によると、欧州株は来年末までに12%上昇し、今年を上回る株高と なる見通し。13社中最も強気だったゴールドマン・サックス・グル ープは、ストックス欧州600指数が20%上昇すると予想。企業の 増益率について、アナリスト約2万6000人の予想平均(14%)の 2倍に達する可能性があるとの見方を示した。

この日発表された12月のロイター・ミシガン大学消費者マイン ド指数(速報値)は74.2(前月71.6)と、6月以降の高水準とな った。エコノミスト予想中央値は72.5だった。

◎欧州債:スペイン債が5日続落-EU危機対策めぐり対立

欧州債市場では、スペイン国債相場が5日続落。欧州連合(EU) の各国首脳がソブリン債危機緩和に向けた追加資金をめぐり対立して いるほか、スペインが来週実施する国債入札で借り入れコストが上昇 するとの観測が背景にある。

スペイン10年債のドイツ国債に対するプレミアム(上乗せ利回 り)が拡大した。危機感染が域内全体の銀行に影響を及ぼすとの懸念 から、ポルトガル国債も下げた。欧州中央銀行(ECB)の政策委員 会メンバー、オーストリア中銀のノボトニー総裁はこの日、緊急事態 対応で導入された非伝統的措置は経済状況の改善に伴い解除される必 要があると語った。ドイツ国債は週間ベースで下落した。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、「スペインが多くの国 債入札を来週実施する。これで投資家は若干慎重になったようだ」と 発言。「とりわけ地域銀行などの銀行問題に取り組む行動を待ってい る」とも語った。

ロンドン時間午後5時25分現在、スペイン10年債利回りは前 日比13ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の

5.44%。前週末3日は5.08%だった。同国債(表面利率4.85%、 2020年10月償還)価格は0.925ポイント下げ95.59。ドイツ 10年債に対するプレミアムは224bpと、1週間余りの最大に拡大 した。スペイン政府は16日に満期2020年と25年の国債を発行す る。

ポルトガル10年債利回りは20bp上昇し6.49%、アイルラ ンド10年債利回りは11bp上げ8.29%となった。

ドイツ10年債利回りは前日比2bp上昇の2.96bp。1週間 前は2.86%だった。

◎英国債:下落、10年債利回り3.52%-週ベースもマイナス

英国債相場は下落。10年債利回りは前日比4ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇し3.52%となった。前日は

3.58%まで上げ、6月15日以来の高水準を付けた。

2年債利回りは1.10%と、前日の1.06%を上回った。前週末 3日は1.02%だった。オバマ米大統領が6日に減税措置の2年延長 で合意したことを背景に米国債が軟調となり、今週の英国債はつれ安 となった。英国株式の指標、FT100種指数が今週1%余り上げた ことも国債の需要減少につながった。

エボリューション・セキュリティーズ(ロンドン)のアナリスト、 エリザベス・アフセス氏は「市場はわずかながら一段と落ち着いたよ うだ。このため、比較的安全とされる国の債券に対する需要が後退し た」と解説した。

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