中国人民銀行:預金準備率を引き上げ-インフレ対策を強化

中国人民銀行(中央銀行)は 10日、市中銀行の預金準備率を引き上げると発表した。引き上げは 5週間で3回目となる。この日発表の11月の新規融資と貿易黒字 が市場予想を上回ったことを受け、インフレ対策を強化する。

人民銀がウェブサイトに掲載した発表文によると、預金準備率 は20日付で50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き 上げられる。

当局はこの日、10月の0.25ポイントの利上げに加えた追加の 政策金利引き上げは控えた。この戦略は、2年ぶり高水準にあるイ ンフレとの闘いを長引かせる可能性がある。アジアへの資本流入が インフレ圧力を高める中で、今年先に利上げを開始したマレーシア や韓国、台湾に、人民銀は後れを取っている。

みずほ証券アジアのエコノミスト、沈建光氏(香港在勤)は「利 上げはインフレ対策として、より強力な武器だ」と指摘する。

この日発表の引き上げにより、大手銀の預金準備率は18.5%と なる。このほか公に発表されていないが、関係者によれば一部銀行 は追加の引き上げを命じられているという。バークレイズ・キャピ タル・アジアは、公表された今年6回の準備率引き上げによる資金 吸収規模は3500億元(約4兆4000億円)との試算を示した。

人民元の1年物ノンデリバラブル・フォワード(NDF)はこ の日、0.16%高の1ドル=6.51元。NDFは元が今後1年で

2.2%上昇するとの予想を織り込んでいる。

オンライン為替取引会社、ゲイン・キャピタル傘下のフォレッ クス・ドット・コムの調査ディレクター、カスリーン・ブルックス 氏は、利上げまたは人民元の大幅上昇などの「強固」な措置がない 限り、「中国経済が近く減速すると市場が考える公算は小さい」と話 した。

中国の指導部はこの週末、北京で中央経済工作会議を開き、経 済政策の指針を決定する。この会合に先立ち、共産党中央委員会の 政治局会議は既に、金融政策を現在の「適度に緩和的」から「穏健 (慎重)」に変更することを決めている。

11日に発表される11月の中国インフレ率は5.1%と、2008 年7月以来の高水準になると、中国政府系の経済参考報が報じた。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は

4.7%。

キャピタル・エコノミクスのロンドン在勤エコノミスト、マー ク・ウィリアムズ氏は、預金準備率引き上げは「必ずしも利上げの 可能性を排除しない。この週末に利上げがある確率はまだ高い」と し、「中銀は明日のインフレ率発表と中央経済工作会議の終了を待ち たいのかもしれない」と述べた。

10日の発表によると、11月の中国の輸出と輸入は共に過去最 高を 更新し、貿易黒字は229億ドル(約1兆9100億円)となっ た。

ゴールドマン・サックス・グループの宋宇、喬虹両アナリスト (香港在勤)は人民銀の発表前に、「既に国内経済が過熱気味なとこ ろへ並外れた勢いの輸出の伸びは良いニュースではない。過熱圧力 を高め、政府はインフレ押し下げのためさらに厳しい措置を取るこ とを迫られるだろう」と述べていた。

--Li Yanping. Editors: Paul Panckhurst ,Lily Nonomiya.

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