今日の国内市況:株式が3日ぶり反落、債券は反発-ユーロの上値重い

東京株式相場は3日ぶりに反落。 前日の海外為替市場で、欧州財政問題への懸念から円がユーロに対して やや円高方向に振れたことで、欧州事業の採算懸念が広がり輸送用機器 や、ガラス・土石製品、精密機器など輸出関連株が下げた。ばら積み船 の運賃市況が続落していることを嫌気し、海運株も安い。

日経平均株価の終値は前日比73円93銭(0.7%)安の1万211 円95銭、TOPIXは同3.38ポイント(0.4%)安の888.22。株価 指数先物・オプション12月限の特別清算値(SQ)算出だった影響で、 東証1部の売買高は概算で31億1859万株、売買代金は2兆5479億 円と膨らんだ。騰落銘柄数は値下がり849、値上がり653。

この日の取引開始時は先物・オプションのSQ算出に当たり、み ずほ証券など複数証券の調べによると、日経225型SQは1万420円 74銭と前日の日経平均終値を134円86銭上回った。SQに絡む売買 は買い越しだったもようで、日経平均、TOPIXとも上昇して始まっ たがその後に失速、マイナス圏での推移が続いた。

TOPIXの直近安値だった11月2日から12月9日までの33 業種別指数の騰落状況を見ると、ガラス・土石製品17%高、輸送用機 器16%高、海運14%高などと、きょう下げた業種は総じてTOPIX (11%高)のパフォーマンスを上回っていた。持ち高整理の動きが活 発化した影響で、東証1部売買高は1月14日以来、売買代金は昨年6 月12日以来の高水準(SQ算出日含む)に達した。

格付け会社フィッチ・レーティングスは9日、アイルランドの信 用格付けを投資適格の下から3番目となる「BBB+」と、従来の「A +」から3段階引き下げた。格下げは2カ月で2回目、見通しは「安定 的」とした。フィッチでは、格下げは銀行システムの再編と支援に向け た追加の財政負担を反映したもので、同国ソブリン債の性質はもはや、 投資適格級の上位の格付けと一致しないと説明している。

これをきっかけに欧州債務問題への警戒が広がり、9日のニュー ヨーク外国為替市場ではユーロが主要通貨の大半に対し下落、対円では 1ユーロ=110円59銭まで円高方向に振れた。東京時間10日も1ユ ーロ=110円台後半で推移する時間が長く、欧州事業の先行きが懸念さ れる格好で精密機器やガラス・土石、電機、自動車といった輸出関連株 に売りが優勢となった。

日経平均は9日、11月中旬以降に上値抵抗ポイントと見られてき た6月高値を上抜け、終値で5月14日以来の高値を付けた。東証1部 の値上がり、値下がり銘柄数の割合を示す騰落レシオ(25日移動平均) は9日時点で163%まで上昇、算出可能な1970年6月以降での最高水 準を連日で更新した。一般的には120%以上が過熱気味とされる。

輸出関連のほか、海運や卸売、非鉄金属、建設、証券株も軟調。 東証業種別33指数で値下がり率トップだった海運株については、ばら 積み船の国際運賃市況のバルチック海運指数が3日続落したことがマイ ナスに働き、川崎汽船、商船三井、日本郵船がそろって売られた。

個別では、ゴールドマン・サックス証券が投資判断を「売り」に 下げたニコン、2011年1月期の連結純利益予想を従来の30億円から 9億円へ下げた東京ドームが安い。来年1月にも100億円規模の増資 を行うと、読売新聞電子版で前日午後に報じられたJVC・ケンウッ ド・ホールディングスは、需給悪化への懸念が続き下げた。

半面、牧野フライス製作所やマキタなど工作機械株の一角が上昇。 11月の工作機械受注が前年同月比2倍の967億円となったことを受け た。米系投資ファンドのスティール・パートナーズが、グループ全体で の保有株比率を引き下げたことが分かったサッポロホールディングスは 急伸。ドイツ証券が投資判断を新規に「買い」とした第一生命保険も高 い。業種別指数では保険、鉄鋼、小売、銀行など10業種が上昇。

債券は急反発、長期金利1.185%に

債券相場は急反発。前日の米国債相場の反発や国内株安を受けて 買いが先行した。最近の相場下落で利回り水準が大きく上昇したことか ら、午後に入ると投資家から買いが膨らんでおり、長期金利は朝方の

1.2%台半ばから1.2%割れまで大きく水準を切り下げた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の312回債利 回りは、前日比3ベーシスポイント(bp)低い1.235%で始まり、午 前9時45分前後には1.5bp低い1.25%を付けた。しかし、その後は 買いが優勢となって水準を切り下げる展開。午後3時過ぎには8bp低 い1.185%まで低下。長期金利は前日に一時1.27%と半年ぶり高水準 まで上昇していた。

中期債相場も上昇。新発5年債利回りは約8カ月ぶり高水準の

0.55%から0.52%まで水準を下げた。新発2年債利回りは昨年11月 以来の高水準となる0.23%から同0.5bp低い0.215%まで低下した。

9日の米国市場で米国債相場は3日ぶりに上昇。30年債利回りが 7カ月ぶりの高水準に接近していたため、この日の30年債入札(発行 額130億ドル)が好調となった。米10年債利回りは前日比7bp低下 の3.20%程度となった。

東京先物市場で中心限月3月物は前日比20銭高の139円32銭で 始まった後、いったんは3銭高まで上げ幅を縮めた。しかし再び買いが 優勢の展開となり、午後に入ると一段と水準を切り上げ、一時は70銭 高の139円82銭まで上昇。結局は59銭高の139円71銭で引けた。

来週15日に発表される日銀短観(12月調査)では、企業の景況 感が悪化すると予想されている。ブルームバーグの予測調査によると、 12月の日銀短観で大企業・製造業の業況判断DIはプラス3、非製造 業DIはゼロへ悪化する見通し。9月調査では大企業・製造業がプラス 8、非製造業がプラス2だった。

ユーロの上値重い、ドル・円は83円後半

東京外国為替市場ではユーロの上値が重い展開が継続し、対円で は1ユーロ=110円台後半から111円ちょうど付近と、前日の高値 111円65銭から水準を切り下げて軟調に推移した。アイルランドの格 下げやユーロ圏の加盟国間で金融危機対応の枠組みをめぐる意見対立も 目立ち、先行き不透明感からユーロの上値が抑えられた。

ユーロ・円相場は午前の取引で一時110円76銭までユーロが下 落。その後は111円12銭まで値を戻し、午後4時15分現在は111円 07銭付近で推移。前日の海外市場で一時1.3165ドルと、5営業日ぶ りのユーロ安値を付けていたユーロ・ドル相場は、同時刻現在1.3269 ドル近辺で取引されている。

一方、ドル・円相場は1ドル=83円台後半で推移。午後の取引で は一時83円65銭までドルが水準を切り下げる場面も見られており、 午後4時15分現在は83円72銭付近で取引されている。

格付け会社フィッチ・レーティングスは9日、アイルランドの格 付けを投資適格の下から3番目となる「BBB+」と、従来の「A+」 から引き下げた。さらに、欧州連合(EU)の4400億ユーロ規模の救 済基金の拡大やユーロ参加国が共同で債券を発行する案をめぐって、ド イツに続いてフランスも反対姿勢を示しており、ユーロ圏内の意見相違 が浮き彫りとなっている。

EUの行政執行機関である欧州委員会のレーン委員(経済・通貨 担当)は、ユーロ圏諸国を動揺させている金融危機が「ますますシステ ミック」になりつつあり、「包括的な対応」が必要になっているとの認 識を示した。

中国がこの日に発表した11月の貿易統計によると、輸出額が前年 同月比35%増、輸入額が同38%増となり、収支は229億ドルの黒字と なった。黒字額はブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想の212 億ドルを上回った。

中国ではあす11日に生産者物価指数(PPI)や消費者物価指数 (CPI)、小売売上高など11月の各種経済指標が発表される。国家 統計局は当初13日の発表予定を前倒ししており、市場では物価関連指 標の上昇スピードの速さが確認されれば、当局の金融引き締め姿勢につ いて強めざるを得ないという認識になりやすいとの指摘があった。

一方、来週14日には、米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公 開市場委員会(FOMC)を開く。バーナンキ議長は5日にCBSの番 組で、国債購入額が先月発表した6000億ドル(約49兆6000億円) を超える公算があるとの見解を示している。前日の米国債市場では、 30年債入札(発行額130億ドル)の好調を背景に債券相場が上昇。足 元では米長期金利が伸び悩む展開となっている。

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