山口日銀副総裁:銀行の収益力はすう勢的に低下している

日本銀行の山口広秀副総裁は10 日午後、都内で講演し、国内金融機関の経営動向について「利ざやの 縮小や貸出残高の減少などを背景に、基礎的な収益力がすう勢的に低 下している」と述べた。東京大学と日本政策投資銀行共催のシンポジ ウムで、「金融危機後のわが国金融システムの課題」と題して講演し た。

山口副総裁は「今後、わが国の銀行が主体とする商業銀行ビジネ スは内外で競争が激化していくと予想される」としながらも、「国内 で安定的な個人預金を有するわが国の金融機関は、海外活動に必要な 資金調達という面も含め、流動性リスクに対する耐性という点で、有 利な面がある」と指摘。

さらに「金融機関の主たる顧客であるわが国の企業や家計は、米 欧のようなバランスシート調整が必要というわけでもない」とした上 で、「海外の金融機関と比べたわが国の金融機関の競争力という点で、 悲観する必要はない」と述べた。

日銀は10月5日の金融政策決定会合で包括的な金融緩和策を打 ち出し、政策金利を0-0.1%とするとともに、物価の安定が展望でき るまで実質ゼロ金利政策を継続すると表明。さらに、国債、社債、指 数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT) など金融資産を買い入れる5兆円規模の基金創設を決めた。

山口副総裁は「約2年前のリーマン破たんをきっかけに発生した グローバルな金融危機は、まだ完全に終息したわけではないが、ひと ころの状況からはかなり立ち直ってきた」と指摘。さらに、「将来再 び今回のような危機を起こさないための国際的な枠組み作りも進ちょ くしてきている」と述べた。

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