ドイツ企業、国内従業員に雇用保障-輸出ブームに伴う人材確保で

ドイツの輸出主導型産業が今、よ り身近な資産として囲い込みつつあるのは、国内労働者だ。

独エンジニアリング会社シーメンスに追随する形で、化学メーカ ー最大手の独BASFは先月、ルートビヒスハーフェン工場の労働者 3万3000人の雇用を保障した。シーメンスは9月、国内従業員への譲 歩としては過去最大規模となる12万8000人全員の勤務地・雇用の無 期限保障を表明しており、エネルギー会社エーオンやスポーツカーメ ーカー、ポルシェも同様の協定を結んでいる。

ドイツでは冷え込む気配のない景気回復を背景に企業が熟練労働 者の採用に積極的で、失業率は18年ぶりの低水準に下がっている。独 企業は高賃金に加え、採用・解雇を阻む厳しい雇用市場規制から逃れ るため、10年にわたって海外への生産移転を進めてきたが、国内の人 材への需要が高まっていることはこうした傾向の変化を示すものだ。

BASFの人事担当責任者、ハンスカールステン・ハンセン氏は 「ルートビヒスハーフェンでのBASFの方針は、社内の柔軟性や社 会的共同性に関する取り決めという点で、同じ業界の世界の他のどの 地域の企業よりも勝っている」と指摘。「時に交渉を減らしたいと考え るが、投じたものは回収できる」と述べた。

1990-2007年にBASFは、国内従業員を4割強削減し、シーメ ンスも国内社員を減らした。同社の1995年の国内従業員は20万3000 人(全体の54%)だったが、12万8000人(同32%)にまで減った。

ドイツ機械産業連盟(VDMA)の主任エコノミスト、ラルフ・ ウィーチャーズ氏は「ここ数年は、海外と国内の生産を釣り合わせる 方向に揺れ戻しがきている」と指摘した。

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