パナソニック:今期テレビ販売計画超え、エコポイント効果

プラズマテレビ世界最大手のパナソ ニックはテレビ全体の今期(2011年3月期)販売目標である2100万台 を上回る見通し。大坪文雄社長が10日、ブルームバーグ・ニュースの インタビューで明らかにした。

テレビ販売は景気悪化や韓国サムスン電子などとの競争激化によ り、主力市場の欧米での売れ行きが懸念されているが、パナソニックは 堅調に推移。国内では省エネ家電購入促進策「エコポイント」制度によ る効果も大きく寄与する見込みだ。

大坪社長は、前期比33%増を見込んでいる今期テレビ販売目標につ いて「エコポイントの効果もあり、オーバーすると思う」と述べた。米 国での販売は「消費の回復に力強さはあまりないが、もともとの計画を 下回るということはない」と説明。書き入れ時のブラックフライデー (感謝祭翌日の金曜日)で始まった年末商戦は、テレビやカムコーダー などAV製品全体で「前年に比べれば金額ベースで1-2ポイント伸び ている」と語った。

みずほインベスターズ証券の倉橋延巨アナリストは「北米テレビ市 場全体が前年割れの状態で下期のリスク要因とみられていた」ほか、 「韓国勢との競争で米国でのプレゼンスを落としているので、年末商戦 は大きく落ち込む可能性もあった」と説明。「AVの売り上げがプラス となるのなら、悪材料をこなしたという意味で好印象」と話した。

一方、3D(3次元)テレビは世界全体で今期100万台を目標に掲 げていたが、大坪社長は「ソフトが十分でないということもあり、達成 は難しいかもしれない」との見通しを示した。今後も3Dテレビを強化 するほか、インターネット対応のテレビも標準装備にして普及させてい く方針という。

エコポイントは、省エネ効果の高い一部の家電に付与され、対象商 品の購入者がポイントに応じて商品やサービスと交換できるが、12月か らは付与されるポイント数が半減したため、11月までは特に駆け込み需 要が旺盛だった。また当初、12月に終了予定だった制度は来年3月まで 延長されたものの、1月以降は省エネ基準のもっとも優れた商品のみに 対象が限定されるため、年内中の購入が増えている。

海外生産比率6割へ

大坪社長はまた、現在50%弱の海外生産比率を18年に60%に引き 上げる考えも示した。同社は現在、新興国市場の開拓を急いでおり、設 計や製造などをすべて現地化し、消費地に近いところで生産する戦略に 舵を切っている。

社長はインド市場を例に挙げ、「インドでのオペレーションがうま くいけば、いずれインド人が活躍している中近東や北アフリカなどに展 開する際の橋頭保になる」と説明、新興国で先行している「サムスンや LG電子と真っ向勝負したい」と語った。新興国での事業規模はまだ小 さいが、12年度以降の拡大によって現地生産が為替リスクの軽減にもつ ながると期待されている。

来期(12年3月期)については「ドルに対して円安、ウォン高とい うのは考えにくい」とし、「朝鮮情勢は極めて不安定な状況で、円は高 くなる傾向にある。今期よりも円高を覚悟する必要がある」と指摘し た。韓国勢に対しては為替だけでなく、EPA(経済連携協定)やFT A(自由貿易協定)、法人税などの面で「大きく遅れており、ハンディ キャップを持っている。満身創痍(そうい)で韓国メーカーと戦う必要 がある」と語った。

パナソニックの今下期の前提為替レートは1ドル=83円、1ユーロ =110円。同社の場合、1円円高に振れるごとにドルでは年間で20億 円、ユーロでは同11億円の営業減益要因となる。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE