レポ0.1%割れ、日銀が多めの資金供給-短中期金利上昇に配慮の見方

短期金融市場では、証券会社など の資金調達手段であるレポ(現金担保付債券貸借)の取引金利が、準 備預金の利息0.1%を下回った。日本銀行が多めに資金を供給してい るためだ。包括緩和以降の短中期債利回りの上昇が加速していること に配慮した金融調節との見方が出ている。

日銀が午後零時30分に公表した10日の東京レポレートは、当日 物(オーバーナイト)から2営業日に始まる翌日物(スポットネクス ト)が0.099%まで低下し、2007年10月のレート公表開始以来の最低 水準を更新した。市場では0.09-0.095%で取引された。

銀行は日銀の準備預金に超過準備として資金を置けば0.1%の利 息が得られるため、同水準を下回るところでは取引しない場合が多い。 証券会社が日銀オペで前もって資金を確保した後、担保として日銀に 差し入れる債券をレポで購入していることが0.1%割れの要因だ。

国内大手銀行の資金担当者は、包括緩和にもかかわらず国庫短期 証券(TB)や2年債の利回りが上昇する展開には違和感もあり、日 銀も配慮して通常より多めの資金供給を実施していると指摘。年末に 向けてはさらに手厚い資金供給を行うだろうとみていた。

短中期金利の上昇

TB3カ月物利回りは、10月5日の包括緩和決定直後に付けた約 4年半ぶりの低水準0.103%を下限に上昇を続け、足元では0.126%と 約1年ぶりの水準に達している。2年債も緩和直後の0.10%から

0.23%まで水準を切り上げている。

国内証券のディーラーは、短期金利を下限0.1%に張り付けるの が包括緩和と受け止めた市場の誤解がある一方、1-2年物の国債購 入で長めの市場金利を押し下げるとした日銀の声明とは明らかに反対 の状況になっていると指摘する。

日銀の森本宜久審議委員は9日の会見で、長期金利の上昇につい て「大きな悪影響を与えるまでの状況とはまだ考えていない」とする 一方、為替相場の急激な変動については「実体経済に与える影響が大 きい。そうした点を意識しながらいろいろな金融政策対応をとってい る」と述べた。

国内大手行の担当者は、日銀の包括緩和の目的が金利低下ではな く円高抑制だったことが分かると指摘した。

もっとも、レポ金利の0.1%割れは、日銀が市場の需要を上回る 資金を供給していることが背景で、これまでの市場機能を重視した金 融調節から短中期債利回りの上昇にも配慮した姿勢に転じているとの 見方が市場では出ていた。

年末に向けた調節

東短リサーチの寺田寿明研究員は「準備預金の積み終盤にしては 資金供給が多めだが、レポ低下の背景には利払い債の受け渡し停止期 間に入って玉(債券)が減っている影響もある」と指摘する。

20日には利払い債の停止期間が明けてレポ市場の債券が再び増 える。また、15日の年金払い日や20日の国債大量償還日には余剰資 金が一部の金融機関に偏在する傾向があり、レポ市場の証券会社に流 れる資金が減少しやすいため、引き続き日銀の調節姿勢を注目する参 加者も多い。

午後に実施された2本建て総額1.8兆円の全店共通担保オペ(期 日1月7日分と1月14日分)は、最低落札金利が下限0.10%、平均 落札金利は0.103-0.104%と、年末越えの資金供給オペとしては低水 準で落札された。

短中期債利回りやレポ金利が上昇した11月末には、日銀が当座 預金残高を20兆円台まで拡大しており、短資会社各社では年末に向け て同残高は20兆円台前半まで拡大されると予想している。

TB2カ月入札、需要にばらつき

財務省が実施したTB2カ月物158回債入札は、最高落札利回り が0.1266%、平均落札利回りは0.1259%と、前回11月(最高0.1167%、 平均0.1161%)を上回った。もっとも、0.13%近辺までの上昇を予想 する証券会社が複数いた前日に比べると、水準は切り下がった。

国内証券のディーラーによると、投資家によって需要は分かれて いたが、一部の証券会社の積極的な応札を受けて入札後の利回りが低 下したという。

応札倍率は5.60倍と前回の5.26倍を上回った。市場関係者によ ると、発行額2兆5000億円のうち外資系証券1社が6000億円程度を 落差したもよう。市場では、年金払いや国債大量償還を控えて一部投 資家の需要が指摘された。入札後は0.12-0.1225%で推移。

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